アンディ・マレー(イギリス)が2度目のウィンブルドン、3度目のグランドスラム・タイトルを獲ったことには多くの理由がある。例えば決勝でミロシュ・ラオニッチ(カナダ)のビッグサービスを返したリターン能力もそのひとつ。 それから、コートをカバ…

 アンディ・マレー(イギリス)が2度目のウィンブルドン、3度目のグランドスラム・タイトルを獲ったことには多くの理由がある。例えば決勝でミロシュ・ラオニッチ(カナダ)のビッグサービスを返したリターン能力もそのひとつ。

 それから、コートをカバーする並外れた能力。ラオニッチがネットにつめてきたときの沈むパッシングショット。あらゆるアングルからクリーンヒットされるストローク。彼は日曜日に6-4 7-6(3) 7-6(2)でラオニッチに勝利する過程で、アンフォーストエラーをわずか12本に抑え、おかげでグランドスラム大会決勝での連敗に、圧倒的な形で終止符を打つことができた。

 そして皮肉屋たちは、グランドスラム大会のタイトルがかかった決勝で、ついにノバク・ジョコビッチ(セルビア)とロジャー・フェデラー(スイス)以外の誰かと対戦することができた運のよさも指摘するかもしれない。

 アンディの母で、元フェドカップ・イギリス代表キャプテンのジュディは、もうひとつの点----ともすると見た目上はそう明白ではない、彼の成功の理由を次のように話した。

 「アンディはベストのテニスをしていないときでも、勝つ方法を見つけるのがうまいのよ。試合を読むことに長けているの」

 彼女はセンターコートで試合を観戦したあと、祝賀会に参加して、休憩時間に我々にこう話した。

 「それから、あの子はとても競争心が強いの。すごく負けず嫌いなのよ」

 この競争心の逸話は、何年も昔に遡る。  「アンディは完璧主義者で常に勝ちたいと思っていたから、若い選手だった頃はすごく感情の起伏が激しかった。すごくカッカしやすかったわ」

 ジュディはこう言ってから、10代のときにスペインのテニスアカデミーで過ごした時間が、その激しすぎる気性を抑制するのに役立ったと説明した。

 「あの気性は彼という人間の一部なのね。誰も変えたいとは思わないわ」と彼女は言い添えた。「ただ、その激情をコントロールする方法を学ばなければならないのよ」。

 これが母ジュディが語った息子アンディだ。(C)AP