専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第211回 毎度、鉄板ネタの”あるある”シリーズです。今回は、一風変わったコースを紹介していきたいと思います。 まずは、アメリカのドナルド・トランプ大統…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第211回

 毎度、鉄板ネタの”あるある”シリーズです。今回は、一風変わったコースを紹介していきたいと思います。

 まずは、アメリカのドナルド・トランプ大統領の来日記念(?)と言っては何ですが、こんなのはどうでしょう? 

 18ホールと表示されているのに、16ホールしかないゴルフ場です。

 トランプ大統領が来日してプレーした千葉のゴルフ場のことです。当日、大統領専用ヘリ「マリーンワン」を2機着陸させるため、2ホールを封鎖。そこをヘリポートにしてしまったのだから、すごいですよね。

 コースレイアウトを見ると、クラブハウスのそばに2ホールだけ独立してホールが形成されており、ちょうどいい按配にヘリポートが作れたわけです。クラブハウスが近いので、お出迎えもラク。そういう理由で、このゴルフ場に白羽の矢が立ったのではないですか?って、ホンマかいな……。

 というわけで、ここからは我々庶民の感覚からすると、「えっ?」と思うような奇妙なゴルフ場や、「こんなコースはちょっと勘弁してほしいな……」といったコースをいくつかピックアップしていきますので、とくとご覧あれ。

(1)各ホールよりもインターバルが長い
 400ヤードのミドルホールを終えたら、次のホールまでに600ヤードのインターバルがあった、とかですね。山を削って作ったゴルフ場には、こういうパターンが多く見受けられます。

 乗用カートのなかった昔は、「どうやってラウンドしていたんだろうか?」「ひたすら歩いていたんだろうか?」……そんな疑問が浮かぶでしょ?

 ご心配なく。インターバルの長いコースは、最初から乗用カートでラウンドすることを想定して設計しています。だから、昭和の頃に造られたコースでインターバルが長いコース、というのは稀です。

「じゃあ、問題ないじゃん」と思うでしょ。いえいえ、これがまた、結構トラブルがあるんですよ。

 インターバルの長いコースは、アップダウンが多く、走行距離も長いので、そこで使用されるカートは馬力が必要です。必然的にガソリンエンジンのカートが導入されます。それが、自動運転の場合だとノロノロしていてかったるくなりますし、人間が運転する場合でも、運転者の技量によるところが大きくて、余計な心配をしがち。冬になれば、路面が凍っていて日陰の坂道は滑るし、エンジンの調子が悪ければ、スパークして爆発音が頻繁に鳴り響くなど、気苦労も多いです。



ホール間の移動が長いのは大変ですよね...。こんなのはさすがに勘弁してほしいです...

 最悪なのは、山奥でのエンストです。マーシャルを呼ぶと言っても、代えのカートが来るまでに、かなりの時間がかかりますからね。ほんと、大変です。

(2)アイアン限定でティーショットを打たせる
 極端なドッグレッグや、住宅地がそばにあったりすると、「5番アイアン以下でティーショットを打ってください」という表示がありますよね。

 ドライバーでかっ飛ばすことができず、面白くありませんが、それには渋々従うしかありません。5番アイアンだとざっと180ヤードですから、みなさん「それ以下で」という計算をして打ちます。

 ただ私の場合、アイアンは8番アイアンからしか持っていないので、”アイアン縛り”をされるとしんどいです。

 ユーティリティもハイブリッドと呼び名が変わりつつある昨今、アイアンのみの表示は古すぎです。ギアの種類や番手で制限を設けるのではなく、あくまでも飛距離で制限を設けるべきですよね。

(3)ティーグラウンドがマット
 18ホールすべてのティーグラウンド(現在はティーイングエリア)がマットなら、それはそれで潔いのですが、唐突に2、3ホールだけ、人工マットでティーショットを打たされることになると、面食らいます。

 そもそもなんで、人工マットにするのでしょうか。

 ティーグラウンドって、みんながほぼ同じ場所でダフッたりするから、芝が傷みやすいんですな。それで、何日かごとに打つ場所を変えなきゃならないわけですが、コース側としては、それも面倒だし、メンテも簡単だからと、「人工マットで打たせよう」となるのです。

 けど、唐突に人工マットが現われると、戸惑います。しかも、問題もたくさんあります。ティーが程よい高さに刺さらない。ショートホールだと、マットが硬いのでダフる心配が余計に増す。さらに、足もとが滑る。スタンスに違和感を覚える……などなど、気になり出したら、止まりません。

 中途半端な人工マットは、ぜひやめていただきたいです。

(4)パー71のコース
 設計上の都合で、パー71になったんですね。そういうコースだと、プレーする前に「ベストスコアを更新したとき、堂々と言えない」などと文句を言う人がいますが、ベストスコアの更新は人生のなかでもそんなにないですから、ご心配なく。

 それに結局、実際にラウンドを終えると、「パー71のおかげで99。100を切れたよ」って喜んでいる人が続出します。

 本当はパー72のコースで、キリよくラウンドしたいところでしょうが、パー71のコースは滅多にないので、それはそれで楽しみましょう。ハーフなら、4オーバーで30台を出せますよ。

(5)練習場の設備がイマイチ
 コースはいいけど、練習場がパッとしないというゴルフ場は結構あります。

 何より驚くのが、練習場のマットが摩耗して、人工芝がすっかりはがれてしまっていること。さらにひどいと、打たれすぎて、マットが凹んでいるとか。そういうマットで打てば、確かにいい練習になるかもしれませんが、ラウンド前に技術の向上を図る必要はありません。マットは消耗品ですから、時期が来たら取り換えてほしいですね。

 ついでに言うと、練習マットが擦り減っている練習場は、ゴムティーの数もそろっていません。ドライバーを打とうとして長めのティーを探すのですが、そのティーがないときがよくあります。

 仕方がないので、隣のマットから拝借して打ったりしますけど、そもそもティーの絶対数が足りないわけですな。おかげで、空いているときはいいけど、満員になるとドライバーが打てない、なんてこともあります。

 マットとティーぐらい、ケチらずに備えておいてください。

(6)コースは動物や植物のものだった
 もともと動物たちの”遊び場”だった場所にゴルフ場を造ったわけですから、確かに人間はあとから来た”よそ者”なんですよ。とはいえ、程度ってものがありますよね。

 動物の糞があちらこちらに散らばっていたら、さすがにうんざりします。あと、モグラやイノシシが夜中に出てきて、いたるところを掘り返していたりして……。

 そういうところは避けてプレーすればいいのですが、その動物被害があまりにもひどいとね……。限度って、ありますよ。

 動物だけでなく、結構しぶとい雑草にも困ったものです。雑草の種子が飛んできたグリーンには、そこから雑草が生えてきます。おかげで、グリーンはマダラ模様になってしまうのです。

 雑草の成長力、侵食力が強くて、芝生に勝ることがよくあります。こうなったらもう、一度グリーンの土を変えて、芝生の種を新たに植え替えるしかないでしょうね。

(7)ラフに大穴が隠れている
 夏場に某コースのラフを歩いていたら、ズボッと片足がはまって、大変な目にあいました。足がはまった瞬間に足を曲げてしまい、軽い捻挫になってしまったのです。

 結局、その日はずっと片足を引きずってのプレー。ゴルフになりませんでした。

 そのコースは名門コースでしたが、なんで穴があったかは謎です。大雨のあとだったからかもしれませんが、コース側にも多少は責任があると思うんですよね。

 ただ、こういうのって、文句を言っても、言いがかりに聞こえますからね。軽い交通事故にあったと思って、コース側に苦情を言ったり、責任を追求したりするのはやめておきました。もちろんそのコースには、相性が悪いと思って、二度と行っていませんが……。

(8)天才の考えは理解不能
 それは、井上誠一設計の某カントリー倶楽部……って、私がメンバーだったコースじゃん!?

 東の18番ミドルホールには、フェアウェーセンターの真ん中に数本の樹木が生い茂っています。ナイスショットを放つと、その樹木の下へ。セカンドショットでは、グリーンが狙いづらくて厄介です。

 まあ、これも何かしらの意図があっての設計なのでしょう。が、いまだ理解不能です。

 その他、トム・ワトソン設計のあるコースでは、グリーンの中にバンカーがあったりして……。せっかくグリーンに乗ったのに、「バンカーかよぉ~」ってことが、現実に起きるのです。

 そんなわけで、ゴルフ場にはわりと常識を超えたセッティングや設備があったりします。それを受け入れてのコースです。

 ある意味、そういうコースは記憶に残りますから、それはそれで個性があっていいのかもしれませんね。