テニスにおいて試合に勝利するためには相手のサービスゲームを破ることが重要だが、裏を返せば自分のサービスゲームを徹底的にキープすることも重要である。今回はATP(男子プロテニス協会)が公開している過去52週、つまり2018年シーズンのサービス…

テニスにおいて試合に勝利するためには相手のサービスゲームを破ることが重要だが、裏を返せば自分のサービスゲームを徹底的にキープすることも重要である。今回はATP(男子プロテニス協会)が公開している過去52週、つまり2018年シーズンのサービスゲーム取得率ランキングのトップ5を紹介する。

1位:ジョン・イズナー(アメリカ) 93.6%

年末ランキング10位、そしてマスターズ1000初優勝と、33歳にしてキャリア最高のシーズンを過ごしたイズナーが堂々の第1位。2018年シーズンは1,213本のサービスエースを記録。1試合平均では22.5本と対戦相手にとって大きな脅威だった。また2018年シーズンは56試合で、73回と多くの試合でタイブレークになったが、39勝34敗と勝負所でも勝ち越した。

2位:イボ・カルロビッチ(クロアチア) 93.2%

39歳にしてシングルスで戦い続けるカルロビッチは、昨年よりもATPワールドツアーレベルでの試合数が減少したが、それでも11勝16敗、世界101位で2018年シーズンを終えた。この年齢になっても活躍できるのは、やはりビッグサーブのおかげだろう。ファーストサーブでのポイント獲得率は84.1%、1試合平均のサービスエースは22.7本といずれもイズナーを上回った。

3位:ロジャー・フェデラー(スイス) 91.1%

37歳になるシーズンながら、「全豪オープン」優勝のほか世界3位という驚異の成績で終えたフェデラー。2017年の91.3%と同水準の91.1%のサービスゲーム取得率を誇った。フェデラーのサーブは、前の2人に比べると速さはないためエースの本数は少なくなるが、状況によって的確にコースを使い分けるため取りにくい。1試合におけるダブルフォルトの平均が1.9本と少ないのもその正確性を示している。

4位:ミロシュ・ラオニッチ(カナダ) 90.8%

怪我からの復活をかけた2018年、2月には40位まで落ちたものの18位まで戻してシーズンを終えたラオニッチが4位にランクイン。サーブも順調で、2017年よりもサービスゲーム取得率を0.6%アップさせた。2019年は怪我なく戦い抜き、2017年8月以来となるトップ10復帰が期待される。

5位:ニック・キリオス(オーストラリア) 90.0%

2018年シーズンもマナー違反、無気力試合などプレー以外の面でテニス界を騒がせたキリオス。9割という安定したサービスゲーム取得率を記録しつつも、ランキングは1月末の14位からシーズン終了時には35位まで落ち、オーストラリア男子1位の座を19歳の新鋭アレックス・デミノー(オーストラリア)に譲ることになった。このオフシーズンには心理カウンセリングを受診しており、2019年シーズンに期待がかかる。

■終わりに

世界ランキングでのトップ5からは、フェデラーのみのランクインとなった。また、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)はサービスゲーム取得率87.2%で9位、ラファエル・ナダル(スペイン)は86.4%で12位、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は82.9%で24位、フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)は87.6%で7位となっている。

ちなみに日本男子のエース錦織圭(日本/日清食品)は、81.4%で37位となっている。強力なサーブだけではトップを取ることはできないが、ある程度安定してサービスゲームをキープしないと、好成績を収めることができないのは明らかだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP250 アトランタ」でのイズナー

(Photo by Kevin C. Cox/Getty Images)