年間最終世界ランキングでキャリア初のトップ10入りとなった、ジョン・イズナー(アメリカ)。身長206cmの高打点から放つサービスが大きな武器であり、ATPが2017年に認めた最強サーバーだ。2018年は33歳にして一時自己最高ランキング8位…

年間最終世界ランキングでキャリア初のトップ10入りとなった、ジョン・イズナー(アメリカ)。身長206cmの高打点から放つサービスが大きな武器であり、ATPが2017年に認めた最強サーバーだ。2018年は33歳にして一時自己最高ランキング8位を記録し、ツアー最終戦初出場も果たした。そんなイズナーの今シーズンを振り返る。

■初のマスターズ1000タイトルを獲得

イズナーは、全9大会あるマスターズ1000の1つ、4月の「ATP1000 マイアミ」決勝でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を破り優勝。同大会初優勝を飾ると同時に、自身初のマスターズタイトル獲得となった。

それまでマスターズ1000で3度決勝進出も優勝は逃していたイズナー。試合後には「この瞬間を手に入れる準備はできていた。これまで3度決勝に進出して、このステージで3度敗れた。勝つ準備はできていた」と振り返っていた。

■「ウィンブルドン」で驚異の試合時間6時間36分

7月の「ウィンブルドン」では、準決勝でケビン・アンダーソン(南アフリカ)に6(6)-7、7-6(5)、7-6(9)、4-6、24-26のフルセットの末に敗れたイズナー。ビッグサーバー対決となったこの一戦は驚異の試合時間6時間36分を記録し、グランドスラム史上2番目に長い試合時間となった。なお、グランドスラム史上最長の試合もイズナーが記録しており、2010年「ウィンブルドン」1回戦のニコラ・マウ(フランス)との対戦で11時間5分だ。

その後、10月には「ウィンブルドン」大会公式サイトを通じて、最終セットタイブレークを2019年の大会から導入することを発表。このことについてイズナーは「試合の勝者にとっては休息できるほか、次の試合のために控えている選手や、フルスケジュールのために有料で試合を見ているファンにも利益がある」とコメントしている。

■錦織、ティームとのツアー最終戦出場争い

シーズン終盤には「Nitto ATPファイナルズ」の出場権をかけたレース・トゥ・ロンドンで、錦織圭(日本/日清食品)やドミニク・ティーム(オーストリア)と熾烈な争いを繰り広げたイズナー。1度は出場圏内の8人から外れたが、ラファエル・ナダル(スペイン)が故障により欠場したことで繰り上がりで出場となった。

なお、初出場となったツアー最終戦ではグループステージで0勝3敗となり、決勝トーナメント進出はならなかった。

■2018年の主な出場大会・結果

「Nitto ATPファイナルズ」 グループステージ0勝3敗

「全豪オープン」 1回戦

「全仏オープン」 ベスト16

「ウィンブルドン」 ベスト4

「全米オープン」 ベスト8

「ATP1000 マイアミ」 優勝

「ATP1000 マドリード」 ベスト8

「ATP250 アトランタ」 優勝

■終わりに

今シーズン7月16日更新の世界ランキングで自己最高の8位を記録したイズナーは、通算タイトル獲得数を14にまで伸ばした。ATP公式サイトによれば、イズナーはツアー最終戦終了後に「いろんな意味で僕にとってベストシーズンだった。年末のATPランキングが最高でした。僕のテニス人生の中で初めて、トップ10でシーズンを終えることができます」と振り返った。様々な結果を残した今シーズン。2019年シーズンは、どの様な活躍を見せてくれるのか注目だ。(テニスデイリー編集部)

※写真は「Nitto ATPファイナルズ」でのイズナー

(Photo by Justin Setterfield/Getty Images)