TEAM123456789計早 大1000000023明 大00000340x7(早)●早川、今西、柴田―小藤◇(二塁打)福岡 ◇(本塁打)加藤3号2ラン(9回) 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)の第2カード、明大との1回戦。先発・.…

TEAM
早 大
明 大
(早)●早川、今西、柴田―小藤
◇(二塁打)福岡 ◇(本塁打)加藤3号2ラン(9回)

 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)の第2カード、明大との1回戦。先発・.000は初回を三者凡退に仕留めるなど、安定した投球で5回までを無失点に抑える。しかし6回、明大の4、5番打者に連続適時打を浴び、逆転を許す。続く7回も、早川と代わった.000がそれぞれ適時打を許し、リードをさらに広げられた。打線は先制にこそ成功したものの、プロ注目の相手エース森下暢仁主将(4年)から追加点を奪えず。9回に.000の2ラン本塁打で追い上げを見せるも、敗戦。春季リーグ戦初黒星を喫した。

 明大との初戦。相手エース森下をいかに攻略できるかが勝利のカギとされていた。先週の東大戦で連勝し、勢いに乗る稲穂打線は初回。2番・.000が遊前への内野安打で出塁。続く3番・.000が初球の真っすぐを捉えると、相手左翼手の頭上を越える適時二塁打に。いきなり先制を奪った。しかし、その後は「今までより(投手として)一段階ランクが上がった気がした。変化球の精度がグレードアップした」(加藤)と、森下の多彩な球種に苦戦。5回に無死一、二塁と追加点の機会をつくったが、犠打失敗や盗塁死などで無得点に。早川を援護する追加点をなかなか奪えずにいた。


5回に盗塁死する山田淳平(教4=東京・早実)。初回以降、ちぐはぐな攻撃が続いた

 すると6回、これまで好投を続けていた早川がつかまる。「カットボールに狙いを絞られていた。自分たち(早大バッテリー)がそれに気付くことができなかった」(早川)。明大の各打者は、手元で小さく変化する早川のカットボールを狙っていたのだ。この回先頭に内野安打で出塁を許すと、続く1番・添田真海(4年)にも右前打を浴び、無死一、二塁のピンチを背負う。するとその後、4番・北本一樹副将(4年)、5番・喜多真吾副将(4年)にも真ん中付近に集まったカットボールを捉えられ連続適時打を浴びる。この回3点を奪われ逆転を許した。最小失点にとどめたかった早川だが、7回にも2点適時打を許し降板。さらに代わった今西も2点を失い、粘り強く立ち向かってくる明大打線を食い止めることができなかった。


喜多に適時二塁打を浴びる早川

 6点のリードを許し、迎えた9回。森下の前に3打数無安打に抑え込まれていた主砲が奮起した。この回よりマウンドに上がった入江大生(3年)から福岡が内野安打で出塁し1死一塁。ここで打席には4番・加藤。「今まで(大学通算)9本ホームランを打った中で、一番完璧な当たりだったと思う」(加藤)。カウント1-3から148キロの直球をたたくと、打球はぐんぐんと伸び、軽々と右翼フェンスを越える。スタンド中段に飛び込む2ラン本塁打となった。4番の一発を皮切りにさらに反撃したい早大だったが、その後は小刻みな継投の前に抑えられ試合終了。大事な初戦を落とした。


加藤の第3号本塁打で一矢報いたが…

 「初回に先制できたが、その後なかなか追加点を取ることができず、自分たちのミスから相手に流れを渡してしまった」(福岡)。早大打線は初回以降、森下から追加点を奪うことができなかった。また、走塁ミスや犠打失敗などにより、相手に流れを引き渡してしまう格好となってしまった。好投手を前に、いかに少ないチャンスを生かすことができるか。これが今後も勝敗を分けるカギとなりそうだ。この敗戦により、2回戦は決して落とせない試合になった。明大から勝ち点を奪い、優勝争いを優位に進めることができるか。早大の意地が試される。

(記事 石黒暖乃、写真 江藤華、吉田昭太)

黄字は打点付き

早大打者成績
打順守備名前
(左)瀧澤虎太朗.385一ゴ 左飛  中安 右飛 
 柴田迅.—         
(二)金子銀佑.333遊安 空三  投犠  見三
(三)福岡高輝.571左2  中直 投ゴ  三安
(右)加藤雅樹.556一直  二ゴロ 見三  右本
(遊)檜村篤史.417 中飛 左安  二ゴ 中安
(一)中川卓也.077 空三 空三  二ゴ 空三
(捕)小藤翼.357 遊安  中安 一飛 遊ゴ
(中) 左山田淳平.250 空三  四球  見三 
(投)早川隆久.333  二ゴ 三振    
 今西拓弥.—         
 打中蛭間拓哉.000       空三 
早大投手成績
名前
早川隆久6 2/34.61
今西拓弥1/327.00
柴田迅0.00

 

東京六大学春季リーグ戦星取表
順位 慶 大明 大法 大早 大立 大東 大勝ち点勝率
慶 大 〇5-2 〇4-1
〇7-1
 1.00
明 大  〇7-3●0-4
○4-3
○4-1
 .750
法 大●2-5   〇7-0
〇18-5
.667
早 大  ●3-7
 
  〇13-1
〇8-2
.667
立 大●1-4
●1-7
〇4-0
●3-4
●1-4
   4.200
東 大  ●0-7
●5-18
●1-13
●2-8
 .000

コメント

加藤雅樹主将(社4=東京・早実)

――本日の試合を振り返っていかがですか

試合の入りは良かったんですけれども、中盤に走塁などでミスが出て、点を取るべきところで取り切れずに終盤を迎えてしまいました。終盤は守備のミスも出て、一番やってはいけない試合展開というか、勝てた試合を落としてしまったなと思います。

――特に敗因を挙げるとすれば、どのような点ですか

敗因は一つではないと思います。必死にやってはいたんですけれども、いきなり1点取って、どこかに甘さがあったり。誰がというわけではなくて、チームとして甘さがあったと思います。

――森下暢仁主将(4年)相手に8回1得点と苦戦することになりました

今までより、(投手として)一段階ランクが上がったなという気がします。変化球の精度がグレードアップしていると感じました。

――特に印象に残った変化球を教えてください

全部です。カットボール、チェンジアップも良かったと思います。

――チームとして行っていた森下投手対策があれば教えてください

なんでもかんでも打てる相手ではないし、追い込まれたらチャンスはないので。狙い球を絞って積極的にいこう、という話はしていました。

――最終回の攻撃を振り返っていかがですか

福岡(高輝、スポ4=埼玉・川越東)が出塁してくれて、自分もああいうかたち(2ラン本塁打)で(走者を塁に)返すことができて、後の檜村(篤史副将、スポ4=千葉・木更津総合)もつないで。あすにつながる攻撃であったとは思います。

――本塁打を放った打席に関して、打球の感触はいかがでしたか

今まで(東京六大学リーグ戦通算で)9本ホームランを打った中で、一番完璧な当たりだったと思います。

――現在の調子や、打席の中での心境を教えてください

きょうに関してはずっと迷いながらだったんですけれども、最後の打席は吹っ切れていけたので。明日からも、こうしていきたいです。

――あす以降に向けての意気込みをお願いします

あした負けたら勝ち点を取れないので、絶対に勝って、月曜日(3回戦)に森下を打ちたいです。

小藤翼副将(スポ4=東京・日大三)

――きょうの明大打線はいかがでしたか

前半はすごくいいかたちで抑えていたんですけど、後半になって2アウトからの得点というので、明治の粘り強さという印象がすごく強く残りました

――6回、5番・喜多真吾副将(4年)に初球を打たれてしまいましたが、その場面を振り返っていかがですか

自分も打たれた後に(初球の)入りが甘くなってしまったので、そこは自分の配球ミスなので今後そういうことのないようにしていきたいです。

――6、7回に失点が続きましたが、守備の具体的な反省点は何でしょうか

6回、7回は他の回に比べて慎重でなかったというわけではないんですけど、少し単調な部分もあって、そこを狙われてしまったのかなということが自分の中での反省点です。

――先週の早川隆久投手(スポ3=千葉・木更津総合)は調子があまり良くなかったそうですが、きょうの早川投手の調子はいかがでしたか

前回よりはすごくいい感じでピッチングはできていたと思います。

――小藤選手は先週も安打を放っていますが、ご自身の打撃の調子はいかがでしょうか

もう少し打たないと駄目だし、チャンスの場面でまだ打てていないので、得点圏でしっかり打って打点を稼いでいけたらいいと思います。

――あすの2回戦、先発が予想される西垣雅矢投手(スポ2=兵庫・報徳学園)をどうリードしていきたいですか

コントロールのいいピッチャーなので自分のカウントをつくらせて、あとは思い切り投げさせるだけなので、全力でいきたいと思います。

福岡高輝(スポ4=埼玉・川越東)

――東大戦から1週間経って、きょうはどんな気持ちで臨みましたか

ここからが本番だと思っていたので、気を引き締めて試合に臨みました。

――試合を終えての感想は

本当に試合の入り方はすごく良くて、初回にも点が取れて良かったんですけど、その後なかなか追加点が取れずに自分たちのミスから相手に流れを渡してしまったので、そこに隙があったのかなと思います。

――初回の適時打は見事でした

何としても初回に1点取って試合を優位に進めたかったので、しっかり真っすぐに絞って1球目を狙っていました。

――相手先発・森下暢仁主将(4年)の印象は

本当にいい投手ですね。はい。

――個人としては、東大戦から3試合連続でマルチ安打を記録しました

調子としてはすごくいいんで、このまま継続していければいいなと思います。

――最終回、加藤雅樹主将(社4=東京・早実)の本塁打で一矢報いるかたちとなりました

そうですね。点差はあったんですけど、何とか明日につながる試合にはしたかったので、あそこで一本出たのはすごく大きかったと思います。

――最後に、明日の2回戦に向けての意気込みをお願いします

まだ勝ち点は取れるので、明日しっかり勝って、あさってにもう一度森下と対戦できるように頑張ろうと思います。

早川隆久(スポ3=千葉・木更津総合)

――きょうの投球を振り返ってみていかがですか

前半は予定通りできたんですけど、後半になって狙い球を絞られて。打たれた球種がほとんど一緒だったので。相手が狙い球を絞ってきている中で、自分たち(早大バッテリー)がそれに気付くことができなかったのが大量失点につながったのかなと思います。

――狙い球とは

カットボールです。

――喜多真吾副将(4年)に打たれた球種もカットボールですか

はい、そうです。

――先週に比べ、真っすぐは走っているように見えました

そうですね、あそこ(6、7回のピンチの場面)は真っすぐで押しても良かったかなと思うので、次リベンジする機会があったら真っすぐで押してもいいのかなと。あとはカットボールの精度を高めることですね。

――しぶとくファウルで粘られる場面も多く見られましたが、明大打線の印象は

やっぱり粘り強いなと思いました。けど真っすぐで三振も取れていたので、(6、7回は)真っすぐで押しても良かったかなと。

――その中でカットボールを狙われていることを察知できなかったと

6回のヒットもカットボールから始まって、タイムリー2本もカットボールを打たれました。添田さん(真海、4年)にライト前に打たれたのもカットボールだったので、この時点で狙われていることに気が付けば良かったなと思います。

――6、7回とも、適時打を許したのは全て2死からでした

あともう一息というところで。そこはやはり自分を信じて自信のある真っすぐを投げれば良かったなと思います。

――次回登板に向けて一言お願いします

普段と変わらないように投げられれば自ずと結果は付いてくると思うので、しっかり調整して。第3戦までいけば中1日(での登板)なので、それでもしっかりベストコンディションで臨めるように頑張りたいと思います。