J1リーグ第10節、3連勝中の北海道コンサドーレ札幌が、4連敗中のヴィッセル神戸をホームに迎えた。 札幌はアンデル…

 J1リーグ第10節、3連勝中の北海道コンサドーレ札幌が、4連敗中のヴィッセル神戸をホームに迎えた。

 札幌はアンデルソン・ロペスがケガで長期離脱。代わりに荒野拓馬を先発させた。一方の神戸は、アンドレス・イニエスタ、ルーカス・ポドルスキがケガのため欠場。ウェリントン、セルジ・サンペールもベンチスタートとなった。代わりに田中順也、宮大樹、橋本和が今季初先発を果たしている。

 前半、神戸は古橋亨梧と郷家友太を前線に張らせて田中、ダビド・ビジャとともに4トップにし、札幌の3バックを5バックにさせて押し込もうとした。しかし、神戸は前線からハイプレッシャーをかけることはせず、相手が自陣に入ってからプレスに行く。これに対して札幌は、ワントップの鈴木武蔵、ツーシャドウのチャナティップ、荒野の3人で神戸のボランチ、山口蛍、三田啓貴にプレッシャーをかける。

 神戸は前線の4人に動きがなく、ボランチからいいパスが出ない。逆にたびたび中盤でボールをロストして、札幌のカウンターを受ける。2列目が前線に張っているため、守備に戻り切れず、いかにもバランスの悪いサッカーになっていた。



北海道コンサドーレ札幌に敗れ、ピッチを去るダビド・ビジャらヴィッセル神戸イレブン

 札幌は鈴木、チャナティップ、荒野らが立て続けにチャンスを作るが、ゴールには結びつかない。神戸も前線の深い位置までボールを運び、ビジャがシュートを打つシーンがあったものの、なかなか攻撃の形が作れない。前半は0-0のまま、神戸が何とかしのぎ切った。

 後半に入ると、神戸は山口が最終ラインに降りてボールをさばき、右に張っていた古橋をトップ下に置きバランスを整える。すると後半17分、西大伍がペナルティ・エリア内で倒されPKを獲得し、これをビジャが決めて先制する。

 しかし札幌も後半23分、右サイドで得たフリーキックから、クリアボールが浮いたところを進藤亮佑がオーバーヘッドで決めて同点に。さらに7分後の後半30分には、鈴木がヘッドで叩き込み逆転に成功した。

 その後、神戸はビジャに代えてウェリントンを投入。高さで勝負に出る。終盤には分厚い攻撃を見せるが、試合はそのまま2-1で札幌が勝利を飾った。札幌はJ1でクラブ初の4連勝。一方の神戸は泥沼の5連敗となった。

 神戸の吉田孝行監督は試合前、イニエスタ、ポドルスキの欠場について「彼らがいるといないでは、違うサッカーになる」と言っていた。そのとおり、”バルサ風のサッカー”は影を潜めた。

 では、それはどのようなサッカーだったのか。前線に4枚を張らせたが、前線とボランチの距離が長すぎてパスが出しづらく、前線の選手もボールを引き出せなかった。そのバランスの悪さをもう少し早く修正できていれば、前半からもっとチャンスを作れていたはずだ。また、逆転されてからウェリントンを投入したのは、彼の高さを生かしたかったのだろうが、その意図は徹底されていなかった。もっと簡単に放り込んでもよかったのではないだろうか。

 いずれにしろ、イニエスタが復帰すれば、またパスサッカーに戻るに違いない。イニエスタに頼らなければならない。それが神戸の現状だ。「メンバーが変わればサッカーも変わる」では、神戸のサッカーは確立されない。

 さらに、これから気温と湿度が高くなるにつれ、VIP(ビジャ、イニエスタ、ポドルスキ)と呼ばれる3人の運動量は落ちてくるはずだ。そんななかで吉田監督がどういう采配を見せるのか。頭が痛いところだろう。

 次節はホームで強豪・鹿島アントラーズと対戦する。右サイドバックの西はイエロー累積で出場停止だ。泥沼からどう抜け出すのか。今の神戸の戦いからは、先が見えてこない。