すべてが終わった瞬間の選手たちの表情を見ていたら、まず浮かんだのは「お疲れさま」の思いだった。 8月8日、サクラセブンズはブラジルとの9・10位決定戦で5-33と完敗。すべての戦いを終えた。中村知春主将は「常に強いチームが、勝つ。メンタル…

 すべてが終わった瞬間の選手たちの表情を見ていたら、まず浮かんだのは「お疲れさま」の思いだった。
 8月8日、サクラセブンズはブラジルとの9・10位決定戦で5-33と完敗。すべての戦いを終えた。中村知春主将は「常に強いチームが、勝つ。メンタル面でもフィジカル面でも。(2015-2016ワールドシリーズで)世界11位の私たちはまだまだ弱かったです」と話した。
 どうして勝てなかったのか。どうすればよかったのか。選手たちは矢印を自分たちに向けた日々を送ることになるのだろうが、検証はコーチ陣に任せ、ひとまず休息を。これまで走り続けてきたのだから、その時間だって、きっと次への第一歩になる。

 サクラセブンズがピッチを去ってから6時間後、オリンピックでの7人制ラグビーでオーストラリアが初めて金メダルを首にかけた。スピードもスキルも、パワーもあるニュージーランドを闘志剥き出しのディフェンスで止め続けた勝者。アタックでも長いパスと巧みなランニングコース、コンビネーションでトライを重ねて24-17のスコアだった。
 残念な結果に終わったニュージーランド。応援団が陣取ったメインスタンドの一角の中には、サンウルブズで活躍し、今季からサントリーでプレーするデレック・カーペンターの姿があった。パートナーであるフリアナ・マニュエルさんはニュージーランド代表の一員。『HURIANA』と書いたハチマキを頭に巻いて仲間とともに声援をおくっていた。

 優勝したオーストラリアは、サクラセブンズにとっては合同合宿をおこなうなど関係性の深い相手。また、銅メダルとなったカナダとは今大会のプールマッチで戦い0-45と敗れた。これまでの経験や今回の体感によって、それぞれまでの距離はなんとなく分かっているはずだ。その差を一つひとつ埋めていくしかない。
(田村一博)