2018年、惜しまれつつ現役生活に幕を閉じた選手たち。そのなかには、2002年にシングルス世界ランキング2位を記録したトミー・ハース(ドイツ)や、錦織圭(日本/日清食品)と同じIMGアカデミーを拠点とし錦織にも尊敬されるダブルス元世界1位マ…
2018年、惜しまれつつ現役生活に幕を閉じた選手たち。そのなかには、2002年にシングルス世界ランキング2位を記録したトミー・ハース(ドイツ)や、錦織圭(日本/日清食品)と同じIMGアカデミーを拠点とし錦織にも尊敬されるダブルス元世界1位マックス・ミルヌイ(ベラルーシ)らがいる。
そんな引退選手たちに敬意を表しつつ、その生涯成績やエピソードを振り返ってゆきたい。
2018年シーズン限りで現役を引退した、主な選手は以下の通り。
男子選手
■トミー・ハース(ドイツ)40歳。
最高世界ランク:シングルス2位(2002年)、優勝15回、通算成績:569勝338敗
■マックス・ミルヌイ(ベラルーシ)41歳。
最高世界ランク:ダブルス1位(2003年)、優勝52回、通算成績:780勝445敗
■ミカエル・ユーズニー(ロシア)36歳。
最高世界ランク:シングルス8位(2008年)、優勝10回、通算成績:499勝416敗
■ダニエル・ネスター(カナダ)46歳。
最高世界ランク:ダブルス1位(2002年)、優勝91回、通算成績:1062勝488敗
■サム・グロス(オーストラリア)31歳。
最高世界ランク:ダブルス24位(2015年)、優勝2回、通算成績:69勝59敗
女子選手
■アグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)29歳。
最高世界ランク:シングルス2位(2012年)、優勝20回、通算成績:594勝269敗
■アレクサンドラ・ウォズニアク(カナダ)31歳。
最高世界ランク:シングルス21位(2009年)、優勝1回、通算成績:363勝246敗
■江口実沙(日本/橋本総業ホールディングス)26歳。
最高世界ランク:シングルス109位(2016年)、通算成績:235勝208敗
■ケーシー・デラクア(オーストラリア)33歳。
最高世界ランク:ダブルス3位(2016年)、優勝7回、通算成績:342勝184敗
■ボヤナ・ヨバノフスキー(セルビア)26歳。
最高世界ランク:シングルス32位(2014年)、優勝2回、通算成績:268勝211敗
◇ ◇ ◇
◆元世界2位の強豪、トミー・ハース。
ハースは、2002年にシングルス世界2位を記録した強豪。シングルスの通算成績は569勝338敗、ツアーで最後に勝利したのはロジャー・フェデラー(スイス)を破った、2017年6月の「メルセデス・カップ」だった。
フェデラーとの関係で言うと、ハースは引退後「私のウィンブルドンでの一番の良い思い出は、ロジャー・フェデラーと対戦したことです」と語ったと「Tennis World USA」で報じられている。
そんなハースは、今年トーナメントディレクターを務めた「ATP1000 インディアンウェルズ」でフェデラーと仲の良い2ショットを見せ、同大会で正式に引退を発表した。
なお、ハースは錦織と同じIMGアカデミーを拠点とする選手として古くからの交流があることで知られ、錦織はジュニア時代から非常に負けず嫌いとして知られる彼と接することで、プロの厳しさを教えられたとも言われる。
◆元ダブルス世界1位マックス・ミルヌイに、錦織も感謝。
2003年にダブルス世界1位を記録したミルヌイ。196cmの大きな身体や、恐れを知らないプレースタイルから「ビースト」というニックネームで呼ばれている。そのキャリアにおいて男子ダブルスで52個、男子シングルスで1個のタイトルを獲得した。
こちらも同じIMGアカデミーであるミルヌイが引退を発表した際、錦織は自身のtwitterにコメントを投稿。「彼は僕がアカデミーの若手選手だった頃、たくさん一緒に練習させてくれました」「究極のプロ!いつもマックスがアドバイスをくれたことに、とても感謝しています」と想いをつづっていた。
なお、2011、2012年「全仏オープン」ダブルス連覇した際のパートナー、ネスターも同じく今年引退。ネスターは46歳での引退で、ダブルス通算勝数は1062勝。
◆元世界8位ユーズニー「大佐」も花道飾る。
坊主頭や勝利後ファンに向けて行う敬礼、そしてその熱い闘志から「大佐」のニックネームで呼ばれるユーズニーも、今シーズンにキャリアを終えた。
2008年マイアミでのマスターズ大会では、重要な場面でロングラリーに競り負けると、悔しさのあまり自分の頭をラケットでガンガン叩き、頭から血を流したというエピソードもある。
そんなユーズニーの引退時には、フェデラーも自身のTwitterで「ミカエルをリスペクトします。素晴らしいキャリアです」と賛辞を贈った。
◆女子は元世界2位ラドバンスカや、日本の江口実沙も引退。
女子は、元シングルス世界ランク2位のラドバンスカや、元ダブルス世界3位のデラクアらが引退。日本人選手では2014年に日本テニス選手権シングルスのタイトルを獲得した江口も。
江口は、自身のブログを更新し引退を報告。「今日まで私のことを応援してくださり本当にありがとうございました。おかげさまで悔いなく、楽しく笑って引退することができました。これからも私らしく、毎日楽しく過ごして行きます」とつづっている。
惜しまれつつも引退を決め、素晴らしい現役生活を終えた選手たちへ心から拍手を送りたい。
(テニスデイリー編集部)
※写真は左からマックス・ミルヌイ(Photo by Elsa/Getty Images)、トミー・ハース(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)、ミカエル・ユーズニー(Photo by Manuel Queimadelos Alonso/Getty Images)、ダニエル・ネスター(Steve Russell/Toronto Star via Getty Images)