専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第194回 最近のゴルフのプレーフィは、相当安くなっていて、地方では平日なら3000円~4000円ぐらいが当たり前になっています。そんなに安くして、ゴルフ場は儲かるんだろうか、…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第194回

 最近のゴルフのプレーフィは、相当安くなっていて、地方では平日なら3000円~4000円ぐらいが当たり前になっています。そんなに安くして、ゴルフ場は儲かるんだろうか、採算がとれるんだろうか、ちょっと心配になります。

 でもこれは、いくら安くしても、お客さんを入れざるを得ない”ビジネスモデル”の宿命と言えるのです。

 つまり、ディスコやクラブなどのハコモノ営業と一緒の形態で、一旦店を開いたら、かかる必要経費はほぼ一緒。ゴルフ場であれば、電気代、お風呂のボイラー代、水道代、人件費、食材の一定部分などなど、お客さんが1組でも50組でも、基礎部分の出費はさほど変わらないのです。

 そうなると、営業日としてオープンしたら、なんぼ安い料金でもお客さんを入れたほうがマシ、となるのです。

 しかもゴルフ場は、18ホールのコースなら、通常50組程度で満員となり、あと早朝プレーや薄暮営業などのお客さんを足しても、1日70組前後が限度です。だから、ボロ儲けもなかなかできない仕組みです。

 これが、ディスコやクラブだと、お客さんが通路やお店の外にまであふれても集客し続けて、定員が200人だとしても、トータル2000人ぐらいは入れ替わり、立ち替わりでぶち込んで、ボロ儲けを図ることも可能です。

 そんなわけで、”詰め込みビジネス”のわりには、さほど儲からないゴルフ場。そのシステムの盲点を突いて、できるだけ安くラウンドする方法を考えてみたいと思います。

 いろいろと調べてみると、意外な方法で安くラウンドできることがわかりました。以下、列記していきます。

(1)ふるさと納税でプレー券を確保
 群馬県富岡市のふるさと納税では、寄付金額の3割相当分、要するに1万円の寄付で地元のゴルフ場利用券(8コースあり)を3000円分もらえます。群馬県ではその他の自治体も、さらには千葉県南部の自治体でも、同様のことを行なっています。

 ふるさと納税は、基本的に2000円ほどの自己負担金を払えば、あとは税金を寄付に移すだけなので、実際の出費はありません。ふるさと納税の返礼品の相場はおおよそ3割ですから、10万円の納税なら3万円のプレー券が確保できるのです。これは、なかなかいいアイデアじゃないですか(※全額控除される寄付金額には年収や家族構成によって上限がある)。

 地方に住んでいる方は、どんどん利用してみてはいかがでしょう。年間で無料ゴルフが2、3回はできると思いますよ。

(2)「回り放題」の会員になる
 私の知っている限りでは、千葉県のブリストルヒル ゴルフクラブで「回り放題」の会員システムを導入しています。

 どういうものかというと、ブリストルヒルGCでは年間パスポートを販売していて、たとえば『ウィークデイ・パスポート(※)』(年間19万9800円税込。12回の分割払いの場合は月額1万6650円税込)を購入すると、1年間、平日プレーが無料(ゴルフ場利用税は別途)で何回でもできるというもの。1カ月で平日が20日あるとして、毎日プレーしたら、1日あたり約800円という計算になります。
※その他、平日プラス限定月の土日祝日プレーが可能な『ゴールド・パスポート』(年間34万9800円税込)、全日プレー可能な『プレミアム・パスポート』(年間49万9800円税込)がある。

 現実問題として毎日ラウンドできるのか、という疑問もありますが、月に3回ぐらい行けば、十分に元は取れます。たまに長い休みをとって、そこで合宿をすれば、さらにおトクなんじゃないでしょうか。

(3)友だちの誕生日券を使う
 多くのゴルフ場で、メンバーの誕生日月に『誕生日チケット』を配布しています。これは、メンバー本人が完全無料、あるいはグリーンフィ無料。そのうえで、同伴ビジターも割引でプレーできる恩恵があります。

 先日も友人から、神奈川県の名門コースでのプレーに誘われた際、料金が高いから躊躇していたところ、「『誕生日チケット』があるから、1万円ちょっとで大丈夫」と言われて、すかさずオーケーを出しました。

 みなさん、もうおわかりですね。知り合いの中で、どこぞのコースのメンバーになっている方がいたら、その方の生年月日を確認しておいて、その前の月あたりに、そこはかとなくゴルフの話をしてみてはいかがでしょうか。

 過去の経験で言うと、私もメンバーだったのでわかりますが、『誕生日チケット』をどう使っていいか、結構悩むんですよ。誰を誘おうか、あれこれ多方面に気を使うんです。

「あいつは誘ってもいいけど、うまいからニギリで取られるしなぁ……」「あいつは誘っても感謝の気持ちを表さないから、パス」とかね。

 そうやって、あ~でもない、こ~でもないとぼやいているときに、「あなたの素敵なコースに誘ってください」というメールが来たら、グッドタイミング。「やっぱり、行きたい人を優先させないと」と思うわけですよ。結果、双方がオイシイ思いとなるのです。




名門クラブのメンバーである友人の誕生日はチェックしておいてもいいかも...

(4)ショートコースは2回目以降、回り放題が普通
 過去に何回かショートコースに行ったことがありますが、たいがい2回目以降は回り放題となっています。

 通常9ホールのコースが多いのですが、1ラウンド2000円としますよね。その後、2ラウンド目に追加で1500円ほど出せば、以降は延々とラウンドできるというものです。

 だから、朝やって来て、回り放題を選択すると、9ホールのコースなら4000円弱ぐらいの出費で、10ラウンドすることも可能です。もともとショートコースはウッドをさほど使用しないので、9ホールラウンドし終えるのに1時間もかかりません。

 どうです? 集中的にラウンドしてスキルアップさせたい方は、かなりおトクだと思いますよ。

 このサービスを逆手にとって、あるホールに陣取る方もいます。朝から夕方まで、ず~っと3番ホールにいるとかね。

 もちろん、お客さんが来たら避けますが、お客さんが来なければ、まるで”プライベートホール”かのように使って、何回も打ち直して、何十回もアプローチをしています。そういう使い方をしている方、実際にいるんですよ。

 ショートコースでは、2回ティーショットができるなど、そのコースのみで許される奇妙な風習も多々あり、なかなか面白いです。一度、社会勉強として行ってみてはいかがでしょうか。

(5)ネットの直前割を使う
 飛行機のチケットなどは、早割り、特割りなど、1カ月以上も前に予約すると、相当運賃が割引されます。

 ゴルフにおいては、プレー日の直前がものすごく安くなる、そういうケースが多いです。大手のゴルフ場グループや、ネットの予約サイト、そういうのに登録しておけば、「シークレットプラン」みたいなメールが直前に届いて、「明日なら2980円でプレー可能」といった、お知らせが来たりします。

 やはり、先ほども言いましたが、ハコモノ商売ゆえ、直前まで集客を行なって、「(格安でも)入れてしまえ!」という考えなのでしょう。

 だから、明日はゴルフと決めたら、夕方にネットをパトロールしつつ、直前割を探すのも、安くラウンドするためのひとつの手段です。

 ここ10年ぐらいのゴルフのプレーフィを考えると、だいぶ安くなった感があります。ゴルフは「贅沢なスポーツ(遊び)」と言われますが、5000円以下なら、スキー場の1日リフト券とさほど変わりません。

 映画だって、大人1800円でしょ。工夫次第では、お値ごろのレジャーと言えます。そんな時代が来たか、と思います。