前週のファーマーズインシュランスオープンで久しぶりにトップ3フィニッシュを決めた松山英樹が、ウェイストマネジメント・フェニクスオープン(1月31日~2月3日/アリゾナ州)に出場した。 昨年こそ、左手を負傷して途中棄権となったものの、過去に…

 前週のファーマーズインシュランスオープンで久しぶりにトップ3フィニッシュを決めた松山英樹が、ウェイストマネジメント・フェニクスオープン(1月31日~2月3日/アリゾナ州)に出場した。

 昨年こそ、左手を負傷して途中棄権となったものの、過去に2度の優勝(2016年、2017年)を飾って、残り2回もベスト5フィニッシュ(2014年=4位タイ、2015年=2位タイ)を決めている得意舞台ということもあって、戦前はおよそ1年半ぶりとなるツアー優勝への期待が膨らんでいた。

 しかし、結果は通算9アンダー、15位タイに終わった。さすが相性のいいコースだけあって、4日間すべてアンダーパーで回ったものの、爆発的なスコアが生まれる日がなく、優勝争いを演じるまでには至らなかった。



フェニックスオープンでは15位タイでフィニッシュした松山英樹。photo by Getty Images

「何もいいところがなかった」という初日は、前半で3つのバーディーを奪ったが、後半はスコアを伸ばせず、トータル3アンダー、27位タイ発進となった。

「(不満なのは?)ぜんぶです。アイアンもぜんぜんダメですね。トップが7アンダーですから、(3アンダーという結果にも)とくに何もないです。(「73」と崩れた)先週の3日目みたいに、まったくアジャストできないというか、その原因が何なのかもわからないので……。明日もどうなるか心配ですね」

 インスタートとなった2日目、その不安が的中(?)。出だしでボギーを叩くと、ボギーが先行する苦しい展開となった。それでも、前半最後の18番でバーディーを奪って、後半に入ってからも3つスコアを伸ばして、通算5アンダー、24位タイで決勝ラウンド進出を決めた。

「昨日よりはよくなった感じはあるけど……。それを、どこまで信用していいのか……(苦笑)。現状、それがわからないくらいまでのレベルにまで落ちてしまっているので。ドライバーも、アイアンも、先週に比べるとぜんぜんダメですし……。パットもミスパットが入ってくれてラッキーだと思ったけど、いいパットをしたら入らなかったりして、チグハグです」

 3日目は、1番で幸先よくバーディーを奪うと、3番でもバーディーを奪取。いよいよ猛チャージの日が訪れるか、と思われたが、その後はなかなかパットが決まらずに伸び悩んだ。結局、前日と同じく「69」でラウンドを終え、通算7アンダー、26位タイにとどまった。

「ドライバーが昨日までの2日間と比べたらよかったので、その分、安心して打てていたんですけど、最後の締めとなるパットが入らなかった。結果、スコアも伸ばせなかったし、ストレスが溜まるラウンドだったかな、という感じです。(パッティングの感覚は?)悪くなかったんですけど、なかなか入ってくれなかったんで。やっぱり、入らないと、それによって違和感も出てくるし……。まあ、残念ですね」

 最終日は雨というコンディションのなか、多くの選手がスコアを崩していたが、松山は4バーディー、2ボギーの「69」。通算9アンダーとスコアを伸ばして、順位も15位タイまで浮上した。

「ショットに関しては、昨日の少しよかった感覚がまったくなくなってしまったので、今日は『荒れるかな』と思っていたんですけど、辛うじてパーオンしてくれて。それだけはよかった。でも、そのバーディーパットが入らなくて、こういうスコアで終わるのも仕方がないのかなと思います。

 パットは、昨日入らなくて、やっぱり違和感が出てきてしまった。いい感じで打てているなと思ったら、そのあとすぐに3パットしてしまったりして。以降、まったくいいストロークができなかったので、入らなくて当然かな、と。

 先週の流れから(今週も)うまくプレーできるかと思ったんですが、なかなかそう簡単にはさせてくれない感じがあった。ハザードが効いていたり、ちょっと打ちにくいホールがあったりするなかで、そこで打ち切る自分の自信がまだないのかなって。パットに関しても同じようなことを言えるので、また次に向けてしっかり練習したいと思う」

 周囲から優勝を期待され、松山自身も常にそこを目指しているだけに、15位タイという結果に満足することはない。しかしながら、昨年はこの大会で途中棄権して、本格化するシーズンへ向けて不安を抱えていたが、今季は年明けから上昇気配をうかがわせ、メジャー大会を含めた今後に、ピークを迎えそうな期待感がある。

「この2週はトップ20を外さなかったし、そういう意味では少しずつ(よくなる)兆しは見えているのかなって思う。昨年も、ここまではいい流れになりそうなところまで来ていて、それを自分で手放してしまった。今季は、この流れをうまく続けられるようにしていきたい。そのためには、次からの試合がすごく大事になってくると思うので、まずは(オフウィークとなる)来週の1週間は大事にしたい」

 今季メジャー第1弾のマスターズ(4月11日~14日/ジョージア州)まで、およそ2カ月。松山がピークまでの階段を、一歩一歩着実に上がっていくことを願うばかりだ。