3得点を決めた友岡 名古屋の地で行われた全日本学生選手権準決勝。慶大は東海地区の覇者・愛知学院大と決勝進出をかけて戦った。試合は開始1分、AT友岡(政4)の先制ゴールを皮切りに前半だけで8得点を挙げる圧倒的な慶大のペース。終始積極的な攻撃姿…


3得点を決めた友岡

 名古屋の地で行われた全日本学生選手権準決勝。慶大は東海地区の覇者・愛知学院大と決勝進出をかけて戦った。試合は開始1分、AT友岡(政4)の先制ゴールを皮切りに前半だけで8得点を挙げる圧倒的な慶大のペース。終始積極的な攻撃姿勢を貫き、13-3の大勝を飾った。慶大は決勝に駒を進め、いよいよ次戦は西の王者・関西学院大と学生日本一の座を争う。

第10回全日本大学選手権大会女子 準決勝 vs愛知学院大

11/17(土) 14:30ドロー @愛知県 港サッカー場

 前半後半合計
慶大13
愛知学院大

スタメン

ポジション背番号名前学部・学年出身高得点
28大沢かおり経4学芸大附属国際
DF62櫨本美咲経4慶應女子
DF75平井淑恵商3慶應女子
MF51石田百伽経4慶應女子
MF58清水珠理商2慶應女子
MF66石川のどか政4品川女子学院
MF73伊藤香奈経4慶應女子
MF81野々垣眞希商2慶應女子
MF97小久保磨里奈政4慶應女子
AT32友岡阿美政4慶應女子
AT33西村沙和子商4慶應女子
AT72吉岡美波理4大妻多摩

ベンチ入り選手

ポジション背番号名前学部・学年出身高得点
西村佳子政3東京女学館
MF17脇坂遥香経3慶應女子
MF20溝口友梨奈経2慶應女子
MF59日野美咲商2慶應女子
MF77橋本ひかる政4慶應女子
AT18荒井理沙経3慶應女子
AT26井上ゆり子経2慶應湘南藤沢
AT38石井有花子政3雙葉

 劇的勝利で終えた関東決勝からはや一週間。慶大は全日本学生選手権準決勝に臨んだ。名古屋の地で待ち受けるのは23年ぶりに東海王者の座に輝いた愛知学院大だ。アウェーの地に臆することなく、選手たちは攻撃的な慶應ラクロスを見せつけた。


名古屋の地で準決勝を争った

 試合はすぐに慶大側に傾いた。開始1分、AT友岡阿美(政4)が相手Gの反則を受けて無人のゴールへのフリーシュートを獲得する。これを着実に収めて先制点を手にすると、ここから慶大の攻撃が止まらない。直後3分、スピード勝負からAT西村沙和子(商4)が2連続得点を挙げると、その後はMF伊藤香奈、友岡、MF小久保磨里奈(政4)が追加点を挙げる得点ラッシュで圧倒。徐々に得点のペースは落ちていくも、基本的な主導権は慶大が保持し、前半24分までに8点を獲得する。

 しかし、ラスト1分に「ディフェンスが動いていない時間が長くて足が動かず無駄な失点をしてしまった」(伊藤)と振り返るように、守備の隙を突かれて失点。無失点は叶わずとも、7点のリードを持って前半を終えた。


フリーシュートに臨む小久保

 後半戦は伊藤の3得点目からスタートした。これを筆頭にペースを上げていきたい慶大だが、ここへきてパスに少しの乱れが出始め得点に繋げられない。すると7分、素早くゴール前までボールを運んで行った相手に思わぬ失点を喫する。その後もターンオーバー時にディフェンスが機能せずに失点する場面も見受けられたが、伊藤やAT吉岡美波(理4)などの攻撃陣がそれ以上の得点を量産し、リードを広げていく。終盤にかけては相手のボールキープが増えるも、守護神・大沢かおり(経4)がゴールを守り抜き、失点までは至らなかった。最後は伊藤が圧巻の6得点目を決めて、試合終了。13-3の大量リードで東海王者を破った。


俊足を生かしてこの日も2得点の活躍

 入りから流れをつかみ取ったこの試合は終始慶大が主導権を握り続け、目標とする2桁得点を達成した。ボールキープの要因の一つとしては、圧倒的なドロー獲得率の高さが挙げられる。MF石田百伽(経4)、小久保、MF日野美咲(商2)といった慶大が誇るドロワーたちの奮闘に加え、ダウンボールに素早く反応した伊藤や西村などの活躍も光り、攻撃の起点を作り出していた。「2桁得点できたことについては、慶大らしいラクロスができたのでそこは良かった」と試合後の伊藤は満足げに語った。準決勝を圧勝で終え、チームは次戦の決勝戦に向けて大きな弾みをつけた。まずは学生の頂点へ、彼女たちはさらなる高みを目指して確実に歩を進めていく。

(記事:堀口綾乃 写真:五十右瑛士)

次戦 11月25日(日)14:30ドロー 全日本大学選手権大会 決勝 vs関西学院大

@駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場

◇以下選手コメント◇

友岡阿美(政4・慶應女子)

――今日の試合を振り返って

序盤はいい形で点を取れていて、2桁得点を目標に試合に入ったんですけど、前半の最後の方から後半にかけてガタついていて、そこはまだチームとして完成しきれていないところだなと感じました。

――序盤に大量のリードを得て、チームの雰囲気が緩むことはありませんでしたか

前回の試合も先制点を2点取ってから何か悪い流れがやってくるなということは感じていて。この点を取ってもいつかは悪い流れがやってくると感じていたものを立て直せなかったことが課題かなと思います。

――攻撃陣を振り返って

相手がどういう風に戦ってくるかというよりは、自分たちがどういう風に攻めていくかということを考えていたので、それを体現する場としてはすごく十分だったと思うんですけど、最後の方はボール持ちが長くなったり、ボールが動かなくなったときに点が取れなくなっていたので、そこは課題だと思います。課題ばかりですね(笑)

――アウェーの地での開催となりました

アウェーの地というのはあまり気にしていなかったです。全学の準決勝はここで2年連続やって勝てる場所だと思っていたので、そんなに気にはならなかったです。

――ご自身は3得点を決めました

シュートシーンがたくさんあった分、もうちょっと点は取りきれたかなと思います。もっと点が取れたら良い形でチームが勝てるのかなと思います。

――次回、決勝戦に向けて

もう全日本の決勝に出ることは確定したので、これから全日本学生の決勝で勝ちきって、全日本選手権でいかに慶應のラクロスが見せられるかだと思います。学生にきちんと圧倒して勝つというのと、クラブチームにどうやったら勝てるのかを見せられる場だと思うので、そこは真剣勝負で勝ちに行きたいと思います。

伊藤香奈(経4・慶應女子)

――今日の試合を振り返って

関東制覇という山場を越えた後での試合で、みんなの集中力が欠いていてそれが試合に表れてしまったのは反省点だと思います。2桁得点できたことについては、慶大らしいラクロスができたのでそこは良かったかなと思います。良いところも悪いところもあった試合だったなと思います。

――6得点を挙げる大活躍でした

試合中に何点取るという意識はなくて、結果6得点という感じでした。いいタイミングでパスを出してくれたり、自分がシュートを決めやすい体勢にみんながしてくれたことが得点に繋がったと思います。

――惜しくも主将が選ぶMVPには選ばれませんでした

友岡が自分を選んだので(笑)6得点じゃまだまだMVPに足りないと思うので、次の決勝ではMVPを取れるように頑張ります。

――アウェー名古屋の雰囲気はどうでしたか

保護者の方もたくさん応援に来て下さったし、ベンチの後ろからもずっと応援が聞こえたので、あまりアウェーという感じはしませんでした。

――相手の印象は

ボールを持ったらゴールに向かう姿勢が強くて、それに対してボールマンに早めに当たろうと話していたのですが、ディフェンスが動いていない時間が長くて足が動かず無駄な失点をしてしまったので、今後来週の試合でも対応していきたいです。

――決勝に向けての意気込みは

駒沢のすごく大きな会場で応援もたくさん来てくれると思うので、緊張するとは思いますが、学生制覇できるように、自分たちのプレーをしっかりできるように準備して臨みたいと思います。個人的にはMVPを取れるように頑張ります。

西村佳子(政3・東京女学館)

――出場したときの思いは

今までの2試合で私が出られる試合がなかったんですけど、今回出ることができたので、自分ができることを全て出しきろうと思って出場しました。

――この試合に向けて準備していたこと

相手選手のシュートの特徴やATの特徴を分析して、準備をしていました。

――東海王者を2点に抑えました

前半は割としっかり抑えられたと思いますが、後半流れが悪くなってきたときに、止めなきゃいけないところで止められなかったり、ミスしちゃいけないところでミスしてしまうことがあったので、そういうところではまだ実力不足だなと感じました。

――DF陣に指示していたことは

相手チームに1on1が強い選手が多かったので、接点をしっかりもって1on1をする、ということを徹底させました。

――来週の選手権決勝に向けて今日で見えてきた課題は

やることは今までとそんなに変わらなくて。次のチームの分析をしっかりして、対策をしていきたいと思います。

――もうすぐ大沢かおり(経4・学芸大附属国際)選手が引退されるが、来年正ゴーリーを背負うにあたって何か思うところは

今の正ゴーリーのけいさん(=大沢)のプレーを見ていて、彼女の覚悟だったり、自信だったりを感じています。そこが今の私には足りない部分だと思うので、これ以降の数試合、そして来年のリーグ戦までに身につけていきたいなと思います。