1Q2Q3Q4Q計早大444214Stealers23218▽得点者後藤4、尾花4、菊地3、青木3 5年ぶりの学生日本一の座を手にしてから2週間。早大はこの日、全日本選手権準決勝の舞台で社会人2位チーム・Stealersと対峙(たいじ)した…

1Q2Q3Q4Q
早大14
Stealers
▽得点者
後藤4、尾花4、菊地3、青木3

 5年ぶりの学生日本一の座を手にしてから2週間。早大はこの日、全日本選手権準決勝の舞台で社会人2位チーム・Stealersと対峙(たいじ)した。開始早々、AT菊地智貴副将(政経4=東京・早大学院)のゴールなどで3連続得点を挙げ、第1クオーター(Q)終了時点で4-2と幸先のよいスタートを切る。試合中盤には5点リードの状況から2点差まで詰められるが、『攻めるラクロス』を継続し、最終的に14-8と快勝。早大は全日本選手権決勝へと駒を進め、『真の日本一』への挑戦権を手にした。

 経験年数が長く技術力の高い社会人チームを相手に苦戦が予想されたが、第1Qから主導権を握ったのは早大であった。開始1分、菊地のショットで先制すると、さらに右サイドからパスを受けたMF後藤功輝主将(政経4=東京・早実)がランシューを決めるなど3連続で得点を挙げる。15分にはDF中島大介(社3=東京・早実)が敵陣でボールを奪ってオフェンスに運び、AT尾花一輝(国教4=東京・早実)がゴールへ流し込んだ。第2Qでは開始直後、早大のエキストラマンオフェンスの間に後藤とAT青木俊汰(法3=東京・早大学院)が加点。リードを5点に広げた。ところが、9分に3点目を決められると、相手オフェンス陣が攻勢を強める。残り5分にMF小林潤(Stealers)に強力なショットを浴びると、3分後にはゴール裏から回り込んだAT池川健(Stealers)に技ありのジャンピングショットを決められ、点差は3に。流れはStealersに傾いたまま前半を折り返した。


得点以外にもキレのあるプレーで圧倒的存在感を放った後藤

 第3Qスタートのフェイスオフでも相手がボールを獲得し、第2Qの流れそのままに早大のゴールを脅かす。開始3分にはゴール裏からパスを受けた池川がゴールに押し込み、8-6と追い上げを見せる。しかしここから、DF本田丈武副将(政経4=東京・早大学院)の「向こうに流れがいった時はとにかく耐えてもう一回流れをつくるためにも、しっかりボールを奪ってオフェンスにつなげる」という言葉通り、落ち着いて相手のオフェンスを抑え込み、流れを再び早大に呼び戻した。10分に尾花がゴール裏から走り込んでショットを決めると、その3分後に再び尾花が得点。残り3分にはDF石関航平(商4=埼玉・早大本庄)が敵陣まで攻め上がり、早大が目指すフルフィールドオフェンスを展開する。菊地のゴールをアシストし、ボックスもスタンドもこの試合一番の盛り上がりに。さらに後藤が1点を加え、3Qは12-7で終えた。4Q開始直後に早大のファウルでマンダウンとなり1点を失うが、すぐに青木と尾花が2点を取り戻す。早大は最後まで攻撃の手を緩めず、14-8で勝利した。


ゴール前でパスをカットするDF平塚弘喜(政経2=東京・早大学院)

 決勝の相手は社会人最強チーム・FALCONS。2008年以降、10年連続で日本の頂点に君臨する絶対王者である。早大にとって格上であることは言うまでもない。しかし今年の早大は『攻』で相手を圧倒し、社会人2位チーム・Stealersに対してもショット精度、フェイスオフでの攻防、ボールダウンやパスカットの守備など、さまざまな局面で五分以上のプレーを見せて勝利を収めた。「4年間真剣にやれば学生でも勝てるということを全国の学生に見せたい」と後藤は意気込みを語る。『真の日本一』はもうすぐそこだ。

(記事 細井万里男、石井尚紀、写真 岡田静穂、中島和哉)

※弊会のホームページの不都合により掲載が遅くなり、申し訳ありません






コメント

MF後藤功輝主将(政経4=東京・早実)

――社会人2位チームに圧勝でした

うれしかったですし、80分間楽しめました。

――どのように攻めることを意識されましたか

やることはあらかじめスカウティングをしていて決めていて、向こうのディフェンスは強いんですけど、ボールを持った人がガンガンいくというのは共有していたので、それが功を奏しました。

――ショットの精度がとても高かったように感じました

ここまできたら気持ちかなと思っていたので、それのお陰だと思います。

――第3Qで相手に流れが傾いた時はいかがでしたか

4点差がつけようが同点になろうが勝ち越されようがやることは変わらないので、やるべきことに集中しようと声をかけてやっていました。

――後藤選手は大活躍でしたが、調子は上向きということでしょうか

残り1、2週間になってきて、特に気持ちも入っていて、自分がプレー面でも引っ張っていかなければいけないと思っているので、次の試合も気持ちを見せて頑張りたいと思います。

――FALCONSとの全日本選手権決勝に向けて一言お願いします

もちろん優勝します。向こうの経験年数は僕たちより長くて、何倍もラクロスをしていると思うんですけど、4年間真剣にやれば学生でも勝てるということを全国の学生に見せたいと思うので、何としてでも勝ち切りたいと思います。

DF本田丈武副将(政経4=東京・早大学院)

――社会人相手に14-8で勝利を収めました

うれしいですね。今年1年間FALCONSを目指してやってきたので、それに挑戦できるチャンスをもらえたこともうれしかったです。

――きょうの試合、守備で意識したことを教えてください

学生と違って社会人はクロスワークがうまいので、自分たちがシュートを打つなと思っても、もう一つパスを出してくるので、そこの駆け引きですね。打たせるのか、パスを出させるのかというのを学生の時よりは意識してやっていました。

――第3Qで2点差まで迫られた時の心境はいかがでしたか

向こうに流れがいったときはとにかく耐えてもう一回流れをつくるためにも、しっかりボールを奪ってオフェンスにつなげるということをしていれば、また流れはくると思っていたので、とにかくそこを意識してやっていました。

――焦りというのはなかったのでしょうか

そうですね。オフェンスがずっと点を取ってくれていたので、焦ることなくやれたと思います。

――時間が経つにつれ守備の精度も高くなっていったように感じました

向こうのやりたいオフェンスをさせていない雰囲気があったので、監督からも点差離れた時はどんどん積極的に前に行っていいと言われたので、生き生きとディフェンスできたと思います。

――きょうの試合の収穫を教えてください

収穫は久々に社会人とやって、学生とやっていた部分が社会人にも通用するのが分かったことです。僕たちのやらないといけないことは変わらないことを確認しました。あと1週間自分たちの攻めるオフェンス、ディフェンスの精度を上げていきたいです。

――来週の決勝に向けて意気込みをお願いします

あとはもうやるだけというか。全日の決勝でFALCONSに挑戦できる幸せをかみしめながらいつも通りやって、厳しい試合にはなると思うんですけど、必ず最後には僕たちが勝てるように全員で頑張っていきたいです。