2018年シーズンに「全米オープン」で見事にタイトルを獲得したほか、人気も博して多大な注目を集めた大坂なおみ(日本/日清食品)。コーチのサーシャ・バジンも「WTAコーチ・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、高い評価を受けるなど華々しく取り上げられた…

2018年シーズンに「全米オープン」で見事にタイトルを獲得したほか、人気も博して多大な注目を集めた大坂なおみ(日本/日清食品)。コーチのサーシャ・バジンも「WTAコーチ・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、高い評価を受けるなど華々しく取り上げられた。

ただ、WTAツアーでプロに帯同して選手の指導にあたるコーチもさまざまな課題を乗り越えなければならず、安易な仕事とはほど遠そうだ。米テレビ局のESPNが実態の一部を伝えている。

現在世界2位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)は、世界21位にまでランキングが低下していた2017年11月にウィム・フィセッテをコーチに迎え、2018年シーズンには「シドニー国際」と「ウィンブルドン」で優勝。パフォーマンスの底上げも実現した。

しかし、同コーチは今シーズンの10月には退任。就任から1年弱での関係解消となり、選手との関係いかんでコーチの立場を退かなければならず、安穏としてはいられなさそうだ。

またマスコミもコーチにとって気になるポイントの一つの様子。ESPNも報道で触れるように大坂なおみのコーチであるバジンが「彼女は多くの記者会見で、僕の裏を掻いた」と語ったこともあったという。

バジンコーチが大坂に調子を尋ねると「いいわ、いいわよ」と答えることが多く、一方で記者会見で実際には遙かに詳しく話すこともあるという。

ただ、バジンコーチが大坂とのやり取りについてコメントしている一方で、選手によってはバジンコーチのようにコメントするのを嫌がることもあるという。マスコミに登場したが故に選手との間に緊張が生まれてしまうケースもあるという。

ほかにも、ツアーコーチが直面する課題はある。最近では、元選手も数多くコーチを始めるなど、競争も過当気味だという。今年には「ウィンブルドン」での優勝経験のあるマリオン・バルトリ(フランス)がコーチとしての活動を開始して話題になっており、競争相手にはこと欠きそうにもない。

さらには最近では、さまざまな意見がSNSを通じて明らかになることから、選手らが直接触れる機会も増え、影響を受ける可能性もあるという。実際、大坂もSNSへの投稿を目にしていることを明かしたこともあり、現在ならではの無視できない存在となっている。

コーチは選手の周りにある全てのことを考えながら導く必要があり、コーチを取り巻く状況も大変なようだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「東レ パン・パシフィック・オープン」での大坂なおみとバジンコーチ

(Photo by Koji Watanabe/Getty Images)