関東学生春季リーグ(春季リーグ)、開幕2連勝中の早大。目標としていたAプール首位通過が懸かったこの試合の対戦相手は、昨年秋の王者・山梨学院大。第1クオーター(Q)から先制を許したものの、徐々にペースを掴み格上相手に互角の戦いを繰り広げた。…

 関東学生春季リーグ(春季リーグ)、開幕2連勝中の早大。目標としていたAプール首位通過が懸かったこの試合の対戦相手は、昨年秋の王者・山梨学院大。第1クオーター(Q)から先制を許したものの、徐々にペースを掴み格上相手に互角の戦いを繰り広げた。第3Qではペナルティーコーナー(PC)からの同点ゴールを決め、流れは早大に向いたかと思われた。しかし終盤にミスが重なったことから一気に3点を失い、あえなく敗北。下剋上は果たせなかった。

 小雨が降る東伏見グラウンドに、試合開始のブザーが響く。序盤から果敢に敵陣に攻め込み、積極的なプレーを見せる。しかし一度ボールを奪われると相手のペースに持ち込まれ、危ない場面が続く。開始約7分、相手のPCをセーブしたものの、ペナルティーストローク(PS)で先制点を奪われる。雨が強まる中で迎えた第2Q。FW清水拓登(スポ3=滋賀・伊吹)がシュートを放つもセーブ。段々と敵陣でのプレーが増え、互いに何度もサークルインするなど一進一退の攻防を見せる。相手のシュートにはGK山本健悟(社4=滋賀・伊吹)が素早く対応し、1-0のまま前半を終えた。


好守備を見せた選手たち

 後半も互角の戦いが続き、巧みな攻めに耐えながら反撃の機会をうかがう。FW村上和亮(政経2=東京・早大学院)がパスを受け止めPCを獲得。2回目のPCでDF中嶋鍊(スポ4=島根・横田)がゴールを決め、同点に追いつく。勢いにのった早大は攻撃の手を緩めず、相手にプレッシャーをかける。FW村上が得点に絡むかと思われる場面もあったが追加点獲得とはならなかった。勝負の行方が懸かる第4Q、開始約2分でFW平岩佑利(スポ1=奈良・天理)がイエローカードを受け、5分間の退場となる。人数が1人少ない状態で隙を突かれ、ゴールを守りきれずに追加点を許す。コンディションの悪さから体力が削られたのか、相手のスピードに守備が追いつかず、その後も2点を奪われる。終盤、挽回のチャンスがあったものの得点には繋げられず、1-4で試合を終えた。


同点ゴールを決めたDF中嶋

 格上を相手に善戦した早大。あと一歩及ばなかったものの、「自分たちの形で攻められていた」とMF大野誠弥主将(政経4=東京・早大学院)が振り返るように、収穫のある試合となった。決勝リーグ初戦の相手は明大。またもや強豪校との対戦だ。目標である3位奪還へ向け、今度こそ「勝ちきる力」を見せたい。

(記事 小出萌々香、写真 新藤綾佳、細井万里男)

結果
TEAM1Q2Q3Q4QTOTAL
早大
山梨学院大


コメント

原聡監督(昭59理工卒)

――きょうの試合を振り返っての感想をお願いします

途中まで互角にできていたので、狙い通りというかやりたいことができて、まあ向こうの方が戦績を考えたら格上なので、まあ最後ちょっとミスが続いちゃって、このくらいのチームだともうミスすると許してくれないんで、そこは今までとの違いが出ちゃったなと思います。

――格上の山学大相手でしたが、何か対策されてきたことはありますか

格上ですけど、引いて守るというよりも前でしっかりプレッシャーをかけて、そこから相手の選択肢を減らしてボールを奪ってそれを繰り返していく、ということですかね。

――きょうはフォーメーションを変えたとうかがいましたが

いつも中盤をやってる山下翼(スポ3=滋賀・伊吹)を後ろに置いて、齊藤湧大(スポ4=栃木・今市)を前に出したんですけども、先週東大とやった時は中嶋(鍊)が就活で出られなかったので、後ろで守るというよりも守った後ボールを展開するという意味で結構タイプが違うのでこういう形もあるかなということでやってみたというところですね。

――順位決定戦の明大戦に向けて意気込みをお願いします

たぶん前評判ではきょうの山学と明大が関東リーグでは抜けてるかなというので、同じような展開というかしっかり守ってそこからチャンスを作っていくことになると思うんですけれど、きょうは負けましたけどいい経験を積めたかと思うので、それをしっかり生かしてミスがどうして起きたのかをしっかり振り返ってそれを無くしてということと、ボールを奪うということはできてるので、そこからやっぱり点取れないと勝てないんで、前に持っていく形、こういったことを練習していきたいと思います。

MF大野誠(政経4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っての感想をお願いします

前半は最初に失点してしまったんですけど、その後は相手のカウンターにもしっかり対応できてしっかり守れていた部分もあったし、前でポイントを残して攻められていたので互角の戦いができていたと思ってます。

――山学戦に向けて何か対策はしてこられましたか

いつもはプレスを結構前の方でかけるんですけど、しっかり自陣に引いて、守備を固めたうえで高い位置で取って攻めようという意識で練習に取り組んで試合で試してみようということを皆に伝えてやっていました。

――実際に戦ってみての相手の印象というのはいかがでしたか

思ったよりも前でかけても相手のペースでやられるということは少なくて、後半からは特に前からどんどん行っていこうということをやっていたので、戦い方としては最初は守備面から固めていこいうということだったんですけど、実際自分たちの形で攻められていたのでそこはよかったのかなと思います。

――途中まですごくいい流れで試合が進みましたが、課題はありますか

せっかく同点だったんですけど、自分のミスで失点してしまってそこから自分たちのペースから相手のペースに飲まれてしまった部分があったので、カードでひとり退場してしまったんですけどそういった時にしっかり対応していかなきゃなと思いました。

――順位決定戦の明大戦に向けて意気込みをお願いします

3月に1回対戦していてそこでは負けてしまったんですけど、互角の試合はできていたので、きょうの反省点をしっかり生かして次戦で発揮して勝ちきれるように、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います。

DF中嶋鍊(スポ4=島根・横田)

――きょうの試合を通して収穫、課題はありましたか

課題は後半にどれだけロング(パス)に頼らずにショートパスで細かく、かつミス無く集中力を切らさずに繋げるかという点が浮き彫りになったかなと思います。収穫としては山学は強豪ということで例年チャレンジャー精神だったのですが、結構プレーも同格に戦えるということが分かりました。それは自信にも繋がるので収穫だったと思います。

――強豪校である山学大に対して対策されてきたことなどはありますか

プレスがいつもと違う感じになりました。相手はリスタートも早いですし、個々の技術もあるのでしっかりと連携したプレーを練習でやってきました。

――実際試合をしてみての山学大はいかがでしたか

やはり個人技は強豪と言われるところなので本当に上手でした。そつなくこなすというか、ミスが少ないので少ないチャンスをものにできなかった感じです。

――第3クオーター(Q)に同点ゴールを決められましたがその場面を振り返っていかがでしょうか

最近点を決めていなくて、インカレぶりだったので嬉しかったです。本当にみんながボールをあそこまで運んでくれて、2年生の村上(和亮)が魅せたシーンだったと思います。僕は来たボールを決めるだけだったので、それまでの過程がすごくみんな良くてチームに感謝しています。

――一方第4Qでは苦しい時間が続きましたが、プレーする中で意識されていたことなどはありますか

やはりみんなナイーブになっているのが顕著に出ていたので、自分だけはディフェンスのど真ん中としてどのようにチームを立て直していこうかと考えた時には試合が終わっていたので。そこも課題で、苦しい時間点を決められた時にどう立て直すか、プレー面で言ったらロングボールに頼らずショートパスで繋いでミス無く前にということが大事だと思いました。そこは課題として浮き彫りになったので逆に良かったかなと思っています。

――最後に順位決定戦予選への意気込みをお願いします

相手は明大になると思うのですが、しっかり万全の状態で臨めることが大事だと思っています。頑張るの一言です。

FW村上和亮(政経2=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

前の東大戦ではスタメンで初めて試合に出て結構悔しい思いをしたので、きょうは結果を残したいなと思っていました。自分にとって最初の1点を取ることが今後の活躍に向けて大事だなと思ったので、きょうの山梨学院大戦では限られた時間にはなると思ったんですけれど、結果を残すということに重点を置いて結果的に3QでPCを取れたので、個人的には良かったなと思っています。ただチームとしては1-4で負けてしまって悔しいところはあるので、次の順位決定戦まではまだまだ時間があるので、それに向けて切り替えていきたいなと思います。

――きょうの試合の中で意識していたプレーはありますか

山梨学院大は強豪チームで自分たちよりも格上だったので、まずは気持ちでは負けないというのを意識して、自分にボールが来たら本当に必死こいてやるしかないと思っていました。どんどんボールをカットできるところはカットしていって、どんどん仕掛けられるところは仕掛けていこうかなと思っていました。

――実際に戦ってみて山梨学院大の印象はどうでしたか

(自分が)早大学院出身ということもあって自分よりも技術はありますし、チームとして早稲田よりも強いなというのはありました。結果的には1-4ではあったんですけど、3Qまでは1-1でしたし、全然やれる相手ではあるなというのは感じました。これからこの代も結構長いので、山梨学院大にも勝てるように強くなって進歩していけたらいいなと思います。

――きょうの敗因は何だったでしょうか

4Qになってやっぱり疲れとかが出てきて、パスのミスとかトラップのミスとかがちょっと目立ったので、そういうところが大きいかなと思います。

――オフシーズンに取り組んできたことはありますか

僕自身が去年の7月に手術をして6ヶ月間ホッケーができない苦しい時期を過ごしたので、この春リーグが僕にとって半年ぶりの公式戦で、本当にストライカー、FWとして点を取りたいなと思っていました。怪我をしていた時には体力向上だったりとか、(怪我をしたのが)左手首だったので、使える右手だったりとかの筋力強化という面で、あとはメンタル面で結構鍛えられたかなという風に思っています。

――順位決定戦予選の相手は明治大学となりました。次戦への意気込みをお願いします

もちろんスタメンで出れるようにというのはあるんですけど、たとえスタメンじゃなくて途中交代であったとしても、きょうみたいにPCを取るなりでチームが勝てるように僕は動くだけなので、頑張って勝利に向かっていきたいなと思います。