かつて、テニス選手の名前が付いたルールがあった。それはおなじみの松岡修造さんにちなんだ「シューゾー・マツオカルール」だ。このルールが生まれたのは1995年にまで遡る。きっかけはその年の「全米オープン」男子シングルス1回戦で、松岡さんがペトル…

かつて、テニス選手の名前が付いたルールがあった。それはおなじみの松岡修造さんにちなんだ「シューゾー・マツオカルール」だ。

このルールが生まれたのは1995年にまで遡る。きっかけはその年の「全米オープン」男子シングルス1回戦で、松岡さんがペトル・コルダ(チェコ)と戦ったときだ。

この試合、松岡さんは3セット連続のタイブレークという接戦のなか、セットカウント2-1でリード。第4セットのゲームカウント5-6で迎えた第12ゲームで事件は起きた。

松岡さんがフォアハンドのウィナーを放った直後、コートに倒れ込み動けなくなったのだ。原因は痙攣。当時のことを松岡さんはWOWOWの週刊テニスNAVI内で「全身痙攣になりそうだった」と話している。

しかし痙攣でのメディカル・タイム・アウトは認められておらず、審判は松岡さんに近寄ったトレーナーを「触ってはダメだ」と下がらせた。

そしてルール通り遅延行為のペナルティが課され、そのまま2分間プレーが出来ずに松岡さんは無念の棄権となった。

この試合がきっかけで、試合中の痙攣治療が認められるようになり、きっかけとなった松岡さんの名前にちなんで「シューゾー・マツオカルール」と呼ばれるようになったのだ。

しかしこのルールを悪用し、痙攣していないのにメディカル・タイム・アウトを取って休憩する選手が多数現れたため、「シューゾー・マツオカルール」は、2010年に廃止されている。

(テニスデイリー編集部)

※写真は現役時代である1996年の松岡修造さん

(Photo by Gary M.Prior/Allsport/Getty Images)