4年ぶりの日本一に向けて、最初の一歩を踏み出した。6日間にわたって熱い戦いが繰り広げられ、1年間の締めくくりとなる全日本大学選手権(インカレ)が開幕した。大会1日目のこの日は、仙台大と対戦に挑んだ。早大は関東大学リーグ戦(リーグ戦)優勝チ…

 4年ぶりの日本一に向けて、最初の一歩を踏み出した。6日間にわたって熱い戦いが繰り広げられ、1年間の締めくくりとなる全日本大学選手権(インカレ)が開幕した。大会1日目のこの日は、仙台大と対戦に挑んだ。早大は関東大学リーグ戦(リーグ戦)優勝チームの貫禄を見せ、最終スコアは100-65と快勝。立ち上がりこそ不安定さが見られたものの常に優位で試合を進め、危なげなく2回戦に駒を進めた。

 まずはG澁谷咲月(スポ3=大阪薫英女学院)のシュートで先制し、早大ペースで試合は進むと思われた。しかし課題とする出だしでこの日も苦戦し、思うようにリードを奪えない。こう着状態が続いたが開始から5分、F細貝野乃花(スポ3=愛媛・聖カタリナ女子)のスリーポイントシュートが飛び出す。流れをつかみ始めた早大は4点のリードを保ち、第1Q(クオーター)を終える。第2QにはF内山未悠(社3=愛知・桜花学園)、細貝が続けてアウトサイドシュートを決め、相手を突き放しにかかる。この日6本のスリーポイントを決めた細貝は「正直良かったとは言えない」と自身のプレーを振り返ったが、それでもチームトップの22得点をマーク。細貝の躍動で差を広げていく早大は、守りでも本領を発揮する。24秒しっかりと守り切り、相手に苦し紛れの単発のシュートしか打たせない。53-30と大量リードで試合を折り返す。


この日6本ものスリーポイントを沈めた細貝

 第3QはC田中真美子(スポ4=東京成徳大)とG高田静主将(スポ4=山形市立商)の連携が光る。リーグ戦ではアシストでトップの数字をたたき出した高田の華麗なパスを受けた田中が、確実にゴール下やミドルレンジのシュートを決める。田中はいつにも増してインサイドで気迫を見せ、ボールへの執着心を絶やさない。中盤には相手のオールコートプレスに一瞬怯むもすぐに対応。ここで早大はC大原咲織(スポ1=東京成徳大)を投入する。11月の東京六大学女子対抗戦でケガから復帰したルーキーは、このQ終了間際に驚異のジャンプ力で相手のシュートをブロック。途中出場ながら10得点を奪い、鮮烈なインカレデビューを果たした。試合を優勢に進めた早大はリザーブメンバーを起用する。F石井香帆(スポ2=岐阜女)、G大西胡桃副将(スポ4=茨城・水戸第一)のスリーポイントで追いすがる仙台大を振り切り試合は100点ゲームへ。インカレの舞台でまずは確実に1勝をつかんだ。


最後の大会に臨む大西

 手堅く初戦を突破した早大は、2回戦で筑波大との対戦を迎える。筑波大は春の関東大学女子選手権の決勝リーグで敗北を喫し、優勝杯を譲ることとなった因縁の相手だ。秋のリーグ戦での2度の対戦は早大が制したが、どちらも僅差での辛勝となった。選手たちが口をそろえてヤマ場と語る次戦で勝利を収めれば、「日本一」にまた一歩近づくこととなる。出だしから持つ力全てを出し切り、必ずや白星を手にしたい。

(記事 小林理沙子、写真 森田和磨)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

第70回全日本大学選手権 12月10日(vs仙台大)
  1Q2Q3Q4Q合計
早大26271730100
仙台大2010161965
◇早大スターティングメンバー◇
G#21 高田静(スポ4=山形市立商)
C#14 田中真美子(スポ4=東京成徳大)
F#23 澁谷咲月(スポ3=大阪薫英女学院)
C#25 中村美羽(社3=千葉・昭和学院)
F#37 内山未悠(社3=愛知・桜花学園)
コメント

G大西胡桃副将(スポ4=茨城・水戸第二)

――初戦突破して今の気持ちをお願いします

特に初戦とかを考えずに一戦必勝で毎試合決勝の意気込みで戦おうっていう話をしていて、きょうはここの体育館が初めてで相手も初めてでなかなか環境とか相手に対応できないまま出だしをむかえてしまって。そのせいという訳ではないんですけど、初戦を決勝として戦おうって言っていた日本一になるチームとしての戦い方はできなかったので、課題は残ったんですけどきょうでよかったかなとおもいます。もっといい出だしが出来るように次の試合を決勝だと思って、最初から圧倒する試合を出来ればなと思います。

――自身のプレーを振り返っていかがですか

フリースロー100%っていうチームの目標があったのに自分が最初に外してしまって。チームの決まりを最初に破ってしまったことの反省があります。

――スリーポイントも決められましたが

なんででしょう(笑)。いつもそんなに入る訳ではないのに、試合に出された時になんかやってやろうとか良いところ見せようとかいうつもりは無くて、無我夢中で打ったシュートなのでいい意味で無になってできたかなと思います。

――1ピリオドで少し攻めあぐねたと思いますが

相手が完璧に中を守っていこうというディフェンスで、外も打たしてもらってたという感じだったんですけど細貝とかが決めていたので、どんどん外から狙って行って中が空けばと思っていたんですけど、最後まで中を中心に守ってきたのでオフェンスとしては打たないでリズムが悪くなると次の試合にも響いてしまうので、打ってよかったしそこまで悪いオフェンスではなかったかなと思います。

――普段のリザーブメンバー同士での連携はどうでしたか

普段出ていないからコミュニケーションがとかではなく、誰かがドライブされて縦切られているのにカバーいけなかったりとディフェンスのコミュニケーションが取れてなくって結局60点くらい取られてしまったので、喋れれば守れるところはコミュニケーションとらなければいけないなとおもいます。

――次の筑波戦への意気込みをお願いします

春も負けてリーグでも競り合っていてあんまり得意ではなくてむしろ苦手かなってみんな思っているかもしれないけど、ここで当たれなかったらずっと苦手なまんまで終わってしまうと思うので、逆に当たれるのはチャンスなので本気で倒します。

F細貝野乃花(スポ3=愛媛・聖カタリナ女子)

――試合を振り返っていかがですか

やっぱり出だしがすごく悪くて、今年1年間ずっと出だしがあまり良くないなという所から始まっていて意識しよう、となっているんですけどやっぱり出だしが良くなかったです。あと、得点が取れない時間帯が続いた時の我慢ができないかなと思って、取れない時に相手に連続失点された場面が結構多かったと思うし、そういう時に踏ん張 らないといけない所で踏ん張れないというのが自分たちの弱みかなと思いますね。

――きょうはスリーも多く沈めましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

正直良かったとは言えなくて、たしかに周りから見たらスリーが入った印象が強いと思うんですけど、打っている分外している分も多いのでもしかしたら2分の1も入ってないと思います。後半が本当に入らなかったので、ほぼノーマークシュートで打たせてもらっていたのに決まらなかったのは自分の練習不足だと思いました。明日しかないんですけど、修正はできると思うので、修正していきたいなと思いました。

――中盤は相手のオールコートプレスに苦しむ場面も見られました

相手のベンチから「プレスに行け、当たれ」という声が飛んでいて、どのチームも勝とうというのではなくて、向かっていこうという思いでやってきているので、それを受け身になるとハマったりターンオーバーが増えたりという結果になったと思うので、直接相手の得点につながるミスをもう少し減らさないといけないかなと思いました。

――明後日の筑波大への意気込みをお願いします

とりあえず初戦が終わったので、やっぱりどういう雰囲気からだとかそういうのが分かってきたと思うので、チーム全体で明日、出だしや個人のコンディションとかをチェックして、もう1回チームみんなで一つになって頑張りたいなと思います。

C大原咲織(スポ1=東京成徳大)

――初めての全日本大学選手権出場でしたがいかがでしたか

最初は緊張していたんですけど、自分のできることを精一杯やろうと思ってやりました。

――ワセダでご自身が求められている役割は何でしょうか

リバウンドやセンターとしての1対1など、身長を生かしたプレーが求められているのかなと思います。

――きょうのご自身のプレーはいかがでしたか

短い時間だったんですけど、走るときは走れたのと、リバウンドも入ってファウルをもらうことができたのは良かったと思うんですけど、合わせの動きだったり、チームプレーとしての動きがまだ追いついていないというか、迷惑をかけてしまう部分が多かったので、次に向けてあしたの練習で少しは改善できたらいいなと思います。

――チームとしてきょうの試合を振り返っていかがでしたか

チームになってからリバウンドの部分で毎試合反省点が出てしまうことが多かったので、最後もリバウンドで絶対負けないと言っていたんですけど、負けてしまう部分が出てきてしまったので改善点はリバウンドのところかなと思います。

――第1クオーターで少し攻めあぐねていましたが、それでも大差で勝った要因は

出だしをいつも意識するようにしているんですけど、リバウンドの部分で取られてしまって、相手の速攻やスリーポイントで連続失点してしまったというのと、後半になってリバウンドのところもスリーポイントのところも声を掛け合って修正できたのかなと思います。

――筑波大戦に向けて意気込みをお願いします

筑波大はリーグとかでもずっとやってきている相手でもあるので、出だしからしっかりワセダの流れで持って行って、筑波大のゆっくりとした流れに飲まれないようにベンチからも声を出してチームで戦っていきたいです。