11日に横浜アリーナで行われた千葉ジェッツ対アルバルク東京による「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」のファイナル。試合は、東京が第3Q終了時点で19点差をつけワンサイドの様相を見せたが、天皇杯王者の千葉が試合終了2…

11日に横浜アリーナで行われた千葉ジェッツ対アルバルク東京による「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」のファイナル。試合は、東京が第3Q終了時点で19点差をつけワンサイドの様相を見せたが、天皇杯王者の千葉が試合終了26秒前に点差を2点まで縮める意地を見せるなどファイナルらしい素晴らしい展開。結果は東京に軍配が上がり史上初の2連覇を飾った。

Bリーグファイナルは3年連続でチケットが即時完売だった。開場を待ちきれないファンは、試合前から列をなし頂上決戦を待ちわびていた。15時15分、ティップオフされると、第1QはA東京のディフェンスが功を奏せば、千葉もエースの冨樫勇樹を軸とした持ち味のスピード感溢れるオフェンスで応酬する。第3Qを29対12とリードした東京が点差を広げるが、第4Qに悲願の初優勝を目指す千葉が意地を見せた。A東京のルカ・パヴィチェヴィッチHCの言葉を借りれば、「今日はBリーグファイナルにふさわしいいい試合だったと思います」。

ダンクシュートを決めるA東京のカーク。

Bリーグは今年で3年目。元年の開幕戦を東京体育館で見た。カードはA東京対沖縄。あくまでも個人的な見解と前置きさせてもらうが、その時の試合はお世辞にもレベルが高いものではなかったと思う。エアボールは多々見られ、日本人選手のダンクを目の当たりにすることはなかったと記憶している。しかし、レベルの高い外国人が加入するなどリーグのレベルが高くなった。その証拠に、バスケットボール男子日本代表は、自力で21年ぶりに世界選手権の切符を掴み、その中心にいたのが、今年のファイナルに出場した冨樫、田中大貴、竹内譲次、馬場雄大だった。馬場は、ファイナルでダンクシュートをかまし、ファイナルMVPまで手にした。確実に日本のバスケットボールのレベルは高くなっていると感じた。

ダンクシュートを決めた後のA東京の馬場。

そしてブースターの試合を見る姿勢も変わったと思う。リーグの発表によれば、入場者数は12,972人。この数字は、3度目のファイナルで史上最多だ。この声援がコート上の選手の活力となり、選手はレベルの高い試合を披露してくれた。試合中は、客席から「ゴージェッツ!」、「レッツゴー東京!」と両チーム息の合った大声援が飛び交い、「ディーフェンス!」の声も場面とピタリと合っていた。実況アナウンスも試合の邪魔をしない。タイムアウトの合間にはチアリーダーの華麗なダンス。アリーナの雰囲気はまるでアメリカでNBAの試合を見ているようでもあった。

ルカHCの顔を模したパネルを掲げて応援するA東京のブースター。
華麗なダンスでアリーナを盛り上げた千葉のチアリーダー。

Bリーグが発足して3年目。自国のスポーツリーグはプロ化することでレベルが上がる。サッカーのJリーグが良い例だろう。それまでワールドカップに出られなかった日本が、1993年にリーグが始まると1998年には初のワールドカップ出場。そこから6大会連続で出場中だ。リーグが成熟するには、選手の実力アップはもちろんこのと、ファンの応援も必要不可欠だ。試合前、試合中、試合後の演出などBリーグは、スポーツからエンタテイメントにも昇華してきたと思う。これがどんどん成熟していけばファンが会場に足を運ぶようになる。

A東京の田中が冨樫とマッチアップ。両者は日本代表ではチームメイト。

8月31日から始まる世界選手権は、予選ラウンドでトルコ、チェコ、そしてアメリカと同組だ。この3カ国は、FIBAランキングでは48位の日本を全て上回っている。アメリカに勝つことは正直厳しいだろう。しかし、今宵のBリーグファイナルを見たら、一縷の可能性を感じずにはいられなかった。