専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第201回 最近、ゴルフ会員権相場が少し上昇しています。もちろん、全体ではなく、高額な名門コースのみですが……。 でも、喜ばしい限りです。そもそもゴルフ…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第201回

 最近、ゴルフ会員権相場が少し上昇しています。もちろん、全体ではなく、高額な名門コースのみですが……。

 でも、喜ばしい限りです。そもそもゴルフ会員権の相場は、高額物件が動いてから、次第に中級コース、お値頃コースへと動きますから。

 そうは言っても、ここ2年は高額会員権だけが動いて、安いコースはまったく動いていません。これは、どうしたことでしょう?

 過去2年間はアベノミクスの”最後っ屁”みたいなもので、無理やり景気をよくした。その勢いが失速して、上げ底景気だと発覚した――そんなことが、最近のニュースで出ていました。

 つまり、今は息切れ状態。その結果、お値頃の会員権が上昇するまでには至らなかったのです。

 そんなわけで、ゴルフ会員権相場表を見るのが「趣味」と言えるぐらいもともと好きなので、その動向を見守りつつ、買いたい気分が少し出てきました。

 しかし一方で、「いやいや、今さら買ってどうするの? また月例とか行くと、お金と時間の無駄だよ」と、考えている自分もいます。

 現在、私の中では、ゴルフ会員権を「買え」という悪魔の囁きと、「買うな。その金でキャバクラに行け」という、また別の悪魔が囁いています……って、天使はいないのかよ!?



今がお買いどきのゴルフ会員権。買うべきか、買わざるべきか、悩みますよね...

 そういう状況を踏まえて、今回はゴルフ会員権を「買う」「買わない」のディベートを、ひとりで展開していきたいと思います。興味のある方は、ぜひ読んでください。

◆ゴルフ会員権を「買う」派の言い分
・昔もメンバーだった
 過去に、南総カントリークラブ(千葉県)と鶴舞カントリー倶楽部(千葉県)の会員だったことがあります。そうした中堅コースは、今が底値です。入会金などの損失はあるものの、預託金部分はさほど目減りせずに戻ってくる状況と言えます。

 そして、当時1450万円で会員権を買った南総CCは、今なら250万円程度で買えます。ならば、チャンスじゃないか、という考えです。

 同様に、どこの中堅コースも軒並み安くなっています。バブルの頃、入ることすらできなかった銀座の高級クラブに、今や短パン、ビーチサンダル姿でのし歩ける――そんな気分でしょうか。

・個人的に察する不況底打ち感
 バブル崩壊に始まり、リーマンショックと続いた負のスパイラル。それに続く出版不況……そのなかでも、ようやく仕事を立て直して、反転攻勢に出られる状況になりました。だから、どこぞのメンバーになってもいいのかな、と。

 本来、余剰資金は老後の蓄えにすればいいのに、そういうとこだけ、なぜか江戸っ子気質で、持ち越さないのよ。本当は、東北生まれなんですが……。

・友だちがみんなメンバーに
 周りのゴルフ友だちがみんなメンバーになって、楽しいゴルフライフを満喫しています。だから、そういう仲間に入って、「じゃあ、今度はうちのコースにも、ぜひおいでください」みたいなことをやりたいじゃないですか。

 そんな見栄のために、200~300万円を払うのか。悩みどころです……。

・狙い目のコースがある
 過去2回、メンバーになってわかったことがいろいろとあります。そこそこ自慢できるコースじゃないとダメ、ということ。会員権は見栄の産物だから、これは仕方がないことです。

 また、家から近いコースか、リゾートがいい、ということ。でも結局、近場のコースは高額で手が出ませんから、狙いを絞るなら、名門リゾートコースとなります。

 たとえば、軽井沢にある大浅間ゴルフクラブはどうでしょう。三井系の由緒ある名門リゾートコースとして、磐石の地位を築いています。ただし、4月~11月の間しか使えません。

 けど、今となっては、その使えないことがメリットです。冬の間はコースに行かなくていいのですから。

 それに、名門コースは提携コースが多いのが特徴です。大浅間GCなら、千葉カントリークラブなど、名門コースがいくつか利用できるメリットがあります。これで、300万円ちょっとの相場は安いな、と。

 なぜか、最後は会員権業者の営業トーク的になってしまいましたが、以上がゴルフ会員権を「買う」派としての意見です。

 では引き続き、今度はゴルフ会員権は「いらない」と言う、もうひとりの悪魔の囁きです。

◆ゴルフ会員権を「買わない」派の言い分
・絶対使わない
 たとえば、先に触れた軽井沢にある大浅間GCの会員権を購入したとしますよね。じゃあ、ひとりで月例などに参加するのか?

 正直、新幹線に乗って月1回の競技会に行くなんて、今のスケジュールからして、ドタキャンするのが関の山。

 もし行くとしても、軽井沢であれば、軽井沢72ゴルフの年次会員(年会費のみで割引プレーができる。※新規の場合は入会金が必要)のほうが、競技会やコンペが山ほどあります。それで、いいじゃん、と思います。

 その他、三井の森軽井沢カントリー倶楽部とか、年次会員でも十分に楽しいのではないか、と。

・ひとり予約ランド
 これは、ひとりでもプレー前日に予約できるシステムです。『ひとり予約ランド』のおかげで、ホームコースならずとも、どこでもひとりでふらりと行って、ラウンドすることができます。

 だから、メンバーになって、ひとりでぷらっと出かけてコースで打つ、なんてことのために、高いゴルフ会員権を買うことは、もはやナンセンスです。

・友だちを本当に誘うのか?
 昔、南総CCの会員だった時は、確か1組予約して友だちとラウンドしていました。しかも、毎月のように。でもそれは、まだゴルフの予約が困難な時代で、もの珍しかったこともあるでしょう。

 また、鶴舞CCのメンバー時代は、自らが競技志向で、友だちを誘ってプレーすることはほとんどありませんでした。

 そこでもし今、どこぞのメンバーになったとしたら、知り合いを呼ぶのか?

 それは、甚だ疑問ですね……。

 だって、人を誘うのが面倒くさいですから。「あいつは金がないから、昼メシをおごらなきゃならない」とか、「あいつは、誘っても感謝の気持ちがない」とか、いろいろとあって。

 まあでも、そもそも友だちが少ないですから……って、だったら余計に会員権なんて買うなっていうの。

・スケジュールがない
 現在、仕事とお呼ばれのゴルフで、結構スケジュールが埋まっているのが現実です。はたしてここに、新たなホームコースのスケジュールを入れることができるのか?

 これまた、甚だ疑問です。

 そういえば、鶴舞CCの会員をやめる時も、最後はほとんど行かなくなっていました。それで、やめたんですよね。

 とまあ、いろいろと考えてみたのですが、もしゴルフ会員権を買うなら、実用面は考慮しないでしょうね。スケジュール調整が難しいですから。

 だったら、「使いようがないんじゃん」って思うでしょ。そうです、要は単なる見栄です。

 あぁ~、でもなんか、どっかのコースのメンバーになって、老後はそこに通う夢が捨て切れないんです。すでに、老後の年齢なんですけどね。

 そこでまた、人生を引退する年齢になって、新たなローンを組んでどうする?って、悩んだりして……。

 そんなこんなで、頭の中でいろいろと妄想を交えて考えているときが楽しいかな……って、どれ、原稿を1本書いたら、ゴルフの会員権相場表を見るとしますかね。