感謝 「日本一のチームがどういうものなのか知りたかった」と入部当初の思いを振り返った上原由佳主将(社=群馬・健大高崎)。もともと高校でソフトテニスには区切りをつけるつもりだったというが、高校日本一を目指して懸命にやってきていたのに何故だめだ…

感謝

 「日本一のチームがどういうものなのか知りたかった」と入部当初の思いを振り返った上原由佳主将(社=群馬・健大高崎)。もともと高校でソフトテニスには区切りをつけるつもりだったというが、高校日本一を目指して懸命にやってきていたのに何故だめだったのかという思いから、もう一度やってみたいと思えたという。対談中、何度も先輩や周りの人々への感謝を口にした上原。早稲田が良いときも悪いときも常にその伝統を近くから見てきた4年間を振り返る。

 早稲田に進学した当初の気持ちを、自分が活躍するというよりも、日本一のチームではどういった人が、どのような取り組みをしているのか気になったと振り返る上原。だが、1年生の全日本学生選手権(インカレ)のダブルスでは優勝という素晴らしい成績をいきなり残した。「みんなから信頼されて、その声援を背にして試合をする時の一体感が好き」という上原は、2年生から全日本大学王座決定戦やインカレの団体戦に出場するようになっていった。胸を張ってレギュラーであると言えるほどの技術はなかったというが、先輩たちの思いに応えようと努力していた姿勢を汲んでもらった。そのことにとても感謝をしていると語った。


後衛の力を最大限引き出せる前衛になることが目標であった

 1年生の冬から、いち早く早稲田の伝統を身近に感じて来ていた自分が主将を務めることになるであろうと感じ、そこから自分なりの準備をして受け継いだという主将の座。プレッシャーは感じなかったと言うが、いざ主将として大会を迎えるごとに、結果が出ないことに対して胸に刺さる思いがあった。大学スポーツの難しさはそれぞれが様々な環境で競技をすることにあるのではないかと語る上原にとって、みんなの思いはひとつではあったにも関わらず、そこから結果へと繋いでいく過程を揃えることが難しかったと振り返る。だが、そういった困難も同期の4年生の協力や、それをみた下級生たちの主体的な動きによって切り抜いていけることが出来た。

 こうした4年間の部活生活で得たことは、自分で考える力と人と人との繋がりであるという。自主性を重んじる環境において、何が足りないのかを客観的に考え、何が自分には必要なのかを考え続けた。また、自分がソフトテニスをできているのは仲間やOB、OG、家族など様々な人に支えられているからであると語った。自分が試合に出た分、仕事を分担してくれた同期や、声をよくかけてくれた先輩達、頼れる後輩やチームの結果を気にかけてくれているOB、OGさんなど幅広く支えてきてもらった4年間。ここで得た経験を糧に、今後も新たなステージで躍進していく。

(記事 河合智史、写真 山浦菜緒、栗林桜子氏)