2017年の夏に負った右手首の怪我から復活を果たし、2018年シーズンを戦い終えた錦織圭(日本/日清食品)。世界を転々と渡り戦い続けるプロテニス選手は、試合そのものだけでなく、その移動もハードだ。例えば2018年の錦織は、22大会に出場。1…

2017年の夏に負った右手首の怪我から復活を果たし、2018年シーズンを戦い終えた錦織圭(日本/日清食品)。世界を転々と渡り戦い続けるプロテニス選手は、試合そのものだけでなく、その移動もハードだ。

例えば2018年の錦織は、22大会に出場。1月は「全豪オープン」を欠場し、拠点のあるフロリダと同じアメリカの下部大会からシーズンをスタート。2月はニューヨークとメキシコへ、3月はインディアンウェルズ(風邪で欠場)とマイアミと広い北米の西端から東端へ移動。4月から6月上旬まで約2ヵ月間の遠征で、ヨーロッパのクレーコートシーズンを戦った。その後一度拠点のフロリダに戻るも、すぐさままたヨーロッパで芝コートシーズンの2大会へ。

その後は北米のハードコートシーズンで4大会を戦い、急遽フランスのメスの大会に出場。そして秋はアジアで2大会、そのままオーストリア、パリとヨーロッパにまた渡り、イギリスで最終戦「Nitto ATPファイナルズ」を戦った。

11月27日にWOWOWで放送された「男子テニスATPワールドツアー2018総集編」によると、その移動距離は約87,000km、地球2.2周分にあたる。ちなみに「全豪オープン」を含みフルでシーズンを戦った2016年は、約128,000km、地球3.2周分もの距離をシーズン中に移動している。

同番組に出演した西岡良仁(日本/ミキハウス)も「毎週違う国に飛んだりして、翌週は大陸が変わったりするときもあるので、ずっと飛行機に乗っている感覚」とその移動の大変さを口にしていた。

また、錦織の22大会でもこの距離だが、世界15位で今シーズンを終えたステファノス・チチパス(ギリシャ)は30大会に出場と、トッププロのなかでもより過密日程で移動し、試合に臨む選手もいる。

もちろん移動距離や出場試合数が増えるとその分疲労が溜まり、試合での動きにも影響を及ぼしてくる。選手は自身の成績やコンディション、大会の大きさなども考慮してツアーの日程を組む必要があり、1年間調子を整えてプレーをするだけでハードだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「Nitto ATPファイナルズ」での錦織

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)