2か月半に渡ったリーグ戦が幕を閉じた。連敗から始まり、優勝争いに名乗りを挙げることはなかった明大は10位と2部自動降格ラインの一つ上。入替戦までもつれ込むが駒大から連勝を挙げ、1部残留を決めた。▼8・25~11・11 第94回関東大学1部リ…

2か月半に渡ったリーグ戦が幕を閉じた。連敗から始まり、優勝争いに名乗りを挙げることはなかった明大は10位と2部自動降格ラインの一つ上。入替戦までもつれ込むが駒大から連勝を挙げ、1部残留を決めた。


▼8・25~11・11 第94回関東大学1部リーグ戦(駒沢屋内球技場他)

明大――10位

▼11・13~15 第94回関東大学1部・2部入替戦(駒沢屋内球技場)

明大――1部残留

 決して良いスタートを切ったとは言えなかった。開幕戦から日大、東海大に連敗。9試合目までに得た白星は一つのみ、最下位まで落ち込んでいた。下位2チームは自動的に2部降格、さらにインカレの出場権を失ってしまうため崖っぷちの状況だった。そこで迎えた神大戦。「明治1番の武器はディフェンス」(SF今川友哲・営4=大阪桐蔭)と本領を発揮し神大の攻撃を抑えこみ22点差の快勝を収める。続く拓大戦も3Pシュートの打ち合いを制しリーグ初の連勝を挙げた。「神大戦から意識が変わった」とチームの得点王・SF須藤昂矢(営3=桐光学園)も神大戦からの立て直しを振り返った。ここから怒涛の後半戦が始まった。15点差をひっくり返され逆転負けとなった早大戦、残り20秒の逆転勝利を挙げた中大戦と白熱する戦いが続いた。徐々に白星が増え始めたが、留学生を擁するチームへの苦手意識が枷となり、結果は7勝15敗と大きく負け越す。自動降格となった中大とは2勝差の10位でリーグを終え入替戦に進んだ。降格を懸けた入替戦では「2部とは違う」(PF森山修斗・政経4=瀬田工)と駒大に22点差をつけ圧勝し1部残留、インカレ出場を決定させたが「流れを最後までつかみ切れなかったリーグ戦だった」(濱西康一監督)と満足とは程遠い結果となった。

チームの大黒柱として活躍した今川

 リーグ戦を今川抜きには語れない。チーム最長の出場時間を誇り、リバウンドで献身的にチームを支えた。22試合でつかんだリバウンドは182本。何度もピンチを防ぎ、チャンスを演出してきた。195センチのビッグマンながらボール運びも兼任。ファウルを誘うポストプレーから3Pシュートまで多種多様な攻撃を見せ得点ランキング7位に。フリースローランキングでは3位と明大オフェンスの中心として勝利に貢献し続けた。「今川さんが鼓舞し続けてくれた」(PG渡辺翔太・政経2=宇都宮工)と精神的にもチームをけん引。フリースロー中も一番に選手を集め声をかけるのは今川だった。守備でも存在感は健在。流れを取り返すときの切り札・プレスディフェンスでも、最も走る3番ポジションを担った。フロントコートで相手ガードにプレッシャーをかけるとすぐさま自陣に戻り、声を出しつつゴール下で体を張り留学生と競り合う。「このディフェンスは僕しかできない」。幅広いスキルを持った今川だからこそできるディフェンスが明大の切り札になっている。「最終的に頼れるのは今川」(森山)とチームメイトからの信頼も厚い。まさに大黒柱。今川のプレーが明大を引っ張っている。


ゴールを死守するゾーンディフェンス

 目標は「もちろん優勝」(SF野口龍太郎・政経3=九州学院)。入替戦の末、関東勢最後のインカレへの切符をつかんだ。昨年度は2回戦敗退と悔しい結果で終わってしまった。「リーグ戦は苦しい試合が多かった。すべてはインカレのために戦っている」(SG小林拓主将・営4=桐光学園)。小林、今川を含む4年生にとってはインカレが最後の大会。リーグを通して修正に修正を重ねたディフェンスの集大成を全日本の舞台で発揮する。

[田北俊介]