悲願の日本一まであと2勝だ。準々決勝の相手は2014年度秋季リーグ戦以来勝利のなかった中大。1セット目こそ奪われたものの、2セット目以降は拾ってつなぐ粘りのバレーで逆転勝ち。3年ぶりとなる準決勝進出を決めた。  ◆11…

 悲願の日本一まであと2勝だ。準々決勝の相手は2014年度秋季リーグ戦以来勝利のなかった中大。1セット目こそ奪われたものの、2セット目以降は拾ってつなぐ粘りのバレーで逆転勝ち。3年ぶりとなる準決勝進出を決めた。

  

11・26~12・2 全日本大学男子選手権(大田区総合体育館他)
11・30 中大戦(墨田区総合体育館メインアリーナ)

明大3{22-25、28ー26、25ー20、25ー23}1中大

<スターティングメンバー>(ローテーション順)
OH(アウトサイドヒッター)鎌田佳朗(法3=東亜学園)、MB松田海飛(文2=愛工大名電)、OP池田颯太(営2=松本国際)、OH小松一哉(政経3=雄物川)、MB三輪大将(政経1=高川学園)、S上林直澄(法2=東亜学園)、Li小川智大主将(政経4=川崎橘)

 激闘を繰り広げた。準々決勝の相手は小川たち4年生が入部以来、勝利のなかった中大。今年度も東日本学生選手権の準決勝で敗れ、決勝進出を阻まれた因縁の相手だ。1セット目は14-8と序盤こそリードを奪いながらも、相手のブロックと都築仁(中大)の打点の高いスパイクに苦しみ逆転でセットを落とす。それでも「これまでは苦手意識があったが、今年は違う」(小川)、2セット目へ向け気持ちを切り替えた。

ルーキーが大仕事をやってのけた。第2セットは終盤までもつれる激しい展開に。しかし、このセットも23-24と中大に先にマッチポイントを握られる。ここでピンチサーバーに松本大翔(法1=埼玉栄)を起用。その松本のサーブは相手レシーブの間を切り裂くノータッチエース。「緊張しすぎて何も考えていなかった」(松本)と語るものの、土壇場で力を発揮できる勝負強さは本物だ。「流れを変え、勝利に貢献できるように」(松本)と昨日の試合終了後も学校に戻り、サーブ練習を繰り返した成果が発揮された。このサーブで勢いづいた明大は激しいラリーを制し、28―26と逆転でセットを奪取。セットカウント1―1のタイに持ち込んだ。


チームの窮地を救った松本


 スーパールーキーの進化が止まらない。勢いそのままに3セット目もリードする展開。終盤22-19では三輪の普段よりも少し高い打点からコート奥を狙うAクイックでワンタッチを奪い得点。「今までは使えていなかったが、自信がついてきたので使い始めた」(上林)と、厳しい相手のマークに遭う中で、新たな攻撃パターンを見出した。さらに4セット目のマッチポイントでは少し体を流しながらのAクイック。「うまく打ち分けられている」(三輪)。秋季リーグ戦でスパイク賞を獲得したルーキーの成長が著しい。三輪の活躍もあり、3、4セット目も奪って逆転勝利。中大から4年ぶりとなる勝利を収めた。

 決戦の時だ。準決勝の相手は今年度4冠と大会連覇を目指す王者・早大。「僕たち一人一人よりも技術や実力も高く、組織力も高いチーム」(小川)。それでも秋季リーグ戦ではフルセットの激闘を演じるなど、決して敵わない相手ではない。「ずっと早大を倒すことを目標にやってきて、みんな勝つビジョンは見えている」(小松)。今試合で見せた持ち前の爆発力で王者を倒し、55年ぶりとなる決勝の舞台へ進みたい。

[大西健太]

試合後のコメント

鈴木康時監督

――特に本日良かったプレーは何でしょうか。

「全般的にレシーブ、つなぎは集中して拾ってつなぐことができていたので、うちはご存知の通り大砲はいませんけれど、とにかくつないでつないでといけば、少しでも勝利が見えてきます」

  

小川 

――本日の試合を振り返っていかがですか。

「今日は相手が中大で僕は4年間勝てていなかったので、苦手意識がありましたけれど、今年のチームが始まってから、そこまで苦手意識がなくなって、自分たちのバレーをすれば勝てるとわかっていたので、自分たちのバレーをやって勝てたので、とても良かったと思います」

小松 

――早大戦に向けて意気込みをお願いします。

「これで最終日までは残れるようになったので、まずは(小川)智大さんとバレーができるのもあと2日しかないから、まずはなによりバレーを楽しむこと。その上でやっぱり勝って日本一になるためには大一番になると思うから、とにかく全力を尽くして頑張りたいと思います」

池田 

――4セット目リードしている場面で声かけをされていましたが。

「2セット目取り返してやっぱりほっとする部分があって、相手も雰囲気が落ちていたので、相手に合わせてグダグダ行くのが一番怖かったので、それで東日本も中大に負けているのが頭の中にあったので、意識はしていないですけど『自分たちのことをやろう』という言葉が自然と出ました」

上林 

――どのようなトス回しを意識されましたか。

「最初はいろいろな人に上げて、1セット目で全員の調子をみて、みんな調子良かったので、その中で一番決まっていた三輪と池田を中心に、小松さんも決まっていたので、その3人を中心に、でも固まらないようにということを意識してやりました」

三輪 

――終盤にトスが上がることも多いですが。

「終盤になっても相手のマークが外れないので、いつでもトスが上がってきていいように考えています」