シーズンハイの活躍も「分からなかったです(笑)」滋賀レイクスターズはアルバルク東京に連敗し、8勝32敗とリーグ最下位で中断期間を迎えることとなった。それでも、前年王者のA東京を相手に第2戦では5点差と食い下がっており、試合内容には明るい兆し…

シーズンハイの活躍も「分からなかったです(笑)」

滋賀レイクスターズはアルバルク東京に連敗し、8勝32敗とリーグ最下位で中断期間を迎えることとなった。それでも、前年王者のA東京を相手に第2戦では5点差と食い下がっており、試合内容には明るい兆しが見えてもいる。特にチームを牽引する働きが目立ったのが、プロ2年目の高橋耕陽だ。

インサイド陣がファウルトラブルに陥る中、高橋は積極的なアタックを続け、シーズンハイとなる20得点を記録。第3クォーターには最大15点のビハインドを背負うも、そこから3点差に詰め寄るなど、接戦を演じる立役者となった。

シーズンハイの20得点を挙げながら「20点も取ってたんですか? 分からなかったです(笑)」と、高橋はコート内の厳しい表情とは打って変わってあどけない笑顔を見せた。「ディフェンスから流れが作れている時が一番良いと僕の中では感じていて、今日は足も動いていたのでそれが良かったのかな」と、ディフェンスマインドが転じて大量得点を呼んだと高橋は考える。

滋賀が接戦に持ち込めた理由の一つに、チェンジングディフェンスが機能した点がある。先述の通り、インサイド陣がファウルトラブルに陥った不利を運動量でカバーした。「スモールラインナップなので足を動かしてディフェンスをしないといけない。みんなの考えが一致して、コート上で全員で出せたのが良かったんじゃないかと思います」

滋賀を指揮するショーン・デニスも、「A東京を相手に、2試合とも素晴らしいファイトができました。残念ながら負けてしまいましたが、若手の高橋、中村(功平)が活躍してくれました」と、その名前を挙げて称賛。さらに、「彼らの活躍はクラブの将来にとっても、チームとしてもとても良い兆しです」と、今後の滋賀を担うであろう若手の出来を喜んだ。

「フリースローの確率が低く、その差で負けてる試合も」

今後に繋がるパフォーマンスを見せた滋賀だが、終盤戦に入るこの時期にリーグ単独最下位では余裕を持ってはいられない。デニスコーチも、「正直、残り20試合で下位4位を脱出するのは難しいと感じていますし、残留プレーオフは回避できないと思っています」と現実を受け止める。それでも、残留プレーオフを勝ち抜けば最低限のノルマであるB1残留は勝ち取ることができる。

滋賀は栃木ブレックスや新潟アルビレックス、琉球ゴールデンキングスから勝利するなど、噛み合った時のポテンシャルは高い。だが一方で、5点差以内の敗戦が11試合あるなど、接戦を勝ち切れないことが低迷の直接的な原因となっている。

「正直、歯がゆいです。フリースローの確率が低く、そこを全部決めないといけない。その差で負けた試合もありますし、ターンオーバーも減らさないといけない」と高橋は課題を挙げた。

「フリースローを獲得する回数が少なすぎる。獲得しても、それを決められないのではなかなか勝つのは難しい」と、デニスヘッドコーチも頭を抱えていた。1試合平均13.4本、成功率64.9%という数字は、ともにリーグワースト2位の数字だ。簡単に解決できるものではないが、終盤戦に向け必ず改善しなければならないのは間違いない。

高橋のフリースロー成功率は78%と、決して悪くない。「『入れないと』って思ったら入らないので、僕は何も考えずに打ってます」と、無心で打つことを心掛けているという。

高橋は今後の決戦に向け、このように意気込んだ。「昨シーズンより3ポイントシュートの確率が悪いので、上げていきたいです。今日みたいなディフェンスのインテンシティを持ってやれば、必ず勝てると思います。ここで腐らずに上を向いて、ファンの人たちに喜んでもらえるようなプレーをしていきたい」

デニスヘッドコーチが「彼らの活躍はクラブの将来にとっても良い」と語ったように、滋賀を引っ張っていくのは高橋ら若手だ。まだ荒削りではあるが、それゆえ伸びしろも多い。高橋の成長が滋賀の命運を握る。