2019年のファイナルでダンクシュートを決めた後の馬場(A東京)。

「初めてダンクシュートができたのは中学3年生でした」。

そう語るのは、今年のBリーグファイナルでも豪快なダンクをかましたアルバルク東京の馬場雄大だ。昨今のBリーグ選手の中で、NBAに近い存在と言っても過言ではないだろう。昨季Bリーグ新人賞に輝いた23歳は2年目の今季、レギュラーシーズンでは12試合の先発含む59試合で1試合平均10.7得点、同リバウンド3.7、同アシスト3.6の活躍。プレーオフでは全6試合に先発出場し、ファイナルでは勝負所でクラッチシュートを決めるなど素晴らしいパフォーマンスを見せて最優秀選手に選ばれた。バスケットボール日本代表でも、日本の13年ぶり世界選手権出場に貢献するなど、今や日本を代表するオールラウンダーだ。

今季のA東京は当初厳しいシーズンだったかもしれない、馬場も言うように、「自分のことを考えられないくらいチームが大変でした。けが人が出たり、バスケットボールに集中できない環境が続く選手もいましたし、そういった部分でずっとタフなシーズンだった」。しかし、その苦難を乗り越えて、ファイナルで千葉ジェッツに競り勝ち2連覇を飾り、その苦労が報われた。馬場は、「最後乗り切って優勝した瞬間に全て報われたので今まで一番と言っていいほど最高のシーズンでした」と今季を振り返った。

2019年のシックスマン賞を受賞したA東京の馬場(写真右)。

1年目に新人賞、2年目はファイナルMVPと右肩上がりで、順風満帆なプロ生活を送っている馬場。身長198センチの23歳が見据えるのは、自身の目標であるNBAだ。NBAに入るには、ドラフトされるか、サマーリーグなどに参加してスカウトの目に留まり契約してもらう必要がある。サマーリーグについては、昨年に渡邊雄太、以前にも今季BリーグMVPの富樫勇樹が挑戦した。馬場ももちろん、サマーリーグへの挑戦を考えている。「NBA選手になるのはそこを通過する必要があると思うので、もちろんそこは視野に入れています。この数年では行きたい」。今年の可能性について聞いてみると、返答に窮しながら「後々分かることなので」と苦笑し、否定はしなかった。そして、NBAへ行くタイミングは、この数年が勝負だと自覚している。「世界選手権、五輪があるこの1年間はすごいチャンスだと思うので、ここで手に入れられなければその先はないと思うので、この1、2年でケリをつけたい。自分だけの力だけではなれないので、皆様の協力を頼みながら前に進んでいきたいです」。

馬場は中学3年で初めてダンクシュートができるまで、「ひたすら練習をしました。ボールを掴めなかったので、小さいボールからやり始めました」。中学の部活を引退後からマスターし、高校に入ってからは試合でもダンクシュートを決めていたと言う。少し前のバスケットボール界では想像もできない。今年のNBAドラフトでは、ゴンザガ大の八村塁が日本人史上初のドラフト1巡指名となる声が大きい。今後も、日本からNBAに挑戦する若者は増えていくだろう。

2019年8月に世界選手権、2020年には東京五輪が控えている。馬場本人はもちろんのこと、日本のバスケットボール界にとっても大きな1年になる。「僕たちの頑張り次第で日本のバスケットボールは、令和元年に変わったと言われるようになるので1日1日を無駄にせず過ごしたい。個人的には、あと数年頑張んないといけないところまできているので、本当に大切な1年になると思います」。馬場は今年1年を大切に過ごし、その後の大きな飛躍へつなげようとしている。