次世代のNo.1候補筆頭格である、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)。2018年は21歳の若さでツアー最終戦で初優勝を成し遂げるなど、飛躍の年となった。そんなズベレフの今シーズンを振り返る。■キャリア通算3個目のマスターズ1000タイトル獲…

次世代のNo.1候補筆頭格である、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)。2018年は21歳の若さでツアー最終戦で初優勝を成し遂げるなど、飛躍の年となった。そんなズベレフの今シーズンを振り返る。

■キャリア通算3個目のマスターズ1000タイトル獲得

ズベレフは、全9大会あるマスターズ1000の1つ、5月の「ATP1000 マドリード」決勝でドミニク・ティーム(オーストリア)を破り優勝。2017年に2度マスターズで優勝していたズベレフは、自身3度目のマスターズタイトル獲得となった。

ズベレフは今シーズンこのほか、「ATP1000 マイアミ」「ATP1000 ローマ」では準優勝するなど好成績を残している。2019年シーズンも、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が史上初の達成者となった「ゴールデン・マスターズ」(キャリアの中でマスターズ1000の9大会を全制覇)を目指し、タイトル獲得に期待がかかる。

■ツアーでの兄弟対決が初めて実現

後にアレクサンダーが優勝することになる8月の「ATP500 ワシントンD.C.」の3回戦では、10歳年上の兄ミーシャ・ズベレフ(ドイツ)と念願だったツアーでの兄弟対決が初めて実現。試合中、主審のアレクサンダーへのコールは愛称の「サーシャ」で行われるなど、温かい空気と真剣勝負の入り交じった初対決となった。

兄に勝利した後ズベレフは「世界的に大きな大会で兄弟で対戦して、ミーシャが言ったようにすごく特別だ。信じられないくらい特別、今回が最後にならずにいつか決勝戦などでも対戦したい」と語っていた。

■2度目の出場となったツアー最終戦で優勝

男子ツアー最終戦として、年間上位8選手で競い合う「Nitto ATPファイナルズ」に2年連続2回目の出場となったズベレフ。グループステージでは、2勝1敗で決勝トーナメント進出。その後、準決勝でロジャー・フェデラー(スイス)にストレートで勝利すると、続く決勝戦ではグループステージに続きジョコビッチと再戦となった。粘り強く戦い抜いたズベレフはジョコビッチをストレートで制し優勝を決めた。

2008年のジョコビッチ以来となる21歳の若さでの優勝となったズベレフ。試合後には「準決勝と決勝でロジャーとノバクの2人を破ってこのタイトルを獲得した。僕は信じられないほど幸せで、この瞬間を信じられないほど誇りに思っています」と喜びを口にした。

■2018年の主な出場大会・結果

「Nitto ATPファイナルズ」 優勝

「全豪オープン」 3回戦

「全仏オープン」 ベスト8

「ウィンブルドン」 3回戦

「全米オープン」 3回戦

「ATP1000 マイアミ」 準優勝

「ATP1000 モンテカルロ」 ベスト4

「ATP1000 マドリード」 優勝

「ATP1000 ローマ」 準優勝

「ATP1000 トロント」 ベスト8

「ATP1000 上海」 ベスト4

「ATP1000 パリ」 ベスト8

「ATP500 アカプルコ」 ベスト4

「ATP500 ワシントンD.C.」 優勝

「ATP500 バーゼル」 ベスト4

「BMWオープン」 優勝

■終わりに

ズベレフは、今シーズン通算タイトル獲得数を10にまで伸ばした。また、年間最終世界ランキングでは世界4位となった。ATP公式サイトによれば、ズベレフは「僕にはまだ、やらなければならないことがたくさんある。僕はまだ若い。今年も良い年だったが、来年は今年よりも良いプレーができることを願っている」と次のシーズンへの意気込みを語った。2019年シーズンも飛躍の年となるのか今後も目が離せない。(テニスデイリー編集部)

※写真は「Nitto ATPファイナルズ」でのズベレフ

(Photo by Fred Lee/Getty Images)