接戦をモノにした。大学選手権準々決勝の相手はリーグ戦1位の東海大。ラインアウトモールを強みとしている強豪だ。試合は前半に12―3とリードを奪う展開も、後半に2トライを取られ15―15の同点に。しかし、試合終了間際のPG(ペナルティーゴール…

 接戦をモノにした。大学選手権準々決勝の相手はリーグ戦1位の東海大。ラインアウトモールを強みとしている強豪だ。試合は前半に12―3とリードを奪う展開も、後半に2トライを取られ15―15の同点に。しかし、試合終了間際のPG(ペナルティーゴール)で勝ち越しに成功し18―15でノーサイド。2年連続の正月越えを達成してみせた。

◆12・22 全国大学選手権(キンチョウスタジアム)

▼対東海大戦

 ◯明治18{12―3、6―12}15東海大

 試合終了間際に激しく攻め立てた。後半29分、東海大の強みとするラインアウトモールでのトライを許し15―15の同点に追いつかれてしまう。しかし「必ず取れるという意識は変わらなかった」(ナンバー8坂和樹・政経3=明大中野八王子)。直後のキックオフから敵陣でのプレーを継続。FWのピックアンドゴーやBKの連続攻撃でペナルティーをもぎ取った。その後、フルバック山沢京平(政経2=深谷)がPGを冷静に決め勝ち越しに成功。最終的に18―15で試合終了となった。

 復帰初戦の男が躍動した。早稲田戦、立命大戦と2試合でメンバーから外れていた山沢が勝利の立役者となった。前半33分には相手キックを受けるとすぐさまカウンターに転じ、右ウイング山﨑洋之(法3=筑紫)のトライをお膳立て。一方でキックも功を奏した。杉山祐太(東海大)ら高いキック力を誇る相手BKとの蹴り合いにも押し負けず。「キックを主体に優位に立てた」(坂)とFW選手も太鼓判を押した。「序盤から明治らしいプレーをできるように」(山沢)。次戦もぶれずに挑む。

 リベンジの時を迎える。同時刻に秩父宮で行われていた早慶戦は早稲田が制し、1月2日の準決勝は明早戦の開催が決まった。「負けられない気持ちは強い」(スクラムハーフ福田健太主将・法4=茗溪学園)。再び聖地を紫紺で染め上げ、次こそ赤黒を食らってみせる。

[清水康佑]

試合後のコメント

福田健

――本日の試合の振り返りをお願いします。

 「トーナメントで負けたら終わりの試合だったので勝てたことには満足しています。ただ、内容が80分間自分たちの満足いくものだったかというと、まだいらない失点や反則があったなと思います。そういった部分をこれからチーム全員でやっていきたいと思います」

――準決勝では早稲田との対戦が決まりました。

 「正月に秩父宮という舞台で試合ができるし、周りのファンの方も注目しているカードだと思います。特別な意識を持ちすぎると駄目だと思いますけど、負けられない気持ちは強いです」

左ロック片倉康瑛(法2=明大中野)

――東海大への対策はありましたか。

 「FWは相手のモールに対して〝クラッシュ〟をテーマに掲げて挑みました。ラインアウトの部分はそんなに難しい対策はしてはいなかったです。ただ、モールでのトライを1本取られてしまったので完璧ではなかったと思います」

――ハーフタイム後の変化はありましたか。

 「FWとしてスクラムで優位に立ちたいという話をしました。パニックにならずにゴール前のFWの部分で最後に取り切ることができました。強みのスクラムだけでなくブレークダウンなど他の部分でもFWの強みを出すことができたことが収穫です。個人としては後半でラインに参加して前に出てチームに良い影響を与えられたと思います」

山沢

――前半、カウンターで相手を抜くプレーがありました。

 「コースが見えたというよりも相手のミスキックに対してスピードを上げた時にいけると思いました。東海大はキックを蹴れる人が左右にいたので、負けられないという気持ちはありました」