元世界ランキング21位、浅越しのぶが語る来たる5月26日(日)、四大大会(グランドスラム)の今季2試合目、"ローランギャロス"の愛称でも知られる全仏オープンテニスが開幕する。現在ATPランキン…

元世界ランキング21位、浅越しのぶが語る

来たる5月26日(日)、四大大会(グランドスラム)の今季2試合目、"ローランギャロス"の愛称でも知られる全仏オープンテニスが開幕する。現在ATPランキング1位のノバク・ジョコビッチでも1勝しかしたことのない、美しい赤土のクレーコートを制するには、グラス(芝)コートやハードコートと違い、独特の攻略方法が必要だという。同大会において、2004年には女子シングルス4回戦に進み、02年と05年には女子ダブルスでベスト8にも輝いた、日本を代表するテニスプレーヤー・浅越しのぶに全仏の魅力、注目選手について聞いてみた。

--------過去に全仏オープンテニスで戦った選手として、あの赤土のクレーコートはどんなものなのでしょうか?

浅越しのぶ(以下、浅越)「私自身、早いテンポのテニスが好きでロングラリーが苦手なのでフレンチ(全仏オープンテニス)は苦手でしたね。ローランギャロスのアンツーカという土は他のクレーとも違って、よりボールの勢いが吸収されて、スピードが落ちるので長い打ち合いになるんですよ。フットワークがしっかりしていて、何球もしっかり打てて、ちゃんとコート内に入れられて、相手を左右に振れるコントロールの良さを持っていないとダメ。私はコントロールが良くなかったので、出場するのが嫌でした(笑)」

--------それぐらい難しいんですね。前哨戦のバルセロナ、マドリード、ローマのクレーとも質が違うんですか?

浅越「ローランギャロスはとにかく最高のメンテナンスなので、イレギュラーは少ないですね。芝のクオリティはウィンブルドンにかなわないように、クレーならローランギャロス。素晴らしい仕上がりですから。その前哨戦の3大会よりはもうちょっとフワフワした感触があります」

--------どういうプレースタイルの選手に向いています?

浅越「女子だと昨年の勝者、シモナ・ハレプ選手のように配球が上手くて、そこまでスピードボールじゃないけれどミスをしない選手が有利ですね。それと、2週間続く長いトーナメントですし、総合的に体力がある選手にはかなわないでしょう。あとはボールのスピン量が多い選手にも有利。ラファエル・ナダル選手なんて、クレーを知り尽くしていますし、ローランギャロスだと自分の庭みたいに、水を得た魚のように意気揚々とプレーしてますよね。ドミニク・ティーム選手も前哨戦のバルセロナで勝ってますし、注目しています」

--------さて、現在WTAランキング1位の大坂なおみ選手は全米、全豪に続いてグランドスラム3大会連続優勝がかかっています。調子はどうなのでしょう?

浅越「大坂選手はグランドスラムになると、なにか"持ってる"感じがしますよね。強い選手でもグランドスラムだけ勝てない選手もいますから。以前はクレーがちょっと苦手なのかなと思っていましたが、前哨戦を見た限りでは、スライドステップも上手くこなしていますし、この全仏でもやってくれそうな気がします。大舞台での爆発力は、もう結果が証明していますよね。最高の舞台でぜひ戦って勝ってほしいです」

--------ATPランキング6位の錦織圭選手はクレーが得意ですが、今度こそ勝ってほしいですよね。

浅越「テクニックがある選手に有利なのがクレーコートなので、錦織選手も勝てるチャンスは間違いなくあります。ただ、次世代の選手も出てきて、研究され尽くされていますから、非常に苦しい大会になるかもしれません。でも、それでもトップ10以内にいますから、それだけでもすごいことなのですが。錦織選手に関しては、"リターン"の精度が勝負の鍵を握っていますね。トップ選手でも1回戦、2回戦でうっかり気を抜くと落としてしまうので、とにかく頑張ってほしいです。錦織選手、大坂選手のダブル優勝、期待しちゃいますよね! WOWOWをご覧の皆様、一緒に応援しましょう!」(文・高橋真之介)

◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆

★「全仏オープンテニス」

5月26日(日)~6月9日(日)連日生中継(大会第1日無料放送)

■詳しくはWOWOW テニスオフィシャルサイトをご覧ください!

http://www.wowow.co.jp/sports/tennis/