全22節の長い戦いもきょうで幕を閉じる。きのうの大敗から切り替え臨んだ最終節は神奈川大との対戦。下位チームではあるがリバウンドやボールへの執着心が強い神大相手に早大の強みを封じられ、前半から追いかける展開になる。お決まりの逆転劇もきょうは…

 全22節の長い戦いもきょうで幕を閉じる。きのうの大敗から切り替え臨んだ最終節は神奈川大との対戦。下位チームではあるがリバウンドやボールへの執着心が強い神大相手に早大の強みを封じられ、前半から追いかける展開になる。お決まりの逆転劇もきょうは起こすことができず55-63で敗戦。惜しくも関東大学リーグ戦(リーグ戦)最終日を白星で飾ることはかなわず、通算戦績は10勝12敗の8位で大会を終えた。

 第1クオーター(Q)はシュートを決めては決め返され、試合は拮抗(きっこう)した。先にゴールネットを揺らしたのは神奈川大。早大はコートに立つメンバーがバランスよく得点する一方で、リバウンドに苦戦しなかなか両チームの点数は動かない。第2Qは序盤でターンオーバーが相次ぎ徐々に神大のリードを許してしまう。C富田頼(スポ4=京都・洛南)がスリーポイントを沈め、F中谷誠人(商4=東京・早実)との連携、さらには中谷が果敢にリバウンドに飛び込む姿勢を見せると盛り上がる早大ベンチ。ここから逆転の兆しが見えるかとも思われたが、神奈川大のスリーポイントが立て続けに決まり9点のビハインドで前半を折り返した。


カットインでリングにアタックし続けた森定隼吾(商4=岡山・倉敷青陵)

 第3Qの頭から神奈川大のシュートがゴールに吸い込まれてしまう。いつもなら後半から猛追を見せるのが早大のスタイルだがこの日はなかなか神奈川大の背中を捉えることができない。果敢に攻め込みファウルをもらうが第3Qの得点はわずか9点となった。最終Q、なんとかこの状況を打破しようと動いたのはG長谷川暢副将(スポ4=秋田・能代工)。得意のドライブでファウルをもらったりディフェンスを引き付けて富田へのアシストを演出する。しかしディフェンスで神奈川大にタフショットを打たせてもリバウンドを取り切れず、14点差で1分半のタイムリミット。スリーポイントを強みとするF濱田健太主将(社4=福岡第一)、C小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)がそれぞれシュートを沈めるも時すでに遅く、55-63で試合終了のブザーが鳴った。


3本のスリーポイントで神奈川大に一矢報いた濱田

 リーグ戦最終週は2連敗で終わってしまったものの、「(自分たちのやるべきことを)徹底できる時間が増えた」(濱田)、「勝ち方の部分で成長した」(長谷川暢)とリーグ戦を通して得られた収穫は多い。次の舞台はいよいよ全日本大学選手権(インカレ)だ。22試合を通して見つかった課題をインカレまでにいかに修正するか。そして、濱田が語った「相手の強みを抑えて自分たちは力強くやっていく」という早大の勝利パターンを、いかにインカレでも機能させるか。1年の集大成であるこの大舞台でリーグ戦を通して成長した早大の躍進劇に期待がかかる。

(記事 阿部かれん、写真 小林理沙子)

★長谷川暢がアシスト王を獲得!

アシスト王を獲得した長谷川暢

 個人賞として、長谷川暢がアシスト王を獲得。今年の3月には青森ワッツの強化指定選手として鍛錬を積み、さらにスキルアップして今リーグ戦に臨んだ。リーグ戦では観客もどよめくアシストパスを幾度となく繰り出し、終わってみれば85アシストと抜群の成績を残した。チームの副将であり司令塔でもある長谷川暢。インカレという最後の大舞台で早大が栄冠をつかむためには、彼の活躍が必要不可欠だ。

第94回関東大学リーグ戦 11月11日(vs神奈川大)
  1Q2Q3Q4Q合計
早大11161955
神奈川大1224151263
◇早大スターティングメンバー◇
F#27 濱田健太(社4=福岡第一)
C#7 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)
G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)
G#15 森定隼吾(商4=岡山・倉敷青陵)
C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  長谷川暢:12得点
リバウンド  富田頼:6リバウンド
アシスト  長谷川暢:3アシスト
コメント

F濱田健太主将(社4=福岡第一)

――昨日の大敗からどのように切り替えていこうと、チームで話していましたか

リーグなので、負けた後も試合があるっていうところで点差は今までで一番ついてしまいましたけど、良くない負け方をしてしまったこともたくさんあったのでそれはリーグの経験で、みんな切り替えられたのかなと思います。

――試合を振り返っていかがですか

神大はああいうリバウンドとかルーズボールとかに強さがあるチームだというのは分かった上で、その強みを出させてしまったことが一番の敗因かなと思います。

――昨日に続いてワセダらしいバスケットができませんでした

その通りだと思っていて、チームルールの徹底というのがワセダの一番の強みでそこを展開できなければ、こういう風に簡単に負けてしまうチームだということがこの2試合で分かったんじゃないかなと思います。

――リーグ戦の総括をお願いします

22試合あって、最初に2連勝したり、でも7連敗したりといろいろな時間帯があって、すごく極端な時間帯が多かったです。全日本大学選手権(インカレ)というのは1週間で終わってしまうので、その自分たちのピークをいかにインカレに合わせていくのかというところが、インカレで勝てるか勝てないかにおいて重要になってくると思うので、負けた試合から学ぶことがたくさんあると思うので、少し休憩を挟んで1ヶ月後までにこの経験をもっと反芻して生かしていくことが大事なのかなと思います。

――リーグ戦で成長できた点はどこでしょうか

僕らの一番の強みは徹底だと言いましたけど、それは突出したものではなくて40分間ずっと続けることっていうのが僕たちの強さに今はなっているんですけど、リーグ戦が始まった頃は30分、20分その徹底ができればいいようなチームだったのが、リーグ戦を通して徹底してきた結果、徹底できる時間が増えてきたというのが一番の成長できた部分だと思います。

――インカレに向けて修正していきたい課題は

相手の強みをちゃんと抑えて、相手を混乱するような状態にさせて自分たちはその中で力強くやっていくというのが自分たちの勝ちパターンだと22試合通して思ったので、それを常に出せるように、毎日出せなきゃ優勝はできないので、どうやったら自分たちがそういうプレーができるのかというのを1ヶ月通して突き詰めていければ優勝狙えると思うのでそれに向かって頑張っていきたいと思います。

G長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)

――最後のリーグ戦が終わりました。今のお気持ちはいかがですか

山あり谷ありだったのですが、その中でもチームとして成長したシーズンだったなと感じています。正直言うと入れ替えに回っちゃうくらいのチームかなという風に思っていたのですが、その気持ちをはねのけて勝ち星をつなげたり5連勝だったりとか、きょねんに比べて勝ち方という部分ではすごい成長したかなと思っていて、最後に勝ちきれたゲームもありましたし、もちろん競って負けてしまったゲームとかもあったんですけど、その中でも下級生も含めてチームとして目指すべき方向というのが改めて理解できたかなと思いました。最後だったのですごい楽しかったです。

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

最後ということでみんな今までやって来たことを出したかったんですけど、それ以上に神大さんのディフェンスやオフェンスが自分たちの気持ちを上回ったかなと思っていて、自分たちも悪いところばかりではなかったんですけど、まあ粘って最後頑張ればというところでミスも続いてしまいましたし、シュートもなかなか入らない時間帯もあったので、まあリーグ戦22試合もあればこういう試合もあるかなとは思っているんですけど、最後だったので勝ちたいなという気持ちの方が強かったですね。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

もっと背中でチームを引っ張りたかったんですけど、なかなか自分の調子も上がって来ず、そう行った面に関して言えばきょうのゲームはあまりいい評価ではなかったのかなと思っていて、リーグ戦最初は結構いいリズムで自分の気持ちとしては落ち着いてできたんですけど、終盤になるにつれてきつい時間帯が自分の中で出て来て、そこをはねのける力というのが隼吾(森定、商4=岡山・倉敷青陵)であったりハマケン(濱田健太主将、社4=福岡第一)であったり頼(富田、スポ4=京都・洛南)とか4年生が声をかけてくれたのでここまで粘ってやることができたと思うので、そこはすごい4年生に感謝したいなという風に思うとともに、インカレ(全日本大学選手権)ではちゃんと自分が引っ張り続けられるようにしたいなというのがきょうのゲームですごい感じました。

――リーグ戦を通して一番良かった試合は

一つは、1周目の白鴎戦が自分の中では良くて、5連敗した後の1発目で相手は上位のチームだったんですけど、みんなが振り切れたゲームだったかなと感じていて、もちろん最初の筑波大に宮本(一樹、スポ1=神奈川・桐光学園)が決めて勝った試合とかもすごい印象的だったんですけど、チームとして勝てたゲームはすごい白鴎戦が僕の中ではみんなが吹っ切れた時間帯だったのかなと思うのと、ワセダ強いなと純粋に思ったのがそのゲームだったかなと思います。

――逆に一番良くなかった試合は

昨日の試合ですかね。日大戦は相手がシュート入ったというのもあったんですけど、下を向く時間が早かったかなと思っていて、今までだったら粘って最後は帳尻合わせてくる形なんですけど、きのうに関してはずっとやられ続けてしまったのは自分たちの中でも立て直すことができなかったし、そこはきょうも響いてしまったと思うんですけど、4年生の集中力がきれちゃったなというのがあったので、きのうのゲームは試合が流れていった感じでもったいないなという感じですね。

――最後のインカレへの意気込みをお願いします

最後のインカレなので4年生今4人しかベンチに入っていなくて、学生でできるバスケットも残り少ないので、最後まで笑顔を絶やさずにデカい背中をみんなに見せていきたいなと思っているので、チームとしてももちろんまだ目標は決まっていないんですけど、上位に行けば行くほど達成感が出てくると思うし、目の前のゲーム一つ一つでワセダらしいゲームができたらいいなと思うので、またしっかり準備して臨みたいなと思います。