対抗戦8年ぶりの勝利は必然だった。悔いの残った慶応戦から2週間。帝京大との大一番は、明治が一度もリードを許すことなく23―15。今シーズン一番の集中力で接戦を制した。春、夏、秋と勝利した明治。常勝・帝京大の時代に終止符を打った。◆11・18…

対抗戦8年ぶりの勝利は必然だった。悔いの残った慶応戦から2週間。帝京大との大一番は、明治が一度もリードを許すことなく23―15。今シーズン一番の集中力で接戦を制した。春、夏、秋と勝利した明治。常勝・帝京大の時代に終止符を打った。

◆11・18 関東大学対抗戦(秩父宮ラグビー場)

▼対帝京大戦

 ○明治23{13―8、10―7}15帝京大

スクラムで赤壁を崩した。前半5分に相手ボールスクラムをターンオーバーし流れを引き寄せると、フルバック山沢京平(政経2=深谷)のPG(ペナルティーゴール)で先制。続く10分にはスクラムからスクラムハーフ福田健太主将(法4=茗溪学園)が相手ディフェンスをずらし、パスを受けた右センター渡邉弐貴(営4=国学院栃木)がトライを挙げた。後半に入ってからもその勢いは衰えることはなく、開始3分にまたしてもスクラムで一気にターンオーバー。左センター森勇登(政経2=東福岡)が相手右裏のスペースに蹴り込み、確保した左ウイング髙橋汰地(政経4=常翔学園)がインゴールへ飛び込んだ。「FW、BKが一体となって取れたトライ」(フッカー武井日向・商3=国学院栃木)。終始優勢で進めたスクラム。明治最強の武器で王者を打ち負かした。

集中力は悔しさから生まれた。後半12分、帝京大の14フェーズを数える怒濤(どとう)のアタックに対して、粘り強いディフェンスで応戦。最後は武井がボールに絡みペナルティーを誘発し、最大のピンチをしのいだ。慶応戦の負けを生かし「全員冷静にプレーできていた」(福田健)。次戦は3年ぶりの優勝が懸かった早稲田戦。今の勢いそのままに伝統の一戦も制してみせる。

[鈴木貴裕]

試合後のコメント

福田健

――試合を振り返っていかがですか。

 「春夏とは違った雰囲気の中で、勝利できたことはうれしいです。慶応戦で出た自分たちの課題を見直してシンプルに自分たちのラグビーができたことが良かったです」

右フランカー井上遼(政経4=報徳学園)

――この試合のターニングポイントはどこでしょうか。

「ゴール前で1回(帝京大に)ペナルティーがありましたが、そこでスクラムを選択して、時間を使ってトライを取りにいきました。もう1回アドバンテージが出て、ショットで8点差にしてゲームが実質決まりました」

スタンドオフ松尾将太郎(商4=東福岡)

――急遽出場が決まりました。

「この秋シーズンはAチームで出られない時間が続いていて、自分がどうあるべきかということを考えることが増えました。出られてないというのは自分の中で思うことはありますけど、いつでも試合に出たら100パーセントの力が出せるように準備してきたので、自分のやるべきことを遂行しようと試合に臨みました」

髙橋汰

――後半のトライシーンの振り返りをお願いします。

「ターンオーバーすることを頭に置きながら、その後どういうアタックをするか考えていました。『裏だ』と声を出したら、(森)勇登がその通りに蹴ってくれて、バウンドも跳ねたのでトライできて良かったです」

山沢

――勝因は何ですか。

「粘って相手のワイドのアタックに対して戻ったり、ゴール前で取り切られないで守り切ったことです。あとは自分たちが敵陣で3点でも5点でも、しっかり得点できたことです」