前節の桐蔭横浜大戦で初勝利をつかんだ早大は、2連勝を目指し東女体大と対戦した。前半10分頃までは拮抗した試合展開が続いていたがミスから連続失点を許してしまうとそこからは一方的な展開に。勢いに乗った相手の攻撃を止められず9連続失点を喫してし…

 前節の桐蔭横浜大戦で初勝利をつかんだ早大は、2連勝を目指し東女体大と対戦した。前半10分頃までは拮抗した試合展開が続いていたがミスから連続失点を許してしまうとそこからは一方的な展開に。勢いに乗った相手の攻撃を止められず9連続失点を喫してしまう。攻撃も、前半わずか5得点に終わるなど沈黙。後半に入っても大きく流れを変えることはできず。大差での敗戦となった。

 試合開始から劣勢を強いられた早大だったが、前半3分、衣川直緒(社3=愛知・星城)がサイドを切り崩すとキーパーの意表を突くループシュートを決め、先制に成功する。直後に追いつかれるも、今度は杉山瑞樹主将(社4=神奈川・横浜創英)がサイドシュートをニアに突き刺し、再びリードを奪う。しかし、ここから東女体大の反撃が始まる。堅いディフェンスを崩さない東女体大の前に早大のミスが増え、何度も逆速攻で得点を許してしまう。前半20分にはこの日2度目の3連続失点をし、たまらずタイムアウトを取るも流れを変えることはできず。途中、大沢アビ直美(スポ4=東京・佼成学園女)の好セーブもあったが、結果的に9連続失点で一気に点差は11点に広がってしまう。前半終了間際に吉田瑞萌(スポ3=東京・佼成学園女)、紅林詩乃(スポ2=東京・佼成学園女)がゴールを奪うも点差を縮めることはできず。前半はわずか5得点にとどまり、5-15で前半を終える。 


ハイタッチをする阿部と紅林

 後半、先手を奪ったのは早大だった。開始早々、杉山がこの日2点目となるサイドシュートを決めてチームを盛り立てると、大沢も相手の速攻に対して見事なセーブを見せる。すると吉田のパスを受けた再び杉山が今度はループシュートを決める。その後も順調に得点を重ねていくと相手選手が2人退場する大きなチャンスがやってくる。しかし、垣内美春(社3=富山・氷見)のポストシュートや吉田の速攻を決めることはできず、数的優位を生かすことができなかった。試合後の「練習のときからシュート一本一本を大事にしないといけないと思います」という紅林の言葉からもわかる通り、今の早稲田の課題が露呈してしまったシーンであった。数的同数に戻った後は再び東女体大の流れになり、強烈なミドルシュートなどでコンスタントに得点を重ねていく。早大も阿部美幸(スポ2=東京・佼成学園女)のカットインからのシュートや、阿部との見事なコンビネーションから紅林がゴールを決めるなどしたが最後まで点差は縮まらず。17-33で敗戦となった。


果敢にゴールを狙う衣川直緒

 悔しい敗戦となったが、「まだ始まったばかりなので切り替えてやっていきたい」という大沢の言葉にもあるように、関東学生春季リーグ(春季リーグ)はまだ3試合を終えただけである。経験を積み、成長していくことを目標に掲げるチームはまだまだ伸びしろを秘めている。きょうの試合でも紅林が4得点を決めるなど経験の少なかった選手たちが徐々に持ち味を出すシーンが増えてきたように思える。個々の成長は最終的に春季リーグ上位4位以内という目標達成に繋がるだろう。次戦の相手は東海大。1次リーグでは最後の上位陣相手の試合となる。この試合に勝利し、上位進出の足掛かりにしたい。 

(記事 稲葉侑也 写真 小松純也、栗林真子)

関東学生秋季リーグ
早大175-15
12-18
33東女体大
GK 大沢アビ直美(スポ4=東京・佼成学園女)
LW 杉山瑞樹(社4=神奈川・横浜創英)
LB 吉田瑞萌(スポ3=東京・佼成学園女)
PV 紅林詩乃(スポ2=東京・佼成学園女)
CB 岡崎麗(教3=埼玉・浦和実)
RB 阿部美幸(スポ2=東京・佼成学園女)
RW 衣川直緒(社3=愛知・星城)
コメント

大沢アビ直美(スポ4=東京・佼成学園女)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

前半からもう勝敗が決まったような感じになってしまって、最初の方は結構試合前に決めていて徹底することというか、相手にミドルシューターがいるんですけど、あえて打たせて私が止めてセットディフェンスは守ろうとしてて、それはやれていたので良かったんですけど、オフェンスのミスからの逆速攻が結構響いてしまって、1本1本大事にするという基本的なこともそうですし、練習の中で東女のディフェンスを意識した練習をもっとやっていかないと、そういう強い相手には勝てないのかなと思いました。

――きのう初勝利をして迎えたきょうでしたが試合前どのような気持ちで臨まれましたか

試合に関しては振り返るんですけど、その日はその日で終わるので、特にきのうのことは意識しないで、きょう戦う相手の動画を見て、イメージをしてました。

――きょうのご自身の出来はいかがでしたか

あのようなシューターはあまり早稲田にはいないので、自分自身にとってはいい練習かなと思ったんですけど、やっぱり、さすがにあれだけシュートを打たれると頭の切り替えもできなくなってしまってもうちょっとオフェンスで頑張って点を取って、こっちも点を取ってもらわないと厳しいかなと思います。

――開幕から3試合を終えた感想をお願いします

まだ始まったばかりなので、2回負けてしまったんですけど、そんなに重くならず、切り替えてやっていきたいと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

次も結構フィジカルで押してくるチームなので、みんなでしっかり守って、セットオフェンスも確実に決めて、勝ちたいと思います。

紅林詩乃(スポ2=東京・佼成学園女)

――お疲れ様でした。きょうの敗戦への率直な感想をお願いします

きょうも勝とうという気持ちでいたので悔しいは悔しいですけど、点差的にどうしようもなかったかなという気持ちもあります。

――前半15分あたりから引き離されてしまったと思います

筑波大(4月14日、●15ー23)戦のときもそうでしたが、自分たちが勝手にミスして逆速攻というかたちがありました。ディフェンスで守れなかったというよりは、自分たちのミスから失点したという感じなので、そこはもう少し強化しないといけないかなと思いました。

――パスやフリーでのシュートが決まらない要因はありますか

練習のときから結構外していて。練習で入らなかったら試合でも入らないので、練習のときからシュート一本一本を大事にしないといけないと思います。

――体格のいい相手に何か対策はありましたか

アビさん(大沢アビ直美、スポ4=東京・佼成学園女)が結構当たっていたので、上から打たせようということにはなっていました。けど上から打たせるにしてもカットインなどをやられてしまったので、思い通りにはいかなかったという感じです。

――修正する点としてはパスミスやシュートミスでしょうか

そうですね。あとは気を抜いた瞬間に裏ポストをやられることも何本かあったので、そこは集中力の問題かなと思います。

――現在部員数が少ないですが、何か意識しているところはありますか

今まではAチームとBチームで話が分かれていましたが、全員が試合に出るチャンスがあるので、全員で意見を統一して共有できていることはこれからも強みにしていかなければならないと思います。

――最後に次週に向けて意気込みをお願いします

来週は最初が東海大で、最後の上位チームとの対決です。東海大と対戦するときも、いつも始めから離されてしまうので、結果はどうであれ出だしは食らい付けるようにはしていきたいです。日女体大も速攻がどんどんくると思うので、とにかく走り負けないように頑張りたいと思います。