文=鈴木健一郎 写真=バスケット・カウント編集部、B.LEAGUE

2018-19シーズンの名古屋ダイヤモンドドルフィンズにおいて、プレータイムや得点など主要スタッツの多くで日本人トップになったのが安藤周人だ。前シーズンの時点で日本人エースとしての評価を固めつつあったが、名実ともにチームの中心選手となった。日本代表へのステップアップも期待される25歳の新鋭に、激闘のシーズンで得た収穫と課題を語ってもらった。

「オンとオフをしっかりしたいタイプです」

──シーズンが終わってから、どのように過ごしていましたか?

ここまでは本当にリラックスしていますね。シーズン中はどうしても張り詰めていて、オフがあっても常にどこかでバスケットのことを考えてしまいます。オンとオフをしっかりしたいタイプなので、ここまでは多少のトレーニングはやりつつ、気持ちはリラックスしていました。ハワイでチームメートの結婚式に出て帰って来たばかりで、良いオフを過ごせていると思います。

──スタッツ的にもプレー内容も大きく向上した1年となったと思います。課題と収穫をそれぞれどのように感じていますか?

3ポイントシュート成功率が40%以上、平均得点が2桁、という目標を掲げてシーズンに入ったんですけど、最初はどこもスカウティングができていなかったのか、マークが甘い状態から始められたので、思う通りにプレーできて良い状態をキープできました。結果的に40%を超えたし(40.7%)、2桁も取れた(14.6得点)のは本当に良かったと思います。

それは収穫なんですけど、シーズンの最初は50%以上あった3ポイントシュートの確率を10ポイントも落としてしまったのは自分の課題だと思っています。長いシーズンの後半に向けての身体作りは必要だし、シーズンが進むにつれてマークが厳しくなるのも当たり前のことです。2018-19シーズンは東地区の強豪との試合で抑えられたイメージが強いので、それを乗り越えないといけない。そういう課題を踏まえつつ次のシーズンを迎えられればと思っています。

ファイナルで感じた「東地区のディフェンスはすごい」

──レギュラーシーズン60試合、チャンピオンシップ3試合のすべてに先発出場しました。平日開催の試合も多い日程で、心身のコンディションを保つのは難しかったですか?

2月に代表合宿があった1週間と、3月下旬から3週連続で水曜日の試合があった時は本当にキツかったです。連戦をやって休み、練習、試合、というサイクルの中だと体重も筋力も徐々に落ちてしまって。NBA選手は当たり前のようにこなしているので、そこを見習わないといけないです。食事にしても大学生の時のほうが食べていましたし、身体をただ休ませるのではなく動かしながら休むとか、方法はあると思います。2019-20シーズンもきっと同じようなスケジュールはあると思うので、同じにならないようにしたいです。

その前のシーズンはケガがあって4試合欠場してしまいました。60試合すべて出場したい思いが強かったので、あの過密日程をケガなく終えられたことはプラスにとらえたいです。でもそこで満足するんじゃなくて、良いパフォーマンスを継続しないといけないですし、その部分では意識が足りなかったと思っています。

──東地区の強豪チームには、苦手意識のようなものを感じていますか?

シンプルに強い、特にディフェンスの質が違うというのは認めなきゃいけないですよね。多分どのチームも、そう見ているんじゃないかと思います。ファイナルはアルバルク東京と千葉ジェッツで、東地区のチーム同士の対戦でした。あのファイナルを見ていて、ディフェンスの質に差があると痛感しました。あのレベルのディフェンスをやりながらオフェンスもこなす、それを普通にやらなきゃいけない。そこまでできないとファイナルには行けないんだと思いました。

あまり言いたくはないですけど、あのレベルのディフェンスじゃないから自分が点を取れている部分もあると思います。東地区の強豪が相手だとスカウティングもしっかりしているので、僕が得点を取ろうと思ったらカバーがしっかり来るし、あのファイナルを見た一番の印象はやっぱり「東地区のディフェンスはすごい」です。

「ディフェンスから勢いを与えられるようなプレーを」

──ハワイでは中東泰斗選手、張本天傑選手の結婚式に参加したそうですね。オフコートでは選手同士の交流があまりないチームもありますが、このチームの仲の良さは特別なのでは?

そうなんですかね? 結婚式は半年前ぐらいに決まっていて、最初に中東選手から「オフにやるから来れる人は来てください」と言われた時点で、独身組はもう行くつもりでしたから。それを基準にいろんな予定を立てていたし、オフが始まった瞬間に「ハワイだ!」ってみんな叫んでいました(笑)。実際、仲が良いのは確かですね。しょっちゅう連絡も取り合っているし、このオフも体育館に来る時間を合わせて一緒にトレーニングをしたりしています。

そこは他のチームより仲が良いのかなと思いますけど、仲が良ければ試合で勝てるわけでもないので。我が強い人ばっかりですからね(笑)。このシーズンも『自分が、自分が』みたいになってしまうシーンがたくさんありました。試合をやっていると、どうしても熱くなるシーンは出てきます。そこをどうコントロールするかは個人個人のメンタルの課題なので、そこはうまく調和が取れればいいですね。

──若いチームなので時に噛み合わないこともありますが、2シーズン連続でチャンピオンシップに進出しています。そこからもう一つ上に行くためには、何が必要でしょうか?

オフェンスはBリーグの中でもトップクラスだと思うので、ディフェンスがキーになります。1人でも気を緩めると簡単に失点してしまうので、すべての選手が出ている間は100%のディフェンスをすること。オフェンスはみんな大好きなので、任せていれば点を取ってもらえるイメージです。だから僕自身を筆頭にディフェンスをもっと強化したいですし、自分としてはディフェンスから勢いを与えられるようなプレーをやれればと思っています。

──ドルフィンズの試合がないことが物足りなくて、2019-20シーズンの開幕を待ちきれないファンがたくさんいると思います。最後に、そんな皆さんへのメッセージをお願いします。

SNSでも僕が何か発信したらコメントをくれたり「ドルフィンズを見たい」と言ってくれたり、そういうコメントをもらうと本当にうれしいです。オフはオフで欲しいですけど、開幕前の時期になれば僕たちもあのコートで、皆さんの前でバスケットをしたい気持ちでいっぱいになっていると思います。皆さんだけが寂しいんじゃなくて、僕たちも寂しいのは分かってもらいたいですね。ああいうホームコートでやれるのがどれだけ幸せかを考えながら、シーズンに向けた準備をこれから進めていきます。