雨天による影響でこの日、本戦の開幕を迎えた関東学生トーナメント(春関)。新シーズンの幕開けを告げる今大会、関東学生王者の座を目指し早大からも多くの選手が出場した。★ルーキーの丹下、女子では下地が2回戦へ(駒学玉川テニスコート)フルセットの…

 雨天による影響でこの日、本戦の開幕を迎えた関東学生トーナメント(春関)。新シーズンの幕開けを告げる今大会、関東学生王者の座を目指し早大からも多くの選手が出場した。

★ルーキーの丹下、女子では下地が2回戦へ(駒学玉川テニスコート)


フルセットの末初戦を突破した下地

 男子シングルスには丹下将太(教1=東京・早実)が登場。試合は点を取っては取り返される緊迫した展開に。序盤、コーナーに鋭いショット打ち分け、相手を圧倒する。しかし、だんだんとミスを犯し、主導権をにぎられていく。だが、徐々に本来の調子を取り戻す。最後は安定したプレーでセットを獲得した。
 女子シングルスでは下地奈緒副将(社3=沖縄尚学)、前田優歩(スポ1=沖縄尚学)の2人が出場した。前田は相手の巧みなボレーに苦戦。なかなか突破口を開くことができない。圧倒され、ストレートでの敗戦を喫した。続いての出場は下地。攻防の末、ファーストセットを落としてしまう。ファーストセット終了時にトイレットブレークを取る。すると、「うまく切り替えられた」と語るように試合様相は一転。粘り強いショットを重ね、下地の優勢でゲームは進んでいく。勢いに乗った下地はセカンドセットを手中に収めた。その後は一時逆転を許してしまうが、粘り強くプレー。打ち合いを制して、2回戦へとコマを進めた。

(記事 小田真史、写真 森田和磨)

★最上級生の意地を見せた古賀が初戦を突破(慶大日吉テニスコート)


ファイナルセットでポイント奪い雄たけびを上げる古賀

 予選を突破し本戦出場を決めていた本多映好(社3=岩手)は男子シングルス1回戦で堀内竜輔(亜大)と対戦したが、ファーストセット、セカンドセットともに第1ゲームをブレークされるなど常に主導権を握られ、2−6、2−6のストレート負けを喫した。樋口廣太郎(スポ3=福岡・柳川)はこの日リターンが冴え、2セット合計5つのブレークを奪いストレート勝ちで初戦を突破した。ラストイヤーを迎える古賀大貴副将(スポ4=大分舞鶴)はファーストセットを6−3と幸先よく先取したものの、セカンドセットでは3ブレークを奪われゲームをタイに戻される。迎えたファイナルセットでもリードを許す展開となったが、「気持ちを整理しつつもしっかり攻めることができた」と1−3から5ゲームを連取し逆転勝ち。苦しい試合となったが最上級生の意地を見せ、2回戦へと駒を進めた。
 女子シングルスにはルーキーの2選手が出場。猪俣莉々子(山梨学院大)と対戦した押川千夏(社1=福井・仁愛女子)はファーストセットを1−6で落としたものの、セカンドセットからストロークの強度、制度ともに改善を見せる。このセットを6−1で奪うと、その後もペースを渡さずファイナルセットも6−2でものにし、逆転で2回戦進出を決めた。一方、渡邉早和子(社1=愛媛・新田)は悔しさの残る敗戦となった。ファーストセットをタイブレークの末に奪い、勢いに乗りたい渡邉だったが、「勝ちを意識しすぎてしまった。やることが明確になっていなくて迷っていた自分がいた」と続くゲームを4−6、1−6で落とし逆転負けで1回戦敗退となった。

(記事、写真 林大貴)

★松本と石川による同門対決は松本に軍配(その他会場)

 青学大緑ヶ丘会場では女子シングルスの松田望愛(文構1=東京・早実)と山田菜津子(文構3=石川・大聖寺)が初戦を突破。早大東伏見会場で行われた松本妃那(スポ2=福岡・柳川)と石川琴実(社1=東京・白鵬女子)による同門対決はフルセットの末に松本が制した。男子シングルスはルーキーの小久保蓮(スポ1=愛知・名古屋)が清水奎吾(亜大)をフルセットで下し2回戦へ。武藤洸希(スポ2=東京・大成)も天崎荘汰(日大)を相手にストレート勝ちを収めている。

(記事 林大貴)

結果

男子シングルス
▽1回戦
●堀凌輔 [3-6、4-6] 田中瑛士(明大)
◯丹下将太 [6-3、3-6、6-2] 清水奎吾(亜大)
◯小久保蓮 [2-6、6-4、6-0] 渡邊祐輝(青学大)
◯武藤洸希 [6-2、7-5] 天崎荘汰(日大)
◯樋口廣太郎 [6-1、6-3] 塩谷大河(亜大)
●本多映好 [2-6、2-6] 堀内竜輔(亜大)
◯古賀大貴 [6-3、3-6、6-3] 黒澤陸人(駒大)


女子シングルス
▽1回戦
◯松田望愛 [6-1、6-0] 牛尾成美(上武大)
●今村南 [3-6、6-4、3-6] 森川菜穂(日体大)
◯山田菜津子 [6-2、3-6、7-5] 加治成美(専大)
 安藤優希 [雨天中止] 横山祥子(法大)
◯下地奈緒 [5-7、6-2、6-4] 伊藤さつき(亜大)
●前田優歩 [1-6、2-6] 柿澤明里(日大)
 守口蘭夢 [0-5、中断] 芝田詩歩(山梨学院大)
 米原さくら [6-0、2-4、中断] 李淑玲(亜大)
◯松本妃那 [4-6、6-3、6-2] ●石川琴美
◯押川千夏 [1-6、6-1、6-2] 猪俣莉々子(山梨学院大)
●渡邉早和子 [7-6(6)、4-6、1-6] 朝倉菜月(亜大)
 松田岬 [6-1、2-0、中断] 狐塚理子(山梨学院大)


男子ダブルス
▽1回戦
 髙村佑樹・丹下将太組 [雨天中止] 村田龍紀・本村豪基組(日大)
 小林雅哉・藤井颯大組 [5-3、中断] 上野浩太郎・西崎健太組(立大)
 樋口廣太郎・本多映好組 [雨天中止] 浪瀬聡太・萩野颯太組(青学大)
 畠山尚・増田健吾組 [雨天中止] 大野文也・中川瞬祐組(法大)

コメント

古賀大貴副将(スポ4=大分舞鶴)

――ラストイヤーで迎えた今回の春関ですが、どういった意気込みで臨んでいますか

まずは楽しむことを第一に、その上で勝つことにこだわって臨んでいます。

――タフな展開となりましたが、試合を振り返っていかがですか

セカンドセットもツーブレークアップまでいって、いい流れだったんですけど、ずっとモヤモヤした展開が続いたので、それは初戦の難しさを感じました。相手に流れが行ってしまって、若干負けも見えたぐらいだったんですけど、最後しっかり自分のペースに戻して勝ち切れたので良かったと思います。

――ファイナルセットを勝ち切れた要因というのは何が挙げられますか

一番は応援がすごく心強かったです。若干焦っていた部分もあったので、2、3本コートに入れてチャンスがあったら前に出ようといった感じで気持ちを整理しつつもしっかり攻めることができたことが要因だと思います。

――何度かメディカルタイムアウトを取っていましたが、コンディションの方は問題ありませんか

ちょっと痛くなったんですけど、トレーナーの方たちにしっかりケアしてもらったので、今後は問題ないです。

――春関での目標はどこに定めていますか

まずはインカレ本戦出場を決めて、ダブルスでは特に優勝を狙っていきたいです。僕以外にも早大からはたくさん出ているので、チーム全体で一つでも多く勝てるように、チームワセダとして一丸となって臨みたいです。

下地奈緒副将(社3=沖縄尚学)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうの試合はあんまりいい感じではない中で気持ちで最後までファイト出来たのでよかったかなと思います。

――相手選手のリーチが長いことでやりづらさはありましたか

私自身がそんなに一発で決めきるとかではないタイプなので、ちょっとずつ作っていくしかなかったんですけどやっぱりちょっと手を伸ばして取られてしまうのでやりづらかったんですけど、それに少しミスってしまう場面とかもあったんですけど、大事な場面は作って作って最後前上がってドライブボレーやボレーを決めたりできたので、きょうはよかったかなと思います。

――途中まで競っていた第1セットを落としてしまった原因は

相手があんまり自分から打ってこないタイプで、私がそれに合わせてしまってボールがすごく浅くなってしまってラケットを振れなくなっていて、いつもの悪いパターンになってたのが落としてしまった原因かなと思います。

――第2セット以降で変わったところは

ラケットが振れなかったのをうまく切り替えて、途中からは振ろうと思って頑張って振ったらボールもいいのがいって身体が動いたので、うまく切り替えられたところかなと思います。

――春関での目標を教えてください

春関は去年より上は目指したいなと思っていて、去年は3回戦で清水に負けたので3回戦以上に行きたいなっていうのと、ダブルスはなかなか毎年いい成績が残せていないので、今年は予選からだったので思い切ってチャレンジでいけたらなと思います。

――次の試合への意気込みをお願いします

明日だと思うんですけど単複あると思うので、しっかり体を整えて準備をして単複戦いきるというのと、きょうの2、3セット目で出来たような思い切り打ちながら体も動かすというのが最初からできたら結果もついてくると思うのでそうしたいです。

渡邉早和子(社1=愛媛・新田)

――大学に入って初めての大きな大会でしたが意気込みとしては

1戦1戦勝つことを意識していて、勝ちにこだわっていたんですけど、きょうの試合でも自分がリードしたところで勝ちを意識しすぎて、簡単なミスが増えてきたっていうのが敗因だと思います。1年生なので、変なプレッシャーを感じずに思いっきりやろうと思っていたんですけど、いざ試合になると自分でプレッシャーをかけてしまっていた部分がありました。フォアの調子が全然上がらなかったのも敗因です。

――ファーストセットはタイブレークの末に奪いましたが、うまく波に乗れなかったのでしょうか

乗りたったんですけど、セカンドセットも3−1でアップしていたんですけどそこから勝ちを意識しすぎたと思っていて、そこから追いつかれてしまって。その場面でサービスキープとかをしっかりできればよかったんですけど、やることが明確になっていなくて迷っていた自分がいたので、そういった部分をはっきりできればよかったかなと思います。

――技術的に狂いが生じた部分というのはあったのでしょうか

やっぱりフォアの調子が狂っていて、予選の時から調子が上がらないままなんとか勝ってきたんですけど本戦のレベルになるとそれでは勝てないというのを感じました。入らないなりに自分から攻めていけるテニスを身につけていきたいなと思います

――予選からの勝ち上がりでしたが、今大会を振り返って感じたことはありますか

高校の時と違って大学生は粘り強くて、打っても打っても返ってきてなかなかミスをしてくれないなと感じたので、私もそういった部分を見習って、体力面から強化して粘り強さを身につけつつ、フォアを中心に技術的な部分も改善していけたらいいかなと思います。

――早大4年間での目標はありますか

早大は先輩たちもみんな強くて、練習についてくだけでも大変なので、まずは先輩たちが持っているものを習得して試合で発揮できるように。団体戦のメンバー入りをしたいという気持ちはあるんですけど、今は目の前の一戦一戦勝っていくことが大切だと思っています。