覇権奪還に向け、厳しい船出を強いられた結果となった。序盤からミスが目立ち、完全にペースをつかまれた前半。何度か巻き返しを図るも突き放され、12―21で折り返す。後半に入って、一時優勢に立つもすぐさま逆転を許し、24―28。昨年度の雪辱を果…

 覇権奪還に向け、厳しい船出を強いられた結果となった。序盤からミスが目立ち、完全にペースをつかまれた前半。何度か巻き返しを図るも突き放され、12―21で折り返す。後半に入って、一時優勢に立つもすぐさま逆転を許し、24―28。昨年度の雪辱を果たすことは愚か、残す2戦に暗雲が立ち込める結果となった。

◆11・4 関東大学対抗戦(秩父宮ラグビー場)

▼対慶応戦

 明治24{12―21、12―7}28慶応○

 悪い流れを断ち切れなかった。前半7分、自陣ゴール前でのラインアウト失策から先制点を献上。試合の主導権を握られてしまった。さらに相手のアタックに対しては後手に回り、エリアキックにおいても要所で細かいミス。後半9分には、トライ目前の場面でノックオンを誘発され、絶好のチャンスをモノにできなかった。「試合のターニングポイントでのミスが勝敗の差」(右フランカー井上遼・政経4=報徳学園)。終始ハンドリングエラーが目立ち、追い風を吹かすことはできず最終スコアは24―28。辛酸をなめる結果で伝統の一戦は幕を閉じた。

 FWが〝重戦車〟を体現化させた。今試合、スクラムターンオーバーは前後半で計3本。力の差を見せつけ、観客を大いに沸かせた。「セットプレーでは細かいところにこだわっていく」(フッカー武井日向・商3=国学院栃木)。今回の敗戦を糧にチームは大きく成長する。次戦は大学選手権9連覇中の王者・帝京大との一戦。対抗戦優勝に向けて勝利は絶対条件だ。「チャレンジチームとしてこれからもやっていく」(スクラムハーフ福田健太主将・法4=茗溪学園)。初心に返り、再び春季大会の感動を呼び起こす。

[高智琉大朗]

試合後のコメント

福田

――試合を振り返っていかがですか。

 「チームとして慶応相手にシンプルに負けてしまって悔しいです。しかし負けた原因がかなり明確なので、良い課題を学ばせていただいたと思っています。全体としてミスが多すぎました。自分たちのミスで失ったトライが多かったので、そういったところを徹底して今後スキのないチームを作っていきたいです」

武井

――試合を振り返っていかがですか。

 「僕自身のミスで失点してしまった場面もあって、チームとして規律が守れなかったのが敗因だと思います。止めようという思いが強すぎてディフェンスラインが前に行ってしまったので、練習の部分から、そういう細かい部分に気をつけたいです」

井上

――試合を振り返っていかがですか。

 「自分たちのミスから失点につながったことが、大きな敗因だと思います。明治のやりたいスクラムは、形は良かったのですが、スコアに結びつかなかったことが、課題だと感じています」

右センター渡邉弐貴(営4=国学院栃木)

――2週間後の帝京大戦に向けていかがですか。

 「慶応戦での負けをしっかり全員で受け止めて、帝京大戦では必ず勝ちます。対抗戦はまだ終わってないので、しっかりと勝ちにこだわってやっていきます」