専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第193回 時々やっている”あるあるシリーズ”ですが、ネタがたまったので放出します。今回のお題目は、「こんな人とは回りたくない」という鉄板ネタ。しかも、…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第193回

 時々やっている”あるあるシリーズ”ですが、ネタがたまったので放出します。今回のお題目は、「こんな人とは回りたくない」という鉄板ネタ。しかも、相手に悪意がない場合もあって、こちらとしてはなかなか怒れません。困ったものです……。

 まずはこちらから、いきましょう。

◆前の組に打ち込んだのに、とぼけるヤツ
 同伴メンバーで、たまに前の組にボールを打ち込む人がいます。しかもその後、まったく謝る気配がないから困りものです。

 こっちが「ボールを打ち込んだよ」と言うや、「俺が? 嘘でしょ。(普段は)ぜんぜん飛ばないんだよ。信じられな~い」と、むしろ飛んだのを喜んでいますから、手に負えません。

「あっちは睨んでいるよ。謝ってくれば」と注意をうながしても、「いいよ、どっかで出会ったときでいいじゃん」と言って、逃げる一方です。

 しまいには、先のお茶屋でこっちが前の組に出くわして、「あんた、打ち込んでおいて、謝りもしないのか!」と恫喝される始末……。なんで、関係ないこっちが怒られなきゃいけないの?

 結局、「いえ、打ち込んだのは別のヤツで……」と、代わりにこっちがペコペコ。これは、たまったものではありません。

 前の組にボールを打ち込んでも知らんぷりするような輩は、みんなの連帯責任にしようと思っているフシがあります。高校野球じゃないんだから、ひとりの部員の喫煙だけで、甲子園出場辞退なんて許せません……って、これはまた話が飛びすぎかぁ~。

◆ほぼ毎回、ボールを見失うヤツ
 こういう人、実在しています。ほとんどコントみたいな振る舞いに、怒りを超えて笑ってしまいますが……。

 そういう方って、こんな感じです。

 ドライバーでバシーンと打ちました。こっちも途中までボールの行方を見ていましたが、OBになるような球ではありません。たぶんラフにあるでしょうと思って歩き出すや、その方はさらに先のほうにズンズン歩いていってボールを探していらっしゃる。

 それで、こっちも「ボール、ないんですかぁ~? ここらへんですか?」と聞きながら、捜索隊に加わります。それにしても、だいぶ先を探しているような気がして、「距離的にはこんな感じですか?」と聞くと、「当たりがよかったから、220ヤードぐらい飛んだかな」と、その方はのたまう。

 本人がそう言うなら、仕方がないです。その220ヤード地点を探し回りますが、一向に見つかりません。

 そうして、「やっぱり、おかしいなぁ~。さっきの感じだと、180ヤードがいいとこだよな」と、こっちは思うわけです。それで、170ヤード地点まで戻ってラフを探してみると、しっかりボールがあるじゃないですか。

「ありましたよ~、だいぶ手前ですねぇ~」と言うや、「え~、そんな前なの~? 木に当たったんじゃないか。いやいや、ご迷惑をかけまして申し訳ない」とその方。姿勢は謙虚なのです。

 そんでまた、その方は次のホールでも見失うわけがないラフにズドン。懲りもせず、220ヤード地点を探しています……。これ、毎ホールやられたら、たまんないっす。

 いい加減、自分の飛距離を冷静に見つめ直してね。ほんと、飛んでないんだから。

◆「オーケー」と、一度も発しないヤツ
 どう見てもオーケーの距離であっても、「オーケー」と言わない人がいます。別に意地悪をしているわけじゃありません。状況はこうです。

 いつも「オーケー」を言う同伴メンバーがトイレに行くからと、そのホールは早上がりしていきました。残されたのは、ビギナーの若者。ゆえに、ルールやマナーは詳しくありません。

 そうしたなか、流れ的に「これ、オーケーでいいよね」とこっちが聞くと、その若者は「私の一存では判断しかねます」だと。なんだよ、おまえは役人かぁ~。ゴルフの「オーケー」まで責任逃れって、アリですかぁ~……。

 ただ、逆に考えれば、こういうヤツが将来、出世するかもしれません。彼の行く末を見守ろうと思いました。



今どき、こういう若者は確かにいそうですね...

◆仮病を使ってハンデをもらうヤツ
 ゴルフってしょうもないスポーツで、プレー開始前にお互いの実力を値踏みします。スコアを競うゲームを開始するにあたって、ハンデを決めるからです。

 そんななか、プレーを開始する前までは、「この間、ハワイでラウンドしてさ。タレントと回ってニギリでふんだくってやったよ」と、ホラを吹きまくる輩がいます。

 で、そういうヤツに限って、いざハンデを決めるとなると、「最近、イップスでスランプなのよ。今日は叩いちゃうから、ハンデください」と言ってきますから。もちろん、仮病です。

 結局、いろいろとごねて”スクラッチ”でゲームを進めることに……。こうなれば、”仮病野郎”は勝ったも同然。ゴネ得で、ニギリを持っていきましたとさ。

 ほんと、ハンデ決めのとき、仮病を使うのはやめてほしいですよね。

◆「食事をおごるよ」と言われて、うな重を頼むヤツ
 たまに名門クラブのメンバーと一緒にラウンドすると、「今日は食事をおごるから、なんか頼んでいいよ」と言ってくれる場合があります。

 土日のプレー代は、メンバーが1万円ぐらいなのに、ビジターは3万円超えとか、ざらにありますからね。ビジターの料金負担分を、そのメンバーさんは気遣ってくれているのです。

 けど、それをいいことに、うな重を頼むっていうのはどうかなぁ~。それって、回転寿司でおごってもらう身で、ウニばっか食うヤツと一緒じゃん。

 うな重は名門コースだと、国産のうなぎを使っていることが多いので、最低でも4000円ぐらいします。ちょっとは、メンバーさんに気を遣いましょう。

 さて、最後はキャディーさんの登場です。

◆「お客さんは7番ね」と言って、クラブ1本だけ渡すキャディー
 さすがにアプローチの際は、1本だけではなく、ウェッジを2本ぐらい渡してきますけど、そういうキャディーさんって、確かにいますよね。

 けど、私はへそ曲がりなので、アプローチの際にはユーティリティーも使用することがあります。キャディーさんからクラブを渡されると、その際に使用するクラブの判断が鈍るので、クラブは自分で取りにいくことが多いです。

 ところで、新ルールになって、ピンを差したままパターを打つようになり、キャディーさんの仕事が楽になりました。

 そうした状況のなか、よく考えると、私はボールを拭かないし、クラブも最後のプレーが終わるまでほとんど洗わないし、コースのレイアウトもカートモニターを見ればわかるから、キャディーさんがいなくても苦になりません。

 今や、多くの方々がセルフプレーを楽しんでいますから、私と同じような感覚の方は多いと思います。今後、どんどんキャディーさんがいなくなる――そんな時代になってきましたね。

 ここはひとつ発想を変えて、女優の橋本環奈ちゃんみたいなコが、応援だけするキャディーっていうのはどうでしょう?

 そういうコたちが、「ナイスパー、パチパチ」「もっとガンバ」って言ってくれるの。う~ん、非常にいいかも。

 こんなことを書くと、多方面からお叱りを受けるので、平等にオバサマのお客さまには、『純烈』の応援コールなんていうのはいかがでしょう? 元メンバーがひとり、スケジュールが空いているみたいですから、頼んでみましょうか?……って、これも余計なお世話ですね!?

 というわけで、お送りしてきました”一緒に回りたくない”人々の数々。ゴルフは初対面の場合、なかなか相手のキャラがつかめません。そこが、楽しくもあり、もどかしくもあり、なのでしょう。