団体戦の全日本学生優勝大会の健闘から2週間。選手たちは個人戦に挑む。9月の体重別選手権に先がけて、15〜20歳の選手が出場する東京都ジュニア体重別選手権(東京都ジュニア)が開催された。全日本ジュニア体重別選手権(全日本ジュニア)の予選もか…

 団体戦の全日本学生優勝大会の健闘から2週間。選手たちは個人戦に挑む。9月の体重別選手権に先がけて、15〜20歳の選手が出場する東京都ジュニア体重別選手権(東京都ジュニア)が開催された。全日本ジュニア体重別選手権(全日本ジュニア)の予選もかねられており、各階級に2〜3名の出場枠が設けられている。早大からは男子10名、女子4名の計14名が出場。うち8名が1年生というフレッシュな顔ぶれとなった。大会は、藤原七海(文構2=福岡・修猷館)だけが全日本ジュニアの補欠出場権を得るという結果で終わった。

 1年生も多く出場した男子部。期待を集めたのはやはり1年生の活躍だ。60kg級に出場した仲島聖悟(スポ1=東京・修徳)は、前回大会において55kg級で準優勝という経験をもち、今回も全日本ジュニアへの出場を目指す。2回戦目からの出場となり、背負い投げで一本勝ちを決め幸先のよいスタートをきる。しかし続く3回戦では勢いを失ってしまう。両者ポイントを譲ることはなかったものの、仲島は指導を2つ受け追い詰められた状態でゴールデンスコアに突入。逆転を狙うものの、決めきれずに3つ目の指導を受け反則負けとなった。「高校まではやってこれた」ことが通用しない大学柔道を体感したようだ。同じく1年生の佐藤虎太郎(スポ1=神奈川・桐蔭学園)も2回戦を勝ち進む。しかし佐藤虎も、3回戦のゴールデンスコアで先制されてしまった。さらに、唯一3年生での出場があった佐藤竜(スポ3=東京・修徳)をはじめ、10名全員が3回戦までで敗退。全日本ジュニア出場への道のりは険しかったようだ。


豪快に技を決める佐藤虎

 女子部は、出場した4人全員が1回戦を勝ち進む。2回戦では3人が敗退してしまったものの、調子をあげたのは岡田蛍(スポ2=愛知・大成)と藤原だ。岡田は勝てば全日本ジュニアへの出場が決まる準々決勝まで駒を進める。しかし岡田のペースに持ち込めず、指導が3つ重なり反則負けとなった。その後に全日本ジュニアの補欠出場権をかけた試合に挑んだ。ゴールデンスコアに突入する接戦となったが、準々決勝と同様に指導による反則負け。補欠出場権をも逃してしまう結果となった。一方の藤原は準々決勝では押さえ込みでの一本勝ち。前回大会よりも階級を1つあげたが、「パワー負けせずに投げ技や寝技で勝つことができた」点に自身も成長を感じたようだ。続く準決勝で勝利すれば全日本ジュニアの出場が確定する。大舞台をかけた争いに「どうしても守りに入」ってしまったという藤原。試合時間の4分間は張り合うものの、ゴールデンスコアに入ってから押し負け始め、ポイントを奪われることとなった。藤原が出場した57kg級では全日本ジュニアへの出場権は3枠が設けられていた。目標の全国大会に望みをかけて、出場決定戦に挑むものの敗退。全日本ジュニアへの出場権をあと一歩のところで逃した。


全日本ジュニアへの補欠出場権を獲得した藤原

 今大会は、藤原のみが全日本ジュニアへの出場権を得るという結果で終わった。藤原自身は「もう少しいつも通りの柔道ができていたら勝てたはずなのに、それができなかった」と悔しさをにじませる。秋にも体重別選手権が控えている。早大から全国の舞台で勝負する選手が現れることに期待したい。

(記事、写真 赤根歩)

結果

▽男子60kg級

伊藤史弥(スポ1=神奈川・桐蔭学園) 3回戦敗退

仲島 3回戦敗退

▽男子66kg級

川島聡太(先理1=三重・四日市) 2回戦敗退

木村将輝(商1=奈良・東大寺学園) 1回戦敗退

佐藤虎 3回戦敗退

▽男子73kg級

佐藤竜 3回戦敗退

柳川昴平(社2=三重・四日市中央工) 1回戦敗退

坂上伶(社1=長崎南山) 2回戦敗退

▽男子81kg級

百瀬敦也(社1=長野・松本第一) 3回戦敗退

▽男子90kg級

空 2回戦敗退

▽女子48kg級

中野愛巳(社1=福岡・南筑) 2回戦敗退

▽女子57kg級

木村萌乃(社2=群馬・前橋育英) 2回戦敗退

藤原 準決勝敗退

▽女子78kg級

岡田 準々決勝敗退

コメント

藤原七海(文構2=福岡・修猷館)

――どのような目標で挑まれましたか

前回大会では2回戦で負けてしまっていたので、今回は全国大会に出たいという気持ちで挑みました。

――前回大会からご自身の成長を感じた点は

今回、きょねんよりも階級を1つあげて臨んだ大会だったので、パワー負けするかなと思っていたんですけど、階級をあげてもパワー負けせずに投げ技や寝技で勝つことができたので、そこは成長した部分かなと思いました。

――準決勝で敗れてしまったことについてはどう感じていますか

この試合に勝ったら全国大会に出られると思ってしまうと、どうしても守りに入り、攻めの姿勢が足りなかったのかなと。もう少しいつも通りの柔道ができていたら勝てたはずなのに、それができなかった点が残念だと思いました。

――補欠出場権を得たことについてはどう思われますか

きょねんよりかは多く試合をして勝つことができたので、その部分は成長したと思っています。

――個人戦で団体戦との違いを感じる点はありますか

団体戦はどうしても軽い方の階級なので出場することができなかったんですけど、個人戦になって自分の試合で技が出て勝つことができたのはよかったと思います。

――最後に、今後の目標を教えてください

9月にある東京学生で全国大会の出場権を獲得して、全国大会に出たいと思います。

仲島聖悟(スポ1=東京・修徳)

――今大会にどのような目標で挑まれましたか

目標は、全日本ジュニア出場を第一として、それがクリアできたらしっかり優勝を狙っていこうと考えていました。

――3回戦で敗退し、目標を達成できなかったことについてどう感じますか

今までと違って、相手の力も上がってきて対策もされて、高校まではやってこれたところもあるんですが、それでは通用しなくて。自分の柔道ができなかったことが敗因だと思っているので、しっかりとした技を身につけたり組手で組み勝てるようにして次に向けていきたいと思っています。

――高校の頃と比べて違いは大きいですか

試合時間とかは変わらないんですけど、組んでいる時の力強さだったり、技に入った時の相手の受けの強さだったり、相手の技の強さだったりだとかは、高校と違って大学の方が強く感じますね。

――練習にも高校と大学の違いはありますか

練習のメニューとしてはそんなに変わりはないと思うんですけど、圧力や力強さといった面でやはり大学の方がひと回り、ふた回りも大きいと感じますね。

――ジュニアの大会は来年度にもチャンスが残っていますが、どう思われますか

来年までにしっかりと大学生相手に勝てるように、自分の柔道を見つめ直して、1年間しっかり鍛え上げていきたいと思っています。

――今後の抱負をお願いします

とりあえず9月にある東京都学生があって、これも全国につながる試合なので、しっかりと戦って勝っていければいいなと思っています。