この日の田中は、初回から走者を背負う苦しい投球となった。地元紙「ジャーナル・ニュース」では「タナカ、始まりからフラフラ」という見出しで、今季ワースト登板となった田中の様子を報じている。■あと1死で勝利投手も降板、「始まりからフラフラ」と地元…

この日の田中は、初回から走者を背負う苦しい投球となった。地元紙「ジャーナル・ニュース」では「タナカ、始まりからフラフラ」という見出しで、今季ワースト登板となった田中の様子を報じている。

■あと1死で勝利投手も降板、「始まりからフラフラ」と地元紙

 今季7勝目を目指し、10日(日本時間11日)に敵地でのインディアンス戦に先発したヤンキース田中将大投手は、今季自己ワーストの5回途中7失点KOされた。打線が奮起し、降板時も11-7とリード。あと1死で勝利投手の権利が発生したが、ジラルディ監督はたまらず投手交代に踏みきり、チームの勝率5割復帰を最優先させた。

 この日の田中は、初回から走者を背負う苦しい投球となった。地元紙「ジャーナル・ニュース」では「タナカ、始まりからフラフラ」という見出しで、今季ワースト登板となった田中の様子を報じている。

 味方が4点先制に成功した直後の2回裏、田中は1死から四球と安打で一、二塁としたところで、デービスに左前適時打を許して1失点。それでも3回は得点圏に走者を進めながらも無失点、4回は3者凡退とし、球数がかさみながらも踏ん張った。

 5回表に味方打線が打者一巡の猛攻を見せ、一気に11-1と10点リードを奪ったが、ここで崩れた。味方失策も絡み、この回だけで6失点。見る見る間に崩れていくマウンド上の田中を見かねたジラルディ監督は、あと1死で勝利投手の権利を得る状況ながら、チームの勝利を優先させて、92球を投げたエース右腕を降板させた。4回2/3を投げて10安打5奪三振2四球で7失点(自責3)。防御率は3.23となった。

■5回を投げきれずに降板し「自分の力の無さ」と自分を責める

 記事では、田中の乱調について「いくつか思い当たる節はある」と指摘。「5回表の猛攻で約30分近くベンチで待たされた」「味方エラーがなければ2失点だけだったかもしれない」「通常の(中4日の)登板間隔での登板だった」と、不調の原因となり得る事象を並べたが、試合後、田中自身は通訳を介して「それは言い訳にはならない」としたそうだ。

 試合後、地元メディアに対応した田中は「全部がコントロールできなかった。ボールもそうですけど、気持ちの部分も」と声を落とした。「いつもは上手くコントロールしながらできていますけど、今日はできなかった」と渋い表情。チームは11-7で勝利したものの、「コントロールできなかった自分の力の無さ」と自分の投球内容を責めた。

 打線爆発で前半戦を勝利で締めくくったヤンキースは、勝率を5割に戻して後半戦を迎えることに。田中の次回登板は17日(同18日)のレッドソックス戦。球宴休みで調子を取り戻し、伝統の一戦でチームを勝利に導きたい。