イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日〜7月10日)の第10日。 ここ6年でもっとも長く続いたビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)のグランドスラム大会での進撃は、妹セレナに対する決勝の一歩手前で終わ…

 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日〜7月10日)の第10日。

 ここ6年でもっとも長く続いたビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)のグランドスラム大会での進撃は、妹セレナに対する決勝の一歩手前で終わってしまった。

 第8シードのビーナスを準決勝まで導いた、これまでのようなパフォーマンスを繰り返すことができず、彼女は最初の4つのサービスゲームをブレークされて、第4シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)に6-4 6-4で敗れた。

 36歳のビーナスは、1994年に37歳で決勝に勝ち進んだマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)に次いで年齢の高い準決勝進出者だった。過去5度にわたってウィンブルドン優勝を遂げているビーナスだが、2009年のウィンブルドン以降は決勝まで勝ち上がることはなく、2010年の全米オープン(準決勝)以降はどのグランドスラム大会でも成績は振るわなかった。

 この土曜日に行われる女子シングルス決勝は、5度目となるウイリアムズ姉妹の対決ではなく、世界ナンバーワンのセレナ対、全豪オープン覇者のケルバーという、1月の全豪決勝と同じ顔合わせになった。

 先の全豪はケルバーにとって最初のグランドスラム・タイトルであり、それはセレナのグランドスラム優勝「22」勝目を阻むものでもあった。

 今、セレナはふたたび、その数字に限りなく近づいている。準決勝でセレナはエレナ・ベスニナ(ロシア)を6-2 6-0で圧倒した。

 「彼女のほうが上だったってことを、ただ認めなければならないわ。彼女はより強く、よりスピードがあった」とベスニナ。「私は今日、何もできなかった」。

 セレナは今年3度目のグランドスラム大会の決勝に進んだことについて、「世界中の(自分以外の)誰にとっても素晴らしい成就でしょうけど、私にとって重要なのはトロフィを掲げること、優勝することなのよ。決勝に進むだけでは私にとって十分ではない。でもその精神が私をほかと違う存在にしているのだと思う。その精神がセレナ・ウイリアムズそのものなのよ」。

 ケルバーは全豪決勝でセレナを倒したが、セレナはケルバーに対して過去7度の対戦のうち5度の勝利を収めている。

 ビーナスとの準決勝の最後は、ケルバーが19本のラリーの末にフォアハンドのランニングショットを決めた。そのときの彼女は膝を落とし、勝利の喜びを感じていた。

 ビーナスはかつて、もっとも恐るべきサービスの持ち主として妹セレナと肩を並べていたが、この日は初めてのサービスキープまでに32分、5回のトライを必要とした。

 もしかすると、ここ2週間に積み重ねたプレー時間が彼女の体に負担をかけていたのかもしれない。ビーナスは2011年から、疲労や関節痛などをもたらすシェーグレン症候群に苦しめられてきた。

 この日のビーナスはいくつかのボールに対して半歩遅く、長いラリーのあとには息を乱し、21本のアンフォーストエラーをおかした。

 ケルバーも出だしは絶好調とは言い難く、試合はお互いにサービスゲームを落とし合うという、ややお粗末な形で始まった。そのときの問いは、どちらがこのパターンを崩すのかということだった。そしてそれをやったのがケルバーだった。

 「ビーナスとはいつもタフな試合になる。だから勝つことができてとてもうれしいわ。今日はとにかくアグレッシブにプレーしようとしたの」と試合後のケルバー。勝利の喜びをただただ強調した。

 「一年に2度もグランドスラム大会の決勝にいけるなんて素晴らしいこと。セレナとの決勝には自信を持って臨み、自分のテニスをするよう努めるわ」。(C)AP