12月9日に豊南高等学校にてソフトテニス講習会が開催された。講師として早大軟式庭球部監督の小野寺監督(平元教卒=東京・巣鴨学園)、選手として船水颯人(スポ4=宮城・東北)、上松俊貴(スポ2=岡山理大付)が招かれ、指導を行った。また、早大か…

 12月9日に豊南高等学校にてソフトテニス講習会が開催された。講師として早大軟式庭球部監督の小野寺監督(平元教卒=東京・巣鴨学園)、選手として船水颯人(スポ4=宮城・東北)、上松俊貴(スポ2=岡山理大付)が招かれ、指導を行った。また、早大から川村虎大主務(スポ3=茨城・土浦第一)、宇野 敬也(教1=埼玉・川越東)、大久保拓郎(スポ1=兵庫・淳心学院)、高倉和毅(社1=東京・早実)、新沼舜太(スポ1=宮城・東北)の5人もサポートメンバーとして支援。寒空の中、多くの参加者が熱心に指導を受ける様子が見られた。


生徒ひとりひとりの質問に答える船水

 講習会の流れとしては講師、選手からの技術説明が終了後、4チームに分かれて、参加者が実践し、講師、選手からアドバイスをもらうというものである。ストローク練習では日本一の後衛である船水の強烈なストロークに驚く参加者もいた。正面でのボレー指導の際には「軸足を設定し、足の長いボレーを意識する」(小野寺監督)、「球を運ぶように、力を入れすぎず優しく返すイメージで」(上松)など実際のプレー姿を添えて指導を行う。スマッシュ指導ではボールの落下地点に余裕をもって入れるようにボールをヘディングする練習など基礎的な部分から実際にスマッシュを打つまでの練習の一連の流れを懇切丁寧に説明。生徒たちが実践してみると意外と苦戦している様子が見られた。最後にトップ選手たちが実際に試合を行い、間近で日本一のプレーを目の当たりにする機会が設けられた。


実際にお手本を見せる上松

 あっという間に講習会は終わり、その後、選手たちは写真撮影やサインに応じて参加者たちと交流。今講習会についてそれぞれ伺うと、「基礎をしっかりやって個性を生かしていくというのが大切。」(小野寺監督)、「自分の中でも教えることはプラスになって学ぶこともある。」(上松)、「自分の中でテニスの軸というのを確立させるのがとても大切。」(船水)と答えてくれた。日本トップのソフトテニスプレイヤーである早大の選手たちは大会だけではなく今後のソフトテニス発展のために尽力した。彼らの指導を受けた生徒たちが、今後大きく成長し日本のトップ選手になるかもしれない。

(記事、写真 山浦菜緒)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

コメント

小野寺監督(平元教卒=東京・巣鴨学園)

――講習会のようなイベントは何度か開催されているのでしょうか

 所沢市内の中学生向けに毎年開催してるものがありますね。今回のようなものは初めてです。マスダクラブがやっているものもありますし、やらなきゃいけないとは思ってたのですが、なかなか時間がなくて。早稲田大学のOB・OGなどの力を借りて、少しでも協力できたらなと思ってますので、(主催者の)中村くんを中心にこのような機会を(今後も)設けたいと思います。

――実際の生徒の反応はどうでしたか

 僕なんかは監督なので、それよりも日本トップの船水くんとか上松くんからいい刺激を生徒に与えることが出来たんじゃないかなと思います。喜んでもらえたとは思っています。

――小野寺監督も実際に動いて指導なさってました

 講習会ではこれくらいはやるんですけど、ちょっと頑張りすぎました(笑)

――今回の講習会の一番のポイントは

 私としては、船水選手も上松選手もすごく上手いんですけど、基礎が大事で。ほかの講習会でも変わった取り組みをしてるんですかと聞かれるんですけど、日本連盟としてもそうですし、基礎をしっかりやって個性を生かしていくというのが大切です。今回は初心者、中級向けということだったので基礎をしっかりやりました。

――強い選手を目指す生徒さんへのメッセージをお願いします

 テニスの技術だけはだめなのでやっぱりお勉強とかマナーを含めて人間的に成長できるような取り組みの中で、ソフトテニスをやっていただければと思います。当然うちの軟式庭球部もテニスとその両面で頑張っていますので、そのようにやっていただければと思っています。

上松俊貴(スポ2=岡山理大付)

――このような取り組み(講習会)についていかがですか

 ソフトテニスの発展とか中高生に中学校、高校で勝ってもらうのもそうですけど、卒業してからソフトテニスを続けてもらうための講習会なので、今は技術的なことよりも、スポーツの楽しさをわかってもらうためのが一番だと思っています。2020年に東京オリンピックか開催されて、ソフトテニス自体は競技じゃないんですけど、スポーツ界を盛り上げる1つだと思って取り組むことが、各競技でのトップアスリートがやるべきことだと考えています。アジア競技大会が終わっていろんな人に応援してもらったので、時間をかけて恩返ししていきたいです。

――教える側として大変だったことはありますか

 初めての会う方ばかりだったのでコミュニケーションをとるのが難しいんですけど、短期間での指導なので相手にわかりやすく言葉の選びも気を付けて教えました。興味をもってもらうため1つ1つの取り組みでいろいろ気は使ってました。大学生なので指導に回ることは数少ないんですけどこういうオフの時期に取り組んで、指導する知恵とか自分の中でも教えることはプラスになって学ぶこともあります。それを部内でも伝達していければと思っています。

――今日の一番のポイントは

 前衛なのでボレーをメインに教えたのですが、ポイントを決めることの楽しさを伝えたくて。より的確にポイントを決めるためのボールタッチとか簡単なことように見えて難しいことが伝わったと思います。今日学んだことを踏まえて、(生徒たちは)これから取り組めるとおもうんですけど、将来、僕が教えた人がナショナルチームとか同じチームで切磋琢磨出来れば面白いと思います。

船水颯人(スポ4=宮城・東北)

――このような取り組み(講習会)についていかがですか

 地方ではよく講習会やっているので、慣れてないわけじゃなくていつも通りだったんですけど、今回は初めて都心で(講習会を)行って、みんな積極的に質問してくれたんでやりやすかったです。

――生徒の反応はいかがでしたか

 今は動画でトップの選手の試合とか見れるんですけど、なかなか試合を直接見に行っても、こんなに近くで見ることはないと思いますし、皆各自それぞれ上達したいという気持ちで参加してくれたと思いますのでそのヒントを与えられたかなと思います。

――今回の一番のポイントは

 常々どこの講習会いっても言ってるんですけど教えてもらうことも大事ですが、結局自分の考えを持たなきゃいけないと考えています。自分の見える部分であるフォームとかグリップの持ち方とか人から言われて修正出来るんですけど、見えない部分であるリズムとかタイミングとかは自分しかわからないことなので中身の部分を大切にしましょうということで今日は進めていきました。

――将来の生徒さんたちへのメッセージ

 人から教えてもらうことももちろん大事ですが、自分の中でテニスの軸というのを確立させるのがとても大切です。ある程度上達したなって思ったときに必ず躓(つまづ)くので、粘り強く折れないために精神的にも強くいかなきゃいけないです。逃げないことが一番大切だと思いますね。