「ウィンブルドン」が終わって、まだ気になることがある。 ◇ジョコビッチは無敵ではなかった! ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は無敵だ! という見解は、これで打ち切りとしよう。グランドスラム大会で30試合に勝ち続け、連…

 「ウィンブルドン」が終わって、まだ気になることがある。 ◇ジョコビッチは無敵ではなかった!

 ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は無敵だ! という見解は、これで打ち切りとしよう。グランドスラム大会で30試合に勝ち続け、連続で4つのグランドスラム・タイトルを獲った男は、大会開始時には世界41位で一度もグランドスラムの4回戦を超えたことのなかったサム・クエリー(アメリカ)に3回戦で負けたその試合の大部分で元気がないように見えた。ジョコビッチはどのようにして立ち直るのだろうか? ◇フェデラーのステータス

 ロジャー・フェデラー(スイス)が17度のグランドスラム・タイトルを獲った2012年以来、人々はいつ彼がグランドスラム大会の優勝候補と見なされなくなるのか、推測を巡らせ続けてきた。

 フェデラーが2014年のウィンブルドンと、2015年のウィンブルドンと全米オープンで準優勝したため、人々はその答えを待ち続けなければならなくなっている。

 8月8日にフェデラーは35歳になる。ウィンブルドンの準々決勝でマリン・チリッチ(クロアチア)に対して素晴らしい逆転勝利を遂げた一方で、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)に敗れた試合はかなり脆く見え、我々はいまだ第5セットの転倒で彼がどれほどひどい故障を負ったのか、負っていないのか、わからないでいる。

◇いつものセレナに戻ったセレナ

 一時どこかに去っていたわけではなかったが、22度目のグランドスラム・タイトルをつかんだことによって、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は再起とでも呼びたくなる何かをやってのけたみたいだ。そのサービスは並外れていたし、彼女のテニスのほかの部分も、かなりすぐれていたと言える。昨年の全米オープンの準決勝、今年の全豪オープンと全仏オープンの決勝で敗れたあと、彼女はふたたびトロフィを掲げて2週間を終えたのだった。セレナがやっといつものセレナに戻ったみたいだ。 ◇若手はどこへ?

 ウィンブルドン準決勝に進出した8人の男女のうち、もっとも若いのは25歳のラオニッチだった。次の世代は本当に政権を取ろうと迫っているのだろうか?復活した36歳のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)を含めた女子のベスト4の平均年齢は31歳と9ヵ月----これは半世紀前に始まったオープン化以降の歴史でも、もっとも年齢が高いものとなった。 ◇アメリカ人男子が少し活躍

 アメリカ人男子がグランドスラム大会で、何がしかやってのけたのは久しぶりのことだ。4人が3回戦に進み、2人が2週目まで勝ち残った。ビッグサービスを武器とするカリフォルニア出身の28歳、クエリーは、ジョコビッチを倒しただけでなく、初めてのグランドスラム準々決勝進出も果たした。アメリカ人男子がグランドスラム大会の準々決勝に進出したのは、2011年全米オープンでのアンディ・ロディック、ジョン・イズナー以来のことだ。(C)AP