いよいよ15日に全国高校野球選手権大阪大会の初戦を迎えるPL学園。対するは強豪・東大阪大柏原だ。今夏限りでの休部が決まっている名門は、これまで高校野球界において数々の栄光を掴んできた。今回はその黄金時代と言える1978年~1987年を振り返…

いよいよ15日に全国高校野球選手権大阪大会の初戦を迎えるPL学園。対するは強豪・東大阪大柏原だ。今夏限りでの休部が決まっている名門は、これまで高校野球界において数々の栄光を掴んできた。今回はその黄金時代と言える1978年~1987年を振り返ってみたい。

■15日に大阪大会の初戦を迎えるPL学園

 いよいよ15日に全国高校野球選手権大阪大会の初戦を迎えるPL学園。対するは強豪・東大阪大柏原だ。今夏限りでの休部が決まっている名門は、これまで高校野球界において数々の栄光を掴んできた。今回はその黄金時代と言える1978年~1987年を振り返ってみたい。

 1978年夏の甲子園では、準決勝まで勝ち進んだ中京(現・中京大中京)と対戦。9回表が終わった時点で4点ビハインドだったが、その裏に追いつき、試合は延長戦へと突入した。そして12回裏にサヨナラ勝ちを決め、決勝進出。迎えた決勝戦では、高知商と対戦。こちらも9回まで2点ビハインド。しかし9回裏の攻撃で3点を返しサヨナラ勝ちを決め、逆転で甲子園初優勝を決めた。「逆転のPL」と印象付けた大会であった。

 この代は、エースでその後は巧打者として活躍した西田真二選手、日本ハム時代の1992年にキャリア最多の14勝を挙げた金石昭人投手、西田選手とバッテリーを組み、その後は阪神の正捕手として活躍した木戸克彦選手がいる。

 また1979年にはセンバツベスト4。この時は、長くカープの4番打者として活躍した小早川毅彦選手、捕手としてNPB5球団を渡り歩いた山中潔選手。1981年には天才打者と呼ばれ、巨人で長く活躍した吉村禎章選手、ダイエーで代打として活躍した若井基安選手、南海ホークスで活躍したエースの西川佳明選手の活躍により初の選抜優勝を果たし、1982年には、好投手・榎田健一郎と森浩之のバッテリーで、2年連続の選抜優勝を果たす。

■KKコンビが刻んだ偉業

 そして1983年は桑田真澄選手と清原和博選手が登場。桑田選手は夏の甲子園準決勝で、当時、夏春2連覇中の池田を完封。さらに本塁打を放ち、多大な注目を浴びるようになった。そして清原選手は、決勝戦の横浜商戦で本塁打を放ち、優勝に貢献した。ここから「KKコンビ」の伝説が始まる。

 1984年選抜は準優勝、1984年夏も準優勝、1985年選抜はベスト4と甲子園に当たり前のように出場し、常に優勝争いを繰り広げてきた。しかし1年夏に優勝した2人にとって、甲子園優勝を逃してきたことは、歯がゆいものであった。そして1985年夏は決勝まで勝ち進み、清原選手が大会新記録となる5本塁打。5本目を打った時、当時のABCアナウンサーの植草貞夫氏が発した「甲子園は清原のためにあるのか!!」は今でも名言として語り継がれている。

 こうして2年ぶりとなる甲子園優勝を果たしたKKコンビ。その秋のドラフトで、清原選手は巨人または阪神指名を熱望していたが、なんと巨人が指名したのは桑田選手であった。清原選手は6球団の競合の末、西武から指名。巨人から指名がなかったことに号泣した姿するシーンも歴史に刻まれ、何度もこのドラフトをめぐっての特集が組まれるほど印象深いエピソードとなった。

 その2年後の1987年、立浪和義選手、橋本清選手など好選手を揃え、KKコンビが成し遂げられなかった春夏連覇を達成した。PL学園の長い歴史を見て、1978年~1987年はまさに黄金の10年だっただろう。この時はどんなOBがいたのかを以下に紹介していきたい。

■1978年~1987年に在籍した主な選手たち

 改めて見ると錚々たる顔ぶれである。なんと2000本安打を達成したのが清原選手、立浪選手、宮本選手の3名。だからこそ今でもPL学園ファンが多いのだろう。

▽1979年卒
西田真二(法政大-元広島東洋カープ)
木戸克彦(法政大-元阪神タイガース)
金石昭人(広島東洋カープ-日本ハムファイターズ-元読売ジャイアンツ)

▽1980年卒
小早川毅彦(法政大-広島東洋カープ-元ヤクルトスワローズ)
山中潔(広島東洋カープ-福岡ダイエーホークス-中日ドラゴンズ-日本ハムファイターズ-元千葉ロッテマリーンズ)

▽1982年卒
吉村禎章(読売ジャイアンツ)
若井基安(法政大-日本石油-元南海ホークス・福岡ダイエーホークス)
西川佳明(法政大-南海ホークス・福岡ダイエーホークス-元阪神タイガース)

▽1983年卒
榎田健一郎(元阪急ブレーブス)
森浩之(東洋大-元南海ホークス・福岡ダイエーホークス)

▽1986年卒
清原和博(西武ライオンズ-読売ジャイアンツ-元オリックス・バファローズ)
桑田真澄(読売ジャイアンツ-元パイレーツ)
松山秀明(青山学院大-オリックス・ブレーブス-元オリックス・ブルーウェーブ)

▽1988年卒
立浪和義(元中日ドラゴンズ)
野村弘樹(元横浜大洋ホエールズ・横浜ベイスターズ)
橋本清(読売ジャイアンツ-元福岡ダイエーホークス)
片岡篤史(同志社大-日本ハムファイターズ-元阪神タイガース)

▽1989年卒
宮本慎也(同志社大-プリンスホテル-元ヤクルトスワローズ・東京ヤクルトスワローズ)

多くの歴史を築いてきたPL学園の最後の夏に注目が集まる。

(記事提供:高校野球ドットコム)