大会を支える審判を行なっているのは、福岡県のテニス部の生徒たち。この大会は審判の育成にも力を入れており、昨年から審判講習会も実施している。参加した生徒に学んだことを聞いてみると、「ポイントを…

 大会を支える審判を行なっているのは、福岡県のテニス部の生徒たち。この大会は審判の育成にも力を入れており、昨年から審判講習会も実施している。参加した生徒に学んだことを聞いてみると、「ポイントを落とした人とアイコンタクトを取ること。アウトしたら、その人に向かって言うことで、『ちゃんと見ていたよ』という気持ちを伝えることができる」と、実践的な内容まで指導されており、実行してみて、その効果を実感できたそうだ。

 初めて審判を行なった学生からは、「責任を感じる」と同時に「楽しい」という言葉も多く聞くことができた。審判をするにあたって心掛けたことは、「ジャッジの正確さ」や「すぐにジャッジすること」だと言う。今年の審判を見ていると、ジャッジを素早く大きな声で言っている印象を受ける。また、主審も間違っていると思ったら、「コレクション」も素早く行なっていた。

 初めて審判をする生徒も多いため、間違えることもあるが、1ポイントを必死で戦っている選手や監督にとっては、容認しづらいこともあるだろう。しかし今年は、審判がスコアを間違っても「このスコアじゃないか?」と監督がやさしく指摘したり、試合前に線審の生徒に「よろしくね」と声をかけていた監督もいた。また、試合後に相手に挨拶をした後に、審判に向かっても「ありがとうございました」と挨拶する学校もあった。

 ミスをして選手や監督から激高されると、審判をするのも嫌になってしまうだろうが、今回のように声をかけられると、審判をしていても楽しく感じられるものだろう。1年生で審判をした生徒は、来年もするかと聞くと、「必ずやります!」と元気な声で答えてくれた。

 監督が審判を寛大にフォローしてくれることで、生徒の態度も変わっていく。審判も大会を成功させる1部だけに、審判の環境が良くなっているのはうれしいことだ。今後とも継続してほしい。(©スマッシュ)

※写真は全国選抜高校テニス大会の審判員たちの様子