女房役のヤスマニ・グランダル捕手は試合後、「彼の存在はチームにとって大きい」と前田に絶大な信頼を寄せていることを明かした。■エース不在の中で先発陣牽引、今季加入のマエケンに女房役も「存在は大きい」 4日(日本時間5日)の敵地ロッキーズ戦に先…

女房役のヤスマニ・グランダル捕手は試合後、「彼の存在はチームにとって大きい」と前田に絶大な信頼を寄せていることを明かした。

■エース不在の中で先発陣牽引、今季加入のマエケンに女房役も「存在は大きい」

 4日(日本時間5日)の敵地ロッキーズ戦に先発し、5回2/3を4安打2失点で10勝目(7敗)を挙げたドジャースの前田健太投手。チームは前日、前々日の2試合でいずれも先発投手が早々に降板して連敗していただけに、しっかりゲームを作ったことは大きかった。チームは4-2で勝利し、日本人投手のルーキーイヤーでの2桁勝利到達は7人目に。女房役のヤスマニ・グランダル捕手は試合後、「彼の存在はチームにとって大きい」と前田に絶大な信頼を寄せていることを明かした。

 この試合、前田にとって唯一の失投となったのは、1点リードの4回無死一塁で迎えたダールへの1球。2ボール1ストライクからグランダルは内角高めに構えたが、90マイル(約145キロ)の速球は真ん中付近へと入ってしまった。これを捉えられ、打球はバックスクリーン左へ。逆転2ランとなった。しかし、チームは5回にすぐさま再逆転、前田はこの場面以外ではカーブをはじめとする変化球を効果的に使い、ロッキーズ打線を抑えていった。

「彼はいつも通りの自分のスピンをかけて投げられていた。今日、彼のカーブはよかった。スライダーもとてもよかった。チェンジアップと速球もよかった。1つだけミスを犯したのは、ダールへの1球。ど真ん中に投げてしまったのを見逃してもらえなかったけど、それ以外は集中して投げられていた」

 グランダルも前田の投球をこう振り返っている。シーズン当初に比べ、2人の呼吸も合ってきた。意思疎通がしっかりできているという。

■2人の意見が一致している点とは、「そのおかげで最近いいんだと思う」

「シーズン序盤は、カーブとチェンジアップに頼っていた。いい変化をする球だからね。4つの球種の出どころも一緒だし。彼が自分でどんな投球をしたいか言ってきた。チェンジアップを上手く使いながら、速球の制球をよくする。それが今は強みになっている。

 4つの持ち球をしっかり使った方が楽に投げられる。カーブとスライダーに頼るだけじゃなくて、速球を見せたりしながら。今は4つの球種をすべて使うということで、意見が一致している。だから、打者有利のカウントになっても対応することができている。そのおかげで最近いいんだと思う」

 左腕カーショーは故障で長期離脱中。ルーキーながら先発ローテを死守し、早くも2桁勝利に到達した前田は貴重な役割を果たしている。エース不在の状況が続く中、ドジャースは首位ジャイアンツと2.5ゲーム差の2位と奮闘しているが、地区優勝を繰り広げるチームの中心に前田がいる。

「彼はいい状態を保っている。打者に向かって攻めの投球をすることができているし、変化球に頼り過ぎていない。チェンジアップを効果的に使えているし、球がいい動きをしている。ストライクゾーンを広く使って速球を投げられているし、そこからカーブやスライダーを使うことで、当たりの弱い打球やフライに打ち取れている。ここ数か月、彼の存在はチームにとって大きい」

■カーショー不在の中、本人も自覚示す「責任持って色々とやっていかないと」

 このように、グランダルは日本人右腕に絶大な信頼を寄せる。そして、前田自身も自覚を持ってボールを投じている。

「最初の頃よりは責任を持ってマウンドに上がらないといけないのかな、というのは今のチーム状況では感じています。僕がエースではない。別にそういう思いでマウンドに上がることは今はないです。

 ただ、チーム状況であったり、ピッチャーの状況を見て、しっかり責任を持って(マウンドに)上がらないといけない。今まで以上に責任持って色々とやっていかないといけないと思います」

 残り2か月、宿敵ジャイアンツと優勝をかけた熾烈な戦いが続く。安定感のある投球を続ける前田の存在が、ドジャースにとってますます重要になってくる。