チームの努力は実を結んだ。前人未到の7連覇を懸けて挑んだ府立の優勝旗。その重圧ゆえか、決勝の龍谷大戦は代表戦までもつれ込むデッドヒートに。明大の命運を託された主将・松本崇雅(文4=初芝立命館)が渾身の一本をもぎ取り、その手で優勝を決めた。…

 チームの努力は実を結んだ。前人未到の7連覇を懸けて挑んだ府立の優勝旗。その重圧ゆえか、決勝の龍谷大戦は代表戦までもつれ込むデッドヒートに。明大の命運を託された主将・松本崇雅(文4=初芝立命館)が渾身の一本をもぎ取り、その手で優勝を決めた。

◆11・25 第31回全日本学生選手権(エディオンアリーナ大阪)

〈男子〉

明大――1位

 第2回戦           〇明大6―0関西外大第3回戦        〇明大6―1近大準々決勝       〇明大5―1中大準決勝        〇明大5―1関学大決勝          〇明大3―3龍谷大
先鋒△佐藤力哉 0―0〇小和野晃槻2―1△松本崇雅 0―0●松本崇雅 1―2○小和野晃槻2―1
次鋒〇古屋敷直道2―0〇木村亮介 2―0●佐藤力哉 1―2○林 力希 2―0●林 力希 0―2
参峰〇中西裕樹 2―0●大谷六樹 0―2○深町雅也 2―1○深町雅也 2―0●川崎大輝 1―2
中堅〇木村亮介 2―0○深町雅也 2―0○木村亮介 2―0△木村亮介 1―1○古屋敷直道2―0
参将〇小和野晃槻2―0○中西裕樹 2―0○川崎大輝 2―1○小和野晃槻2―0△深町雅也 0―0
副将〇田畑正貴 1―0○林 力希 2―0○小森彪楽 2―1○佐藤力哉 2―0○小森彪楽 2―0
大将〇松本崇雅 2―0○川崎大輝 2―0○林 力希 2―1○古屋敷直道2―0●松本崇雅 1―2
代表戦    ○松本崇雅 1―0

〈女子〉

明大――ベスト8

 意地と意地のぶつかり合いとなった。決勝の龍谷大戦は3―2と明大が一歩リードして大将戦に。ここで松本崇に立ちはだかったのは、龍谷大の主将・杉本力矢。試合後半、面突きを取られ1―1とされた直後、「決めてやろうという気持ちが強すぎた」と松本崇が仕掛けた面への回し蹴りが防がれ、体勢が崩れたところに面突きを決められた。

一瞬のスキを見逃さなかった。運命の代表戦は大将戦と同じカードに。0―0のまま膠着(こうちゃく)する展開の中、わずかに緩んだ相手の胴に会心の蹴りを放り込んだ。これがとどめの一本となり、明大の優勝を決定付けた。「あそこで勝ち切るために4年間やってきた」(松本崇)。大学生活最後の一本は、鍛え抜かれた得意の胴蹴りだった。

 偉業の連続だ。府立7連覇によって、同校史上3度目のグランドスラムも成し遂げた。今年度全ての団体戦を制した明大はまさに〝最強〟と呼ぶに相応しい強さだ。この偉業を成し得た理由は「どこの大学より練習してきた」(松本崇)と主将が胸を張って言えるほどの日々の鍛錬があったからだ。努力は嘘をつかない。自らの強さでそれを証明して見せた。

 新たな挑戦は始まっている。「7の次は8しかありません」(小山知常監督)と府立8連覇を見据える明大男子。最強の座は誰にも譲れない。たゆまぬ鍛錬で再び頂きを目指す。

[山根太輝]

試合後のコメント

松本崇

――優勝を決めた気持ちを聞かせて下さい。

「夢みたいですね。決勝戦は正直自分の試合内容とか全く覚えてなくて、勝ったのか勝ってないのか分かってないです(笑)」

――グランドスラムを達成しました。

「明治大学としてはそこも懸かっていて、史上3回目として歴史に残せたので良かったです。僕の力だけでなく、チームが一丸となった結果なので良かったです」

――目標としていた「絶対的な力」を付けることができましたか。

「付けたつもりでした。決勝の龍谷大も優勝したいという気持ちをぶつけてきました。お互いがそういう気持ちでぶつかったので、やはり接戦にはなりましたが、僕たちは王者のプライドがあったので勝つことができました」

木村

――校歌を歌っている際の気持ちを教えて下さい。

「単純に嬉しかったですね。1年間松本がずっと引っ張ってきて、至らない点もあったと思うのですが、そこを埋め合わせてすごいなって。そんなすごい奴が優勝を決めたのが嬉しかったですね」

古屋敷

――この4年間はどんな4年間でしたか。

 「正直に言うと、苦しい練習の毎日が本当に辛くて。でもこの苦しい練習があったからこそこの府立で優勝できる感動を味わえるというのは本当に最高で。努力して苦しい思いをしてきたからこそ、何にも変えられない感動を味わえました」