雨が降り厳しい寒さの中で行われた早慶定期戦。6月の全日本学生王座決定戦(王座)で引退した4年生も出場する今大会は多くのOB・OGが見守る中で行われた。30回目の節目となる今年は男子が昨年の雪辱を果たし、女子は4年連続の勝利を飾った。 今年…

 雨が降り厳しい寒さの中で行われた早慶定期戦。6月の全日本学生王座決定戦(王座)で引退した4年生も出場する今大会は多くのOB・OGが見守る中で行われた。30回目の節目となる今年は男子が昨年の雪辱を果たし、女子は4年連続の勝利を飾った。

 今年から的までの距離が70メートルとなった今大会。「普段射たない70メートルで調整してきた」(助川茜女子主将、政経3=岩手・花巻北)という練習の成果もあり序盤から早大はリードを奪っていく。この試合でチーム最多得点となる618点をマークした船見真奈(スポ4=山形・鶴岡南)は「ミスしたときに大きく外しすぎてしまった」と反省の弁を述べるも、自身が掲げた目標の630点に迫る好成績をマーク。終わってみれば200点以上の差をつけての圧勝だった。「全員で早慶戦が60回という年に無事に勝利できてとてもうれしい」(助川)と語り4年連続となる早慶戦勝利を果たした。


高木陽奈(スポ1=東京・国際基督教)をはじめとした1年生の活躍にも目を見張るものがあった

 一方の男子は接戦となる。「普段大学生は50(メートル)、30の短い距離を射っているので射つ感じが変わるというのがあって、距離が長くなると難しくなるので難しい部分もありました」(竹内寛人主将、スポ3=愛知・東海)と長くなった距離への対応は簡単ではなかった。それでも「自分自身のプレーとしては後輩たちが結構多く出ているのでその子たちが沈まないように」(竹内)とチームへの思いを語ってくれたように上級生が全体を引っ張っていく良い流れで早大は前半2エンドに逆転すると、徐々に点差を広げていくことに成功する。その後も得点を重ね、定期戦では2年ぶりの勝利を手に入れた。


竹内主将(写真左)は今後のチーム力底上げを誓った

 今年の定期戦は70メートルになったことで距離の変化への対応が勝負を左右した。雨も降る中で男女共に勝利をつかむことができたのは、全体を引っ張っていこうとする上級生と、それに見事に応えている下級生とでつくり上げられている早大のチームワークがあったからだろう。「ワセダの良さというのは一人がうまいというよりは全員でチームとして勝っていくということが武器であると思う」と竹内主将は話した。早大の持ち味であるチーム力にさらに磨きをかけ、春のリーグ戦に向け進んでいく。

(記事 岡秀樹、写真 岡秀樹、吉田優)

結果

▽男子
○早大3774-3670慶大

▽女子
○早大2431-2189慶大

コメント

野村翼(スポ4=愛知・岡崎北)

――早慶戦に向けてどのような準備をしてきましたか

今回の早慶戦に向けた練習というのはあまりしていませんが、2週間後からナショナルチームの選考会があるので、それに向けて調整していく中で、基準のひとつとして早慶戦を置いていました。

――そのナショナルチームというのは東京オリンピックを見据えたものですか

そうですね、今年のナショナルチームに入れたら東京オリンピックも見えてくるので、まずはメンバーに入って、次回以降の選考を勝ち抜いていけばオリンピックにつながるものになります。

――その中で自身のプレーをどう振り返りますか

最近思い切り射つことがなく、弱めの射が多かったのですが、きょうは強く射つことをしっかり意識できたので、課題を克服できた試合だと思います。

――一緒にプレーして今後が楽しみな下級生は

やはり2年の市川、棚田あたりは点数もしっかり伸びてきているので、このまま成長してくれたらなと思っています。

――きょうの慶大は全員が3年生以下でした。このチームとワセダの新チームがリーグ戦などで戦うことになると思いますが、客観的に見て相性などはどう考えていますか

きょうのワセダは4年生が結構点数で引っ張ったところもありますし、それで雰囲気も良かったところもあると思うので、4年生が抜ける中で自分たちの雰囲気を出せるか、点数を出せるかどうかが今のチームの課題だと思うので、そこを大事にして欲しいと思います。慶大についても4年生が強かったので、そういったことを意識したチームづくりをしていると思いますが、相性も実力も五分だと思っています。

――来年以降は接戦になると

そうですね、そう思います。

――新チームへの印象は

割と3年生の雰囲気が出ていると言いますか、楽しく明るくやれていると思います。あとは点数の面を克服できれば良いチームになるのかなと思っています。

舩見真奈(スポ4=山形・鶴岡南)

――早慶戦に向けてどんな準備をしてきましたか

私は個人で70メートルでの試合が続いていたので、それを中心に練習をしてこれたので、もちろん現役の頃より練習量は落ちましたが、ある程度(感覚などを)保てるように調整してきました。

――目標点数は

個人としては630点以上を出したいと思っていました。それくらい出せればチームに貢献できるかなと。

――30金を出したりなど好調であったように思えます

そうですね、結構30金も多く出て当たる時はしっかり当てられたんですけど、ミスをした時に大きく外しすぎてしまったので、そこが反省点ですね。

――これで4年間全ての早慶戦を勝利して終えました

自分が出て勝ち続けられることはなかなかできない経験だと思うのでよかったなと思います。チーム全員で勝ち取れたものだと思っているので、ワセダのチームは本当に楽しくて素晴らしかったなと思いました。

――今後が楽しみな下級生はいましたか

そうですね、1年生が3人も出ていてまだまだこれからだと思うので、伸び悩む時期もあるとは思いますが試合をこなしていってしっかり調整してもらえたらなと思います。

――新チームへの印象は

私たちの代から引き継いで5カ月くらい経ちましたが、まだまだチームをつくってる途中なのかなという感じがします。ただ58代らしさの雰囲気も既にあると思うので、残りリーグ戦、王座まで半年以上あるのでしっかりチームをつくってもらえたらなと思います。

竹内寛人(スポ3=愛知・東海)

――きょうの試合に向けてどのような練習をしてきましたか

今年から70メートルの形式になったのでしっかり70メートルを打ち込む練習をして、それで選考もほかの射場に行ったりして違う雰囲気を味わって自分たちのチームの空気を違う場所でも作れるようにというのを心がけてやってきました。

――70メートルでの会場での開催というのは普段と違った部分もあるのですか

はい、距離が長くなるので普段大学生は50(メートル)、30の短い距離を撃っているので撃つ感じが変わるというのがあって、距離が長くなると難しくなるので難しい部分もありました。

――自身のプレーを振り返っていかがですか

自分自身のプレーとしては後輩たちが結構多く出ているのでその子たちが沈まないように、楽しくやれるように心がけて、自分のプレー自体に関して言えばなんですけど昨日より点数を落としてしまったのでそこは反省かなと思っています。

――きょうの慶大は全員が3年生以下でした。今後はこのチームとワセダの新チームが対戦していくことになると思うのですが、どのようにお考えですか

はい、やっぱり慶大は圧倒的な一人の存在がいるので彼の点数というのが大きく自分たちとの差になっていくかなと思うのですが、ワセダの良さというのは一人がうまいというよりは全員でチームとして勝っていくということが武器であると思うので、慶大ときょうやってみて自分たちも戦っていけるなと思うのでさらに詰めていければなと思っています。

――今後に向けて一言思っています

今後、春のリーグ戦に向けてもう半年切っているのですけど少ない時間で自分たちがやれることをしっかり考えて王座制覇に向かって進んでいきたいと思います。

助川茜(政経3=岩手・花巻北)

――きょうに向けてどのような準備をしてきましたか

チームとしては70メートルでのエイト戦というのがなかなかない機会だったので普段射たない70メートルで調整してきました。

――的までの距離が変わると試合運びも変わってきますか

そうですね、70メートルということでは来年の優勝決定戦や王座と同じ距離になるのでそこに向けてよい機会でもあったかなと思っています。

――自身のプレーをどう振り返っていかがですか

そうですね、私としては調子が上がってきている中で臨んだ試合だったのですが、ちょっと今日は当日の点数から言えばうまく出し切れなかった部分があります。

――早慶戦、女子は4連覇となりました

今年の1年生はすごく上手な子が入ってきてくれて後輩の力もすごく頼りになる中で、全員で早慶戦が30回という年に無事に勝利できてとてもうれしいです。

――今後に向けて一言お願いします

勝利することはできたのですがもちろん課題も見つかったので、そこは来年の課題として取り組んでいけたらなと思っています。