文=丸山素行 写真=B.LEAGUEオフェンスを牽引して24得点10アシストも反省の弁千葉ジェッツは富山グラウジーズとのチャンピオンシップ第2戦に96-85で勝利し、セミファイナル進出を決めた。富樫勇樹が「昨日から、自分たちの狙っているとこ…

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

オフェンスを牽引して24得点10アシストも反省の弁

千葉ジェッツは富山グラウジーズとのチャンピオンシップ第2戦に96-85で勝利し、セミファイナル進出を決めた。

富樫勇樹が「昨日から、自分たちの狙っているところを突くことができた」とコメントしたように、千葉は2試合合計198得点を挙げるオフェンス力を見せつけた。

第1戦では5本すべての3ポイントシュートを沈め、17得点13アシストと圧巻のパフォーマンスを見せた富樫は「プロキャリアでもトップ3に入るぐらいのパフォーマンスができた」と語っていた。そして今日の第2戦では、3ポイントシュート9本中5本成功、チームハイの24得点10アシストと、前日のパフォーマンスに引けを取らない活躍だった。

ところが、富樫の自己評価は違った。「確かに点数も取ってるし、アシストも多かったイメージはあります」とスタッツは評価するも、「他の選手にフラストレーションを溜めさせてしまった。それがディフェンスに影響しているのが見ていて分かった」と反省を口にした。

最大で20点をリードするなど、千葉のオフェンスは間違いなく機能していた。だが、富山の粘りもあって、10点差前後で試合が推移した。ディフェンスに緩みが出たことは事実で、その弛緩を生んだのは自分の責任だと富樫は見ている。

「10アシストとは関係ないところで、もっとボールを散らさなきゃいけなかったかな。スタッツだけを見るとそうは見えないかもしれないですけど、5人でプレーしているので、もうちょっと他の選手にボールを預けたり。ガードがコールして決めていることなので、そこは自分の責任と思っています」

「自分たちが60試合を戦って勝ち取った」ホーム開催権

次週のセミファイナルで対戦するのは栃木ブレックス。富山戦ではピック&ロールで巨漢センターのジョシュア・スミスを外に釣りだし、富樫は自慢のスピードでオフェンスにアドバンテージを生んだ。だが、栃木には動けるビッグマンが揃っており、富樫も「(ライアン)ロシター選手がいて、(ジェフ)ギブス選手がいて、(竹内)公輔さんもいます。富山とは違ったディフェンスになる」と予想する。

それでも富樫は「影響はないかな」と自信をのぞかせる。「Bリーグが始まって、栃木ブレックスと何回試合したか覚えてないですけど、もう準備してるものがありますし、今シーズンは7回もやっていて、お互い多くのことを知っているので」

川崎は栃木ディフェンスの威力を見誤り、クォーターファイナルで姿を消した。特に、ガード陣はターンオーバーを何度も誘発された。キャプテンの篠山竜青は「栃木さんほどのディフェンスをするクラブは中地区にはなく、それに慣れるのに時間がかかってしまいました。ある程度想定はしていたものの、対応が後手後手になってしまった」とコメントしている。

川崎が面を食らった強度の高い栃木ディフェンスも、千葉にとっては慣れたもの。だからこそ、富樫がその対応に自信を見せるのも納得がいく。その上で、「一つのボールにより執着のあるチーム。気持ちの面が勝敗に関係するんじゃないかと思っています」と語る。

レギュラーシーズンでの戦績は3勝3敗と全くの五分。それでも千葉にはホーム開催という地の利がある。「アウェーはすべて不利になる」と富樫は言う。「雰囲気もそうですし、移動とか食事とか、試合も含めてホームがかなり有利だと思います。そのために60試合戦っているようなものです。自分たちが60試合を戦って勝ち取ったものなので、そのアドバンテージで勝たないといけないです」

千葉は過去最高勝率でレギュラーシーズンを終えたことで、どの選手も嫌がる栃木のホームでの戦いを回避した。富樫はファンの後押しを力に変え、栃木撃破を目論む。