子どもに「サッカーを辞めたい」と言われたらどうしますか?城福浩のサッカー少年の育て方http://www.sakaiku.jp/column/thought/2016/012198.htmlある日、子どもが「サッカーを辞めたい」と言ったら、…

子どもに「サッカーを辞めたい」と言われたらどうしますか?城福浩のサッカー少年の育て方
http://www.sakaiku.jp/column/thought/2016/012198.html


ある日、子どもが「サッカーを辞めたい」と言ったら、あなたはどう受け答えしますか?

この問いについて、長年サッカー選手の育成に携わる城福浩さんは、なぜ子どもが辞めたいと言っているのかを聞いてあげることが大切だと語ります。

今回は、Jリーグのトップチームから小学生年代のサッカー少年まで、幅広い層のサッカー選手を指導してきた城福浩さんに、サッカー少年の育て方をうかがってきました。(取材・文 大塚一樹)


■“夢”をサポートすることと、プレッシャーを与えることは違う

城福浩さんは、サッカーをする子どもたちにとって、親との関わりは決して小さくない問題だと言います。

「年齢や個人差はありますが、はっきりとした自我が確立されていない子どもたちは、コーチに影響を受けたり、仲間に影響されたりする中で、いろいろなことを感じてプレーしています。一番大きな影響を与えているのは、一緒に過ごす時間の長い親御さんかもしれません」

子どもたちは、ただ毎日ボールを蹴っているのではなく、さまざまなことを感じながらサッカーをプレーしています。コーチ、仲間、親が環境をつくり、そのことが子どもたちの意志決定に大きな影響を与えていると城福さんは言います。

「もちろん、すごく意思が強くて全部自分で決めるという子もいるかもしれませんが、多くの子どもたちは、コーチ、仲間、親の3つの環境から自分の意思決定に影響を受けます。だから、われわれコーチ、そして親御さんがどう関わるかというのは、サッカーの上達にも、これから先に進む方向にも影響があると思います」

サッカー人気が日本で定着し、日本人選手が世界の舞台で活躍するようになったいま城福さんが気にかけるのは、親の過度な期待によるプレッシャーです。

「ぼくが子どものころとは比べるまでもなく、サッカーはメジャーなスポーツになりましたよね。世界のサッカーがライブで見られる、子どもたちの将来の夢ランキング上位に“サッカー選手”が入るのが当たり前の時代です。Jリーガーも海外クラブで活躍する選手も日常的に目にする。プロサッカー選手自体が存在しなかった昔とは違い、“夢”を見られる状況になったと言うことです」

サッカーを取り巻く状況の変化は喜ばしいことと前置きをした上で、城福さんはそのことが親の期待値の上昇につながっていると指摘します。

「テレビに映るプロ選手を見て、ああいうようになってほしいと思う。それ自体が悪いというわけではありませんが、親が子どもより夢を膨らませるケースも珍しくありません」

子どもが憧れや夢を抱いて一生懸命練習する。これは歓迎すべきことでしょう。しかし、子ども以上に親が期待値を上げ、熱くなってしまうことには弊害があります。

「親の期待が子どもにとってどれだけプレッシャーになるのかということは、立ち止まって考えて欲しいことです」


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