「昨年、なかなか思うように成績が出ないなかで、今年に入ってスイングを見つめ直したときに『こうしたらいいんじゃないか』と思って(それを)やったら、こうやっていい成績が出たので、すごくホッとしている」 昨シーズンは未勝利に終わって、今シーズ…

「昨年、なかなか思うように成績が出ないなかで、今年に入ってスイングを見つめ直したときに『こうしたらいいんじゃないか』と思って(それを)やったら、こうやっていい成績が出たので、すごくホッとしている」

 昨シーズンは未勝利に終わって、今シーズンもここまで今ひとつ波に乗り切れていなかった松山英樹だが、ファーマーズインシュランスオープン(1月24日~27日/カリフォルニア州)で久しぶりに優勝争いに絡んで、3位タイでフィニッシュした。



ファーマーズインシュランスオープンで3位タイという結果を残した松山。photo by Getty Images

 初日に「66」をマークして好発進を決めた松山は、2日目も同じく「66」で回って通算12アンダー、2位で決勝ラウンドへ駒を進めた。

「(初日からいいスタートが切れた?)はい。よかったと思います。何かが特別によかったわけではないけど、うまく流れに身を任せてできたかな、という感じ。(ティーショットは)フェアウェーにあまりいかなかったけど、そのあとのショットでグリーンをとらえることができたので、そんなに大きなピンチもなく、プレーできたと思います。

(パッティングに関しては)一昨日に『いい感じかな』と思ったところがあって、昨日のプロアマでもそれほど悪くなかったので、『いけるかな』と思っていました。今日は途中、悪くなりそうな感じもあったんですけど、短いパットを外すことがなかったのでよかったと思います。

(2日目も難しいサウスコースで6アンダー。感触は?)よかったです。思った以上のプレーですね。何がよかったか? 何なんですかねぇ~、ショットもパットも特別によかったわけではないですけど、流れよくプレーできた、ということじゃないですか。まあ、ドライバーが初日に比べたらだいぶ安定していたので、そこら辺で楽にプレーできたのかなと思う。

 ここまで、ボギーが1つだけで収まったっていうことで、ゲーム自体がすごく安定している2日間だった。ただ、明日から久々の優勝争い。まだ3日目ですけど、緊張すると思うし、自分がどういうふうになっていくかわからないので、うまく対応できるようなものがあればいいなと思う。

(やっと優勝争いという感じ?)『やっと』という気持ちもすごくありますけど、『今の状態でも優勝争いなんだ』と、そこはちょっと不思議な感じがします。まあ、うまく流れよくプレーできれば、あまり(調子が)よくなくても、こうやって上位で回れるんだなって感じですね」

 迎えた3日目、2番、3番と連続バーディーを奪って、一時はトップのジャスティン・ローズ(イングランド)に肉薄したが、5番でボギーを叩くと、ローズがイーグルを奪った9番でも松山はボギーを叩いて失速。結局3バーディー、4ボギーの「73」と崩れて、首位と7打差の通算11アンダー、6位タイに後退した。

「最初のほうはいいプレーができていたけど、途中からティーショットが乱れて……。後半はフェアウェーに1回しかいかなかった。そういうところで、苦しい展開になってしまったのが残念だなって感じですね。

(久々の優勝争いでも)意外と落ち着いてやれていたけど、(調子が)悪くなっていくにつれて、どんどんどんどんプレーが早くなってしまって。久しぶりの優勝争いなので仕方がないんですけど、もうちょっといいプレーをしたかったな、というのはあります。

(首位のローズについては?)あれだけ(パットが)入ったら、簡単ですよね。ショットも曲げないし、ショートゲームでミスがないので(付け入る隙がない)。1日に3回とか4回もミスしない。ワールドランク1位ですよ。

(そのローズとは7打差)その差は大きいけど、しっかりと一昨日(初日)のようなプレーができればチャンスはあると思う。アイアンショットに関しては、そんなに悪くなっていないので、それを武器にしていいスコアで回れるようにがんばっていきたい」

 最終日は、前日に乱れたティーショットが復調。松山は初日、2日目と同様、安定したプレーを披露した。トップを快走するローズ(通算21アンダー)をとらえることはできなかったものの、6バーディー、1ボギーの「67」をマーク。通算16アンダーまでスコアを伸ばして、3位タイで終えた。

「途中、がんばって『2位になれれば』と思っていたので、そこはちょっと残念ですけど、(最終日のプレーは)よかったと思います。ティーショットが昨日よりはよかったので、フェアウェーから打てる分、チャンスが多かったですね。そのパットを(すべて)決め切ることはできなかったけど、流れを切らさずに最後までプレーできました。

 短いパットを外したりしていたのは、それが今の自分の状態。それでも自分の中では、嫌なパットをしっかり決め切ることができていたりしたので、そこはすごくプラスかな、と。(ゲームへ集中できているのか?)いえ、できてないです。まだ(ショットやパットの状態が)そういうレベルにまでいっていないので。まあでも、そんな状況にあっても、こういうふうにいいプレーができたのはよかった」

 2017年のWGC ブリヂストン招待優勝以来、およそ2年ぶりのトップ3フィニッシュを飾った松山。状態は間違いなく上向きにあって、次戦、過去2度の優勝を誇るウェイストマネジメント・フェニックスオープン(1月31日~2月3日/アリゾナ州)が一気に楽しみになった。

「ティーショットとショートゲームは不安要素だらけなので、(次戦までの)残りの時間で調整したい。それらがうまくいけば、(優勝の)チャンスはあると思うのでがんばりたい」

 松山は昨年、この相性抜群の舞台で左手を痛めて大会を途中棄権した。そこから、彼の歯車はやや狂い始めたが、今年はその”因縁の舞台”で完全復調へのきっかけをつかみたいところ。無論、期待するのは2年ぶり3度目の優勝である。