早大Bは日大稲城グラウンドにて日大Bとの試合に臨んだ。前半から早大Bはアタックで日大Bを圧倒。途中、前に出ようと焦るあまり、ペナルティーを取られる場面も見られたが、チーム全体で声を掛けコミュニケーションを取り合うなどいい雰囲気で試合を進め…

 早大Bは日大稲城グラウンドにて日大Bとの試合に臨んだ。前半から早大Bはアタックで日大Bを圧倒。途中、前に出ようと焦るあまり、ペナルティーを取られる場面も見られたが、チーム全体で声を掛けコミュニケーションを取り合うなどいい雰囲気で試合を進めた。後半も前半同様、早大Bが終始ペースを握り続ける。日大BのNO・8ハラシ・シオネ(日大)をはじめとする外国人選手に何度かゲインされることもあったが、チーム力が上回った早大Bが71−12の大差で勝利をおさめた。

 試合が動いたのは前半3分。早大Bはラインアウトモールからゴールライン付近までゲインし、最後はフッカー鷲野孝成(基理4=神奈川・桐蔭学園)がボールを持ち出して先制トライを決めた。続く8分、早大Bはゴロパントを敵陣地の深くまで蹴り込み、相手がボールを拾ったところにCTB桑山淳生(スポ3=鹿児島実)がタックル。相手が落としたボールを拾ったWTB安部勇佑(スポ2=東京・国学院久我山)のトライで得点を重ねる。早大Bはディフェンスもうまく機能し、日大Bのアタックがハーフラインからゲインすることを許さなかった。22分には相手ゴール前でフェーズを重ね、フランカー原朋輝(スポ1=神奈川・桐蔭学園)がゴールをこじあけた。その後も早大Bの勢いは衰えることを知らない。25分、安部がまたも相手のこぼしたボールを拾うと、大外に展開。FB水谷彰裕(商4=埼玉・早大本庄)からパスを受けた佐々木尚(社4=神奈川・桐蔭学園)がインゴールを駆け抜ける。続く30分にはCTB船越明義(社4=東京・早大学院)がノーマークの水谷へ冷静にキックパスし、水谷が余裕を持って中央にトライ。このままいい形で前半を終えたかった早大Bであったが、終了間際、日大Bのラインアウトから左のブラインドサイドをつかれ、トライを許してしまう。


持ち前の俊足で見事3トライを決めた水谷

 後半が始まり、先に得点を挙げたのは日大B。後半5分、ラインアウトモールでうまく押し込まれ、失トライ。だが、ここで流れを渡したくない早大Bは10分、ゴール前スクラムから展開し、最後は船越が抜け出しグラウンディング。続く21分、安部が大幅にゲインした後に展開すると、原がステップで相手ディフェンスをかわしながら独走トライを決めた。27分には、ゴール前で接点から水谷にボールが渡り、相手ディフェンスを突破、さらに得点を重ねた。早大Bは勢いそのままに33分、接点からSH貝塚陸(スポ4=東京・本郷)が持ち出し相手ディフェンスを引きつけると、フランカー田中智幸(政経1=東京・早大学院)にパス。そのまま田中が相手ディフェンスの穴を抜け、インゴールを駆け抜ける。続く37分、早大Bはスクラム後、またも安部がゲインし、ロングパスを受けた水谷が本日3度目となる独走トライを決める。試合終了間際には、ゴール前ラインアウトモールからフッカー森島大智(教3=東京・早実)がダメ押しのトライを決め、大差で試合を終えた。


タテの突破が光った原

 終始、早大Bは主導権を握り続けた。日大Bに2トライを許したものの、ほとんどの場面で早大Bのディフェンスが光り、日大Bのアタックをことごとく阻んで見せた。先週の帝京大に対する敗北と課題を受けて、「ディフェンスを仕掛ける、相手に100%のプレーをさせないというAチームができなかったことをBチームができるよう(チームとして)意識した」(水谷)。この言葉通り、チームとしての意識を試合で体現することができた。次はジュニア選手権の入替戦だ。このままの勢いで勝利を収め、カテゴリー1に昇格したい。

(記事 菅沼恒輝、写真 日野遥、石名遥)

関東大学ジュニア選手権
早大Bスコア日大B
前半後半得点前半後半
3338
71合計12
【得点】▽トライ 水谷3、原2、鷲野、安部、佐々木尚、船越、田中、森島  ▽ゴール 加藤(8G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー背番号名前学部学年出身校1千野 健斗人4東京・成蹊後半21分交代→16井上2鷲野 孝成基理4神奈川・桐蔭学園後半12分交代→17森島3土田 彬洋スポ2茨城・茗溪学園後半21分交代→18阿部4大崎 哲徳文構1東京・国学院久我山後半38分交代→19中野5松井 丈典スポ4愛知・旭野6原 朋輝スポ1神奈川・桐蔭学園7西田 強平スポ4神奈川・桐蔭学園後半28分交代→20田中8沖野 玄商3北海道・函館ラサール9貝塚 陸スポ4東京・本郷10加藤 皓己創理3北海道・函館ラサール11安部 勇佑スポ2東京・国学院久我山12船越 明義社4東京・早大学院13桑山 淳生スポ3鹿児島実後半21分交代→23中西14佐々木 尚社4神奈川・桐蔭学園後半34分交代→21河村15水谷 彰裕商4東京・早大本庄リザーブ16井上 大二郎スポ4愛知・千種17森島 大智教3東京・早実18阿部 対我社1東京・早実19中野 幸英文構3東京・本郷20田中 智幸政経1東京・早大学院21河村 謙尚社1大阪・常翔学園22島本 雄太創理2神奈川・桐蔭学園23中西 亮太朗商1東京・早実※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
コメント

フランカー西田強平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――きょうの結果をどのように受け止めていますか

全勝で終わりたかったので、きょうは得点差も開いて勝つことができてよかったと思います。

――先週の帝京大戦や前回の専大B戦でも試合の入り方が課題となっていましたが、試合の入り方はどのように意識していましたか

特別アタックに重きを置いていたわけではなくて、むしろディフェンスで勝とうという話をしていました。ディフェンスで前に出る意識があった結果相手のミスを誘えたりしたので、ディフェンスで勝つ意識を試合を通して持つことができたかなと思います。

――試合前でもディフェンスでの意識についてお話しされていましたね

そうですね。ただ、前半はしっかり声を出すことができて止められるところがあったのっでよかったと思うんですけど、ディフェンスが続いてきたときに疎かになっていることもあったので、そこはまだ修正しないといけないと思います。

――また、きょうの試合ではコミュニケーションがよく取れていましたね

いいディフェンスをするうえで欠かせないのがコミュニケーションという話を試合前もしていて、そういった意味では練習のアップのところから声を出そうという意識していたので、それが試合でできたのはよかったと思います。

――西田選手個人としてもチームメイトに声をかけていましたね

日ごろの練習からなんですけどまとめられるところはまとめないといけないと思っていましたし、チームを元気づけないといけないという意識はあったので、そういった意味ではまだまだだとは思うんですけど、きょうは声を出せたかなと思います。

――きょうのアタックについてはいかがでしょうか

チームとしてゲインラインの攻防で勝とうという話をしていて、自分たちのチームではあまり合わせられなかったんですけど1つ1つのレッグドライブがトライにつながると言ってきたので、一人一人が前に出られていたのはよかったと思います。

――きょうでカテゴリー1へ向けた入替戦への出場が決まりました

僕たちが1年生のときにカテゴリー2に落ちてしまって。先輩たちの無念を僕たちが晴らして、後輩たちが強い早稲田を見せつけられるように絶対勝ちたいと思っています。

――残りの試合は少ないですが、そこへ向けて意気込みをお願いします

まだまだ自分も試合に出ることをあきらめていないので、数少ないチャンスではあると思うのですが、モノにしたいと思います。

プロップ土田彬洋(スポ2=茨城・茗溪学園)

――試合への意気込みはいかがでしたか

帝京大戦に向けてチームでディフェンスで勝つというところをテーマにしてやってて、きょうもそのディフェンスのところで攻めていこうって話しました

――そのディフェンスの部分を振り返っていかがですか

全員がヨコを切らさずにディフェンスができてて、ターンオーバーも何回もあったのでよかったかなと思います。

――試合前ディフェンスの内を意識されていましたが、前半終了直前、その内を抜かれトライを決められました。振り返っていかがでしたか

ゴール前までいかれると相手も低く当たってくるので、今ワセダは2人目が引かないで押し返すというのをやってるんですけど、そこの部分でうまくやられてしまいました。今後修正していきたいです。

――スクラムで2回ほど回して取りましたが、押し込まれる場面も見受けられました。振り返っていかがですか

回ったのも意図した訳じゃなく、回されたという方が正しいかなって思っていて、回されたり食い込まれたり。ヒットまではワセダのやりたいスクラムができたと思うんですけど、ヒットの後に結構相手にプレッシャーをかけられたので、そこは修正していきたいです。

――ラインアウトモールを振り返っていかがですか

アタックはそんなに悪くなかったと思うんですけど、一番最初にトライ取ったところのモールで、ちょっと広く短くなってしまって相手に取られそうになってしまったので、タテに長くつなげて全員で推していけたらいいと思います。

――後半早々、相手にラインアウトモールでトライを許しました。あの場面振り返っていかがでしたか

まず、ファーストインパクトでうまくプレッシャーを当てられず相手にいい形で組まれて、その後日大Bがうまく回してズラしながら攻めてきて。それにうまく対応できずにやられてしまったなって感じです。

――土田選手ご自身、攻守ともに速いリロードで参加されていました。振り返っていかがですか

そうですね、速いリロードやワセダが目指す『Moving』は意識したんですけど、まだまだ自分は大外とかに行ったときのダブルアップとかが遅かったので、あそこは意識していきたいと思います。

――入替戦が決まりました。意気込みはいかがですか

何としても上に上がりたいです。

――これから早慶、早明戦と非常に重要な試合が続きます。いかにしてAチームに絡もうなどありますか

自分としては上に小林賢太(スポ1=東福岡)っていう強いプロップがいて、他にも阿部対我(社1=東京・早実)とか入谷さん(怜、スポ4=愛知・南山学園)がいて、フィジカルが強い人ばっかりで。あと短い期間で追いつくのは、やるにはやるんですが中々難しいところがあるので、フィジカルっていうよりかは自分のやるべきことを徹底する。スクラムの低さとか今変えられる部分を変えて、そこで追いつきたいと思います。

SO加藤皓己(創理3=北海道・函館ラサール)

――エリアマネジメントのプランを教えてください

帝京大戦の反省を生かして、自分たちのプランを遂行するけど相手の立ち位置とかを見て臨機応変に変えていこうと話していました。もし相手の強い選手にボールを預けるようなキックになるなら違う選択をして、という感じで臨機応変にしていこうということでした。

――それを踏まえて、きょうのエリアマネジメントはどうでしたか

前半は敵陣でしっかりプレーできたので良かったと思います。

――前半はキックが多めでしたが、後半から少なくなった印象です

前半に結構キックを使った結果、相手が裏に枚数を残すような形が増えてきたので、自陣からでも回してトライを取りにいこうというプランに変えました。なので後半からは自陣でもパスを回していきました。

――アタックでは自ら持ち出してゲインするなど、積極的にアタックをしていました

自分が意図して抜きにいくのが理想なのですが、きょうは自分がパスするかを迷って突っ込んでしまった場面もありました。しっかりそこは自分がボールをもらうまでの選択肢をしっかり決めてからしないと、というのがきょうの反省点です。

――ディフェンスについてはいかがでしたか

相手の100%のプレーをさせないという点でも、自分たちがどんどん前に出てプレッシャーをかけていこうと話していました。そこは、相手のミスを誘えたり、いいタックルが生まれそこからターンオーバーできたシーンがあったので良かったと思います。

――前に出るディフェンスは春から意識していますね

春より、自分たちから仕掛けるというマインドがみんなに浸透してきて、誰がどこにいてもしっかり前に出てアグレッシブにいこうという姿勢が見えてきました。そこはすごく成長した点かなと思っています。

――前後半で1トライずつ取られました

自分たちの流れが悪い時間帯というのはどの試合でもあると思うのですが、悪い中でも0点に抑えることは大事なので、相手にトライをつなげられてしまったことはしっかり反省したいです。FWとBKそれぞれ課題はあると思うので、そこをもっと修正して入替戦に臨みたいなと思います。

――Aチームはこの後早慶戦、早明戦と続きます

ジュニアでやるときは、BチームはAチームの土台になるのではなく、自分のポジションのAチームの選手を越えようと思うことが、全体のレベルアップにも繋がると思っています。Bチームは土台になるのではなくAチームを食うつもりで練習に臨められれば、あと2週間という短い期間ですがもっとレベルアップできるのはないかなと思います。

CTB桑山淳生(スポ3=鹿児島実)

――ケガ明けの試合でした

いつも通りリーダーシップを発揮してチームをけん引できるようにという意識をもったうえでプレーをしました。

――攻撃の起点となることが見受けられました

ストラクチャーの部分でうまくチームがやるタイミングがなくて、ディフェンスからのターンオーバーだったり、アンストラクチャーの部分でうまく中のCTBとして外と内をつなぐっていう部分でコントロールできたかなと思います。

――ディフェンスを振り返って

帝京大戦で負けて、45点取られたということで、チームとしてもう一回ディフェンスで勝つっていう部分を立ち返ろうっていう話になりました。チームで帝京大戦後に一番最初に試合に出るということで、Bチーム全体でディフェンスで勝つっていう部分を、ディフェンスでプレッシャーを与え続けるっていうのを意識してやりました。

――前半・後半で1トライずつ取られてしまいました

細かい部分でのお互いのコミュニケーションだったりが細部までいきわたっていなかったっていうのが、トライを取られた原因かなという風に思います。

――入替戦が決まりましたが意気込みを教えてください

勝つしかないんで。僕が出るかわからないですけどチーム一丸となって、ディフェンスで勝つっていうのを、チーム全体で意識して臨みたいと思います。

――これから早慶戦・早明戦と重要な試合が続きます。

チームとしてやることは今更変えることはないので、やっぱりディフェンスを意識して、チームとしてはやるという。個人としてはボールアタック、ボールを持つキャリーの部分がきょうは少なかったので、そこをAチームでもBチームでも、SO、CTBのコミュニケーションをもっと密にとって攻撃の高いアタックをしたいなと思います。

FB水谷彰裕(商4=埼玉・早大本庄)

――きょうの意気込みは何でしたか

チームとしては、Aチームが先週帝京大に45点取られ、今年のチームの強みがディフェンスというところで45点とられたことで、今週は極端にディフェンスの練習しかしてないくらいの勢いで、ディフェンスで仕掛ける、相手に100%でプレーさせないというAチームができなかったことをBチームができるよう意識しました。今週のBチームのテーマでそれが体現できたかなと思います。個人としては、ケガから復帰して手にしたチャンスだったのでチャンスを無駄にしないようにという気持ちで臨みました。

――きょうのチームとしてのテーマは体現できたということですか

そうですね。トライを取られた部分はあるんですけど80分通して前にプレッシャーをかけるというディフェンスを体現できたのかなと思います。

――ご自身のプレーで独走トライを決めるなどアタックが光っていたように思うのですが振り返っていかがですか

コーチにも言われているのですがボールのタッチの回数が自分がいけるって時しか触れていなくて、相手と50パーセント50パーセントの時に強いプレーを選択できていないというのが今の課題だと思います。きょう(ディフェンスを)抜けた部分もあったのですが最後パスつなぐところをミスしたりして、ミスも目立ってしまったかなと思います。

――後ろから見ていてきょうのチームのプレーはいかがでしたか

ディフェンスは僕を含めて後ろ2人が下がっていることが多くて、前にいる13人が相手にプレッシャーをかけてくれたので相手が困ってキックするしかなかったり、後ろから一気に抜かれてくるなっていう不安感はなかったです。

――入替戦が決まりました。意気込みをお願いします

結果として点差よりも勝つことが全てだと思っていて、僕たちが1年生の時に2部に落ちてしまったので、最後4年生の締めくくりではないですけど、最後勝って1部に昇格することだけを目標に頑張ります。