6月6日、関西学院大学中央芝生に於いて第31回総合関関戦団結式が行われた。体育会42部が集い、きたる関関戦へ向け思いを一つに、勝利を誓った。 伝統の関西決戦まで残すところ2週間。体育会員の胸の高まりとともに、上ヶ原は徐々にその空気をまとい…

 6月6日、関西学院大学中央芝生に於いて第31回総合関関戦団結式が行われた。体育会42部が集い、きたる関関戦へ向け思いを一つに、勝利を誓った。
 伝統の関西決戦まで残すところ2週間。体育会員の胸の高まりとともに、上ヶ原は徐々にその空気をまとい始めた。いたる所に貼られたポスター。一面真っ黒に飾られたその真ん中に金色の文字が光る。克己ー。
 その戦いを直前に控え、井上俊平体育会学生本部長(文4)が思いを口にした。
―本戦まで2週間をきりました。今の心境を。井上)正直なところ…関関戦の意義というものを深く考えるこの頃だ。ただ伝統という名の下に開催されているのでは意味がないし、変わるべきときが来たのかもしれない。
 意外な答え。期待や不安といった安直な台詞はそこにない。井上が口にしたのは関関戦の〝真意〟への問いだった。
ーでは関関戦とは一体…井上)関学体育会を一つにする機会、そして関学の名を世間に広く知らしめるチャンスでありイベントなのは確か。けれども、言ったとおりただの伝統では無意味。その開催の意味を確認しているところなんだ。
ーその答えはいつ出ると?井上)近づけば近づくほど本当に考えさせられる。結論には時間がかかるかも。ただ一つ言えることは、この関関戦が、体育会が変わる契機にならなければならないということだ。
 模索の道を歩む本部長。連日続く様々な行事に足を運び、トップとしての体裁も一切崩さない。多忙、それ故に表情に疲労の影を落とす場面は少なくないが、井上自身の〝真意〟は読み取れる。体育会を変えたい。
ー今日の団結式を振り返っていただいて。井上)多くの人が集まって、そこから生まれる大きなパワーは感じ取れた。関学体育会の力というか。
 けれども体育会員が校歌を歌っていないという現状もはっきりとした。それはあるべきではない。また式そのものも形式的なものだった気がする。集まるだけなら他の機会があるんだし。
 この団結式にしろ関関戦にしろ…結局は人がやるもの。だからコピーのままだと段々と劣化していくんだよ。伝統は守るべきもの、それは確かだ。でも塗り替えてこそ伝統じゃないかな。
 長き歴史、築かれた伝統に新たなる境地を開こうと必死。それが井上俊平のスタイル。本部長として体育会史にその名は刻まれる。だがその時に何をしたか、何が残されたのかは語り継がれなければまず記録されることはない。関関戦は知っていても、いつ誰が発起したかは多く知られていない。任期は半年が過ぎた。残された行事も数えるほど。彼が歩む道の後ろに残るのは一体。。。

取材:6月6日/体育会学生本部にて