例年多くの好記録が生まれる日体大長距離競技会。故障で出遅れていた主力選手たちも含め、多くの選手がエントリーどおりに出走。5000メートルでは長期間トラックレースから遠ざかっていた太田智樹駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)が復帰レースで自身…

 例年多くの好記録が生まれる日体大長距離競技会。故障で出遅れていた主力選手たちも含め、多くの選手がエントリーどおりに出走。5000メートルでは長期間トラックレースから遠ざかっていた太田智樹駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)が復帰レースで自身初の13分台をマークし完全復活を果たした。また1万メートルでも多くの選手が自己ベストを更新し、長距離ブロックにとって収穫の多い記録会となった。

(記事 斉藤俊幸)

★1万メートルで自己ベスト連発!


全日本予選会に向けて1万メートルに出走した太田直。自己記録を更新した

 午前に行われた2組では、渕田拓臣(スポ3=京都・桂)と森田将平(スポ3=広島・修道)がそれぞれ自己ベストを更新。3年目の今季の飛躍に期待が持てるレースとなった。

 4組目の主役は伊澤優人(社4=千葉・東海大浦安)。常に集団の前方でレースを進め、6000メートル過ぎに先頭に出る。集団のペースが落ちかけたところで、伊澤が仕掛けた。「関カレ(関東学生対校選手権)を意識し、順位にこだわった」(伊澤)と、その後一度は先頭を譲ったものの、ラストは猛スパートで再び抜き返し、勝ち切った。自己ベストを10秒以上も更新する好タイムにも、関カレの1万メートル標準記録にあと一歩の結果に悔しさをにじませ、頭を抱えた。

 5組目には主力候補4人が出走。中でも太田直希(スポ2=静岡・浜松日体)とルーキー鈴木創士(スポ1=静岡・浜松日体)が互いに競り合いながら上位を伺う。前半は集団の後方で落ち着いてレースを展開し、後半は何度か前との差が開きそうなシーンもあったが2人は粘りを見せ順位を上げていった。最終的には太田直が組4着でチームトップタイムをマーク。鈴木も後に続き、自己ベストを更新した。

 今回1万メートルに出走した9人中、5人が自己記録を更新するなど、ロードシーズンからの成長を実感する結果になった。今季は6月に全日本大学対校駅伝予選会で1万メートルのレースが控えているだけに重要な指標となってきそうだ。

(記事 斉藤俊幸、写真 岡部稜)

★太田智が復帰レースで自己ベストを更新!(2日目)


太田智は9カ月ぶりのトラックレースで自己記録を更新も、今後を見据えて身を引き締めた

 遂に、早大のエースが帰ってきた。けがの影響で長期離脱していた太田智樹駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)が男子5000メートル22組に出走。昨年7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ以降、9カ月ぶりのトラックレースとなった。「久しぶりだったので、突っ込みすぎても後半までもたないと思って集団の後ろの方で様子を見ながらいこうと思っていました」。序盤はプラン通り、集団後方でレースを進める。しかし、余裕があったという太田智は1400メートルあたりから少しずつ順位を上げていった。集団の中腹に位置取ると、3000メートル過ぎに一気に順位を上げ4位に浮上。その勢いは衰えることなく前を追っていき、4000メートルで先頭に。小松陽平(東海大)に付かれたものの、後ろの集団を突き放し、先頭のまま残り1周の鐘を迎えた。最後は小松との差を広げ、ホームストレートで13分台を刻むタイマーを確認。13分58秒72でゴールラインを走り抜けた。「思ったより走れたかなという感じですね」。レース後は久しぶりに笑顔が見られた。自己記録を更新し、14分の壁も突破した太田智。だが、この日はタイム以上の収穫があった。それは、実力者の集まる組で勝負に勝てたこと。「他の大学の選手に勝ち切れたということが、自分としては評価が高いかなと。今回は1着が取れたことに意味があったと思います」――。『勝ちにこだわる』駅伝主将が復活した。

 21組には、大学初レースとなった小指卓也(スポ1=福島・学法石川)が出走した。集団の中でレースを進めたが、3600メートル過ぎで第1集団から脱落。最後は意地のラストスパートで前の選手をかわし、14分21秒57でゴールした。

 最終組に出走したのは中谷雄飛(スポ2=長野・佐久長聖)と半澤黎斗(スポ2=福島・学法石川)。序盤、外国人集団がペースを上げると、元々3000メートルまでと決めていた半澤が反応。しかし2000メートル過ぎに離され、そのまま意図的に棄権した。中谷は前日に1500メートルに出走しており、疲労の残る中のレースだった。日本人の先頭集団後方につけていたが、集団は少しずつ縦長に。「昨日のダメージが大きくて思ったより走れなかったというのが正直なところです」(中谷)。タイムは14分07秒58。13着でのフィニッシュとなった。

 それぞれに課題も見つかったが、太田智の好走は大きな収穫であろう。「現状に満足せずに、ピークは関カレ(関東学生対校選手権)と全日本予選会(全日本大学駅伝対校選手権予選会)なのでそこに合わせていきたいです」(太田智)。1カ月後の関カレに向け、長距離ブロックの足並みはそろいつつある。

(記事 宅森咲子、写真 斉藤俊幸)

結果

▽男子800メートル

東陸央(スポ1=東京・早実) 棄権

齋藤雅英(スポ4=東京・早実)棄権

徳永翼(人4=岡山操山)   棄権

▽女子800メートル

藤崎紗羅(社2=東京・早実) 2分12秒63(8組1着)

髙田真菜(商1=東京・早実) 2分19秒51(8組8着)

▽男子1500メートル

島村英治(スポ2=宮城・仙台育英)4分04秒09(9組2着)

中谷雄飛(スポ2=長野・佐久長聖)3分47秒24(17組2着)自己新記録

齋藤               棄権

▽男子5000メートル

佐藤皓星(人2=千葉・幕張総合) 15分10秒79(13組9着)

河合陽平(スポ2=愛知・時習館) 15分37秒52(13組27着)

茂木凛平(スポ2=東京・早実)  棄権

本郷諒(商3=岡山城東)     15分29秒25(14組32着)

住吉宙樹(政経3=東京・早大学院)棄権

山口賢助(文2=鹿児島・鶴丸)  棄権

小指卓也(スポ1=福島・学法石川)14分21秒57(21組10着)

太田智樹(スポ4=静岡・浜松日体)13分58秒72(22組1着)自己新記録

中谷               14分07秒58(23組13着)

半澤黎斗(スポ2=福島・学法石川)途中棄権

▽男子1万メートル

渕田拓臣(スポ3=京都・桂)     30分11秒89(2組4着)自己新記録

森田将平(スポ3=広島・修道)    30分23秒12(2組9着)自己新記録

室伏祐吾(商2=東京・早実)     30分36秒13(3組13着)

伊澤優人(社3=千葉・東海大浦安)  29分31秒93(4組1着)自己新記録

三上多聞(商4=東京・早実)     29分50秒43(4組8着)

真柄光佑(スポ4=埼玉・西武学園文理)棄権

吉田匠(スポ2=京都・桂)      棄権

太田直希(スポ2=静岡・浜松日体)  29分21秒83(5組4着)自己新記録

鈴木創士(スポ1=静岡・浜松日体)  29分26秒34(5組9着)自己新記録

遠藤宏夢(商4=東京・国学院久我山) 29分56秒66(5組20着)

向井悠介(スポ2=香川・小豆島中央) 30分43秒16(5組33着)

コメント

太田智樹駅伝主将(スポ4=静岡・浜松日体)

――今のお気持ちをお願いします

思ったより走れたかなという感じですね(笑)。

――東京箱根間往復大学駅伝(箱根)が終わってから、練習を再開できたのはいつ頃だったのでしょうか

3月に入ってからちゃんと練習をし始めました。

――現在の復調具合はいかがですか

まだピークではないですが、現時点では出来すぎぐらいです。

――もう足のけがは大丈夫だということでしょうか

はい、大丈夫です。

――きょうのレースの位置付けはどのようなものでしたか

復帰レースだったので、まずはレース感覚を取り戻すということですね。自分の中ではあまり調整せずに練習の一環だと思って走りました。

――考えていたレースプランはありましたか

そんなに考えていなかったです。でも久しぶりだったので、突っ込みすぎても後半までもたないと思って集団の後ろの方で様子を見ながらレースを動かせればなと思っていました。

――目標としていたタイムはありましたか

久しぶりだったので14分20秒を切れれば良いかなと思っていました。本当に出来すぎたという感じですね。

――実際のレースはいかがでしたか

久しぶりのレースだったので楽しかったです。

――徐々に追い上げていきましたが、余裕がありましたか

途中まではだいぶ余裕を持って走れました。

――自己ベストを更新し、13分台にも突入しましたね

やっと出たという感じです(笑)。

――レースはどう評価されていますか

タイムは思った以上に出たし、それ以上に他の大学の選手に勝ち切れたということが、自分しては評価が高いかなと思います。今回は1着が取れたことに意味があったと思います。

――今後のレースの予定は決まっていますか

とりあえずこの後の練習次第ですが、法政大学競技会に出るか出ないかという感じです。でもあくまでピークは関カレ(関東学生対校選手権)とその後の全日本予選会(全日本大学駅伝対校選手権予選会)なので、そこに向けて練習を積んでいきたいと思います。

――最近のチームの状態はいかがですか

箱根後に比べたらだいぶ良くはなってきたと思うんですけど、まだまだ戦える状態ではないかなと思います。きのうも自己ベストを出したメンバーが何人かいますが、現状に満足せずに、ピークは関カレと全日本予選会なのでそこに合わせていきたいです。

伊澤優人(社4=千葉・東海大浦安)

――今日のレースの狙いは何かありましたか

自分自身、関東インカレ(関東学生対校選手権)ではハーフマラソンでの出場を狙っていて、そこではタイムではなく順位を争う舞台になるので、今日は記録会ではありますがまずは組トップ、タイムとしては最低自己ベストを更新することを目標にしていました。

――ゴール後はかなり悔しそうな表情でした

一応、関東インカレの1万メートルの標準記録が29分30秒なので、自分が関東インカレの1万メートルに出るというのはあまり現実的ではありませんが、1つの目安、指標として狙っていました。そこを意識してラスト100メートルは相当頑張ったのですがあと一歩及ばず、詰めが甘かったというか、その点で悔しさがあります。

――今日は自己ベストを大きく更新し、先日の5000メートルでも自己ベストしました。状態は上がってきていますか

そうですね、2週間前の六大学(六大学対校戦)はあまり状態が良くない中で自己ベストを更新できて、そこから考えると状態は徐々に上がってきていた中だったので、練習の中からかなり手応えは感じていて、今日のレースに臨むことができました。

――今振り返ってレースで足りなかったところ、やり直したいポイントはありますか

前半は少し自己ベストやタイムのことを意識したところがあって、集団のタイムが落ちた時に焦りがあり、自分でいかないといけないと思って力を序盤で使ってしまったところがあったので、そこでもう少し余力を残してラスト3000メートルでしっかり切り替えるレースができていれば、と今振り返れば思うところがあります。

――最後もかなり追い込めていたように見えました

そうですね、やはり何が何でも勝って終わりたいというのもありましたし、走っている最中に周りの選手を確認しても自分が一番余裕があるんじゃないかなと感じていたのでこの集団の中では負けられないと思っていました。そういった勝ち方ができるようになってきて初めて強い選手になれると思うので、そこは思った通りの展開が描けて良かったです。

――冬から練習をしっかり積めているということでしょうか

ロードシーズンはしっかりと練習が積めてはいましたが、中々調子が上がらなくて少しもどかしい日々が続いていました。そこが今は練習量と自分の状態が噛み合ってトラックシーズンに入れているので充実したシーズンインになっていると思います。

――監督やコーチとはどのような振り返りをされましたか

タイム云々というよりもしっかりと勝ち切っということを評価してもらいました。インカレ本番でも順位を争う舞台なので、そこに向けていいアピールができたのではないかと思います。

――次の試合の予定は決まっていますか

5月にある法政大学競技会に出場する予定で、相楽さん(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)からも自己ベストを無理に出せとは言わないからきょうみたいに内容を重視して走って関東インカレにつなげるように言われているので、そこを意識したいと思っています。

――伊澤選手ご自身ラストイヤーになりますが、今シーズンへの意気込みを教えて下さい

僕らの代は個性豊かなメンバーもたくさんいますし、走りに関しても全員が力を出し切れればどこでも上位で戦えるメンバーがそろっていると思いますが、やはり箱根に関しては予選会から始まるということには変わりがないので、まずは強い早稲田を僕らの代が筆頭に立って取り戻せるように一戦一戦大事にしながらみんなで戦っていきたいと思います。

――具体的な目標はありますか

高い目標であることは自覚しているのですが、まず関東インカレのハーフマラソンで表彰台に上ることを目標にやっていきたいと思っています。やはり目指さなければ届かないところですし、自分がそこで最初から諦めていても何も始まらないので、自分が良い成績を残してチーム全体に刺激が与えられるようにしていきたいです。

太田直希(スポ2=静岡・浜松日体)

――きょうのレースの位置付けや目標は

きょうのレースは(全日本大学駅伝対校選手権の)予選会に向けた、一回1万メートルを入れるということで、自分の目標としては、自己ベストというのは目標にしていました。

――レースを大まかに振り返るといかがでしたか

スタートから前に行けずに、後方からのスタートだったんですけど、そこは監督(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)の指示で、焦らず5000メートルまではそこで我慢して行けたのは、余裕を持つことにつながったかなと思います。

――終始集団に付いていましたが、最後の方まで余裕を保てていましたか

そうですね。7000メートルくらいまでは余裕で、残り3000メートルはきつかったんですけど、前を追う意識を出せたというふうに思います。

――途中、後輩の鈴木創士選手(スポ1=静岡・浜松日体)に抜かされる場面もありましたが、意識されていましたか

そうですね。やはり創士には負けていられないというのがあったので、一回前に出られてそこから離されるかなとも思ったんですけど、思ったより自分の脚が動いたので、そこでも粘ることができたかなと思います。

――5秒近くベストを更新する記録でした。タイムに関してはいかがですか

自己ベストを出せたことはひとつ良かったんですけど、タイムなどはまだまだで、レースの内容というか、ラストも負けてしまったので、やはり関カレ(関東学生対校選手権)ではラストをいかに余力のある状態で走れるかということになるので、やはりそこで負けてしまったのは課題かなと思います。

――日本学生ハーフマラソンから今までの練習の流れや調子の変化というのはいかがですか

1月から3月と、全然思うように走れなくて、調子も良くなかったんですけど、一回距離を踏んで基礎から一回つくってきました。六大学(東京六大学対校大会)の時も調子は上がらず、という感じだったので、六大学の終わった週も我慢して距離を走ってここに臨めたのがひとつ良かったのかなと思います。

――関カレも近付いていますが、今後どのように仕上げていこうと考えていますか

もう一回基礎からつくって、あとは課題である最後の勝負の場面で、もう一回切り替えられるように。関カレも着順争いになるので、そこは練習から付いて終わるのではなくて、勝って終わるという形の練習をして、『勝ち癖』というのをつけていかなければならないと思います。

中谷雄飛(スポ2=長野・佐久長聖)

――ペース変動の激しいレースでしたがレースを振り返っていかがですか

本当であればきょうは5000メートル一本に絞ろうと思っていたのですが、昨日スピード練習の一環ということで1500メートルも走って、そこで刺激を入れつつ5000メートルでも走れたらいいかなと思っていました。疲労もあった中で、タイムとしても中途半端なまま終わってしまったかなと思います。

――1500メートルでは自己ベストを更新し、スピードにはある程度手応えを感じたのではないですか

そうですね、1500メートルのための練習はやっているわけではない中である程度走れたので良かったとは思いますが、レース展開的に残り一周までタイムが狙えるレースであった中で、日本選手権標準まであとわずかなタイムに終わってしまったことは悔しいです。最後少し体が固まって思うようにスピードを上げきれなかったので、そこがまだまだかなと思います。

――練習の一環という面が強かったのですか

そうですね、練習の一環ということもありましたし、その中で自己ベストであったり何か記録を狙えればという考えはありましたが、やはり昨日のダメージが大きくて思ったより走れなかったというのが正直なところです。

――監督やコーチとはどのような話をされましたか

レース前は前半をうまく走って後半勝負の展開で行こうという話はしていました。レース後は、きのうのきょうだったので一杯一杯だったというか、これが現状の力の一杯、今の限界値だったという話をしました。

――次の試合は予定通りゴールデンゲームズinのべおか(GGN)ですか

明日は1日しっかり休んで、延岡では1万メートルなのでそこで記録を狙うためにもその後は少しずつ練習を積んで良い形で迎えられたらいいかなと考えています。

――今後のプランはどのように考えていますか

現状なかなかうまくいってない部分があるので、今の段階では何とも言えないところはあるのですが、まずはGGNで一度(調子の)山を持ってこれればいいかなと思っています。ある意味、きのう、きょうでかなり体は追い込めているのでしっかりこの疲労をとって体をつくっていくだけだと思っています。

――GGNでは具体的な目標タイムはありますか

僕自身まだ1万メートルの持ちタイムが29分台ということで、もちろん28分台ということは頭にありますし、僕の中では28分20秒というタイムを目標にしているところがあるのでそこをターゲットにしながら走ろうと思います。

小指卓也(スポ1=福島・学法石川)

――きょうのレースの位置付けを教えてください

初戦ということで自己ベスト近くで走れればいいかなと思っていたんですけど、思ったより途中失速してしまいましたね。

――設定タイムは自己ベストぐらいだったということでしょうか

そうですね。自己ベストを少し更新したいと思っていました。

――考えていたレースプランはありましたか

スタートをうまくいって、そこからひたすら粘るということだけを考えていました。実際スタートはうまくいったので良かったんですけど、そこから我慢があまりできなかったかなと思います。

――対談の際(4月9日)はあまり調子が良くないということでしたが、最近はいかがですか

その時よりは良いです。練習していたので少しはいけるかなと思ったんですけど、今回の結果を見たら全然まだまだだと思いましたね。気にはしますが、あまり考えすぎずにまたやっていきたいと思います。

――大学初レースでしたが、感じたことなどはありましたか

移動中にこの格好をしているだけで周りから結構見られるなと(笑)。そういう面でもやっぱり早稲田だということを実感して、緊張感が出ました。

――最後はスパートで追い上げましたね

あそこだけですね(笑)。途中落ちたので、最後だけは決めないと本当に駄目だなと思ったのでそこだけは頑張りました。

――レース全体の評価はいかがですか

悪かったんですけど、最悪は免れたと思っていて。課題もいっぱい見つかったことは良かったと思っています。ここから落とさず、しっかり調子も記録も着々と上げていきたいです。

――具体的な課題は何かありますか

色々あるんですけど。大学に入って自分でやらなくてはいけない補強などが減って、補強を減らしてしまったことも要因の一つだと思います。とりあえず体がきつかったので、体幹などでしっかり鍛えていきたいと思います。

――今後のレースの予定は決まっていますか

2週間後の法政大学競技会ですね。

――そこでの目標をお聞かせください

今度こそは自己ベストで走りたいです。

鈴木創士(スポ1=静岡・浜松日体)

――東京六大学対校大会が終わってから、練習の調子はいかがでしたか

3月に走り込んで疲れていたので、少し落とし気味というか、練習量は少なめで調整してきました。

――きょうのレースの位置付けはどのようなものでしたか

5月の上旬ぐらいには関カレ(関東学生対校選手権)のメンバーが決まってくると思うので、そこに向けてしっかりタイムを出して監督などにアピールをしなければいけないなと思っていました。

――関カレのA標準記録(29分30秒)を意識されていたのでしょうか

そうですね。あとはやっぱり、チーム内でどれだけいい順位を取れるかというところを意識して走りました。

――考えていたレースプランはありましたか

自分が前に出られるところがあったら1回でも前に出ようと思っていました。挑戦してみて駄目だったら駄目だったで、自分の今後につながると思っていたので、それはそれでいいかなと。大学の2戦目だったんですけど、積極的にいこうというレース展開を考えていました。

――実際のレースは振り返っていかがですか

1回ラスト4周のところで出たんですけど、そこで粘っていき切れたら(29分)10秒台が見えてきたかなと思いますね。そこは自分の力不足を感じたところでした。

――6000メートル過ぎで前との差が離れかけた時に、粘って付いていきましたね

そうですね。もう4000メートルくらいからきつかったんですけど、そこからはもう粘るしかないなと思っていました。記録会なので、タイムを狙うには前へ前へといくことが必要だと思ったので、少しきつくても頑張っていくようにしました。

――結果的に自己ベストを更新しました。タイムについてどのように捉えていらっしゃいますか

まだ上には上がいるなと(笑)。先輩にも負けましたし、あとはもう2秒くらい速ければ半澤さん(黎斗、スポ2=福島・学法石川)の自己ベストとかにも追いついたと思うんですけど、最後詰めの甘さが出てしまいました。タイムについてはあと1秒、2秒速ければもっとよかったかなと。自分の中では満足できない点もありますね。

――レース展開についてはいかがでしょうか

点をつけるならば70点くらいですかね。自分の中でやろうと思っていたことはできたんですけど、それに対する自分の力がまだ追いついていなかったです。でも考えてやろうとしていたことは良かったと思っていて、それに順応できる体づくりをして力をつけていけばもっとタイムも付いてくると思うので、そういう点ではよかったかなと思います。

――今後のレースの予定は決まっていますか

関カレまでは出ないと思います。

――関カレでの具体的な目標があれば教えてください

何の種目に出るかはわからないんですけど、たぶん1万やハーフなどの長い距離になると思います。その中で入賞を目指したいです。3、4年生になるとどうしても受け身になってしまうというか、1年生に負けたくないという気持ちになると思うんですけど、僕は初めてで失うものは何もないので、積極的に挑戦していきたいと思っています。